第16話『異世界ログアウト・無自覚な現実への帰還』
「――とりあえずこれにて異世界対策会議を終了する」
ゴールドは、長く続いた会議の終了宣言を行う。
「それでは、各々準備に取り掛かるがいい。私は、そろそろリアルに帰還する。ではな」
「「は!」」
十二使徒の挨拶を聞きながらコンソールを開いた。
コンソールをいつも通り操作する。
操作するのは、ログアウト。
そしてログアウトの決定を操作する。
するとゴールドは光に包まれ――
「 」
「 」
「 」
「 」
「――――――っはあ、何だか何時もより疲れたな。まあ、いきなりギルド拠点ごと異世界ステージに飛ばされるなんて特殊イベントが起こればなぁ。リアルに帰還とぉ」
『ゴールド』とゲーム内では名乗っている金髪美少年『エル・ゴルド・スペンサー』は、無自覚に無事に、異世界からリアルに帰還できた。
「ふう。まだ一時間ぐらいしか現実では経ってなかったか。まあ、現実の一時間がゲーム世界の向こうでは、10倍の体感時間の10時間になるからなぁ、最近のフルダイブゲームはホント凄い魔法みたい」
しかし、この異世界からのログアウトがどれ程の『異常』なのかは、エル少年本人には、全く気付くことは無かった。
「あ! 彼女のリーリアからメッセきまくってる!? ああ。これ怒っているな……どうしようか――」
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