第9話『戦力値400オーバーの竜種』
それから数秒もしないうちに、遠くに見えていた後続のドラゴン集団も、はっきりと肉眼でも認識できる距離まで接近していた。
「で、でかい! なんだアレは! 一匹でかすぎる赤いドラゴンがいるぞ!?」
「まさか戦力値400オーバーの竜種か!?」
「ドラゴンスレイヤークラスの戦闘力が必要じゃないか!?」
「それだけじゃない! よく見ろ! でかい赤いドラゴンの周りにいる黄色い奴も先のワイバーンよりも確実に格上だぞ!」
騎士団が驚愕し声を上げる。
それ程差し迫った脅威は凄まじいと言える。彼らの常識ではの話ではあるが。
『うふふ。お父様ぁ。一応報告しますねぇ。数は11。レベル300のサンダードラゴンが10。そして残りの一匹が、レベル450のキングクリムゾンドラゴンですわねぇ』
輝夜が律義に敵の編成と戦力を念話で報告してきた。
『ああ、分かった』
それに答えつつドラゴンを観察する。
黄色い西洋風の竜の見た目をしたサンダードラゴン。
体長は、10メートルの巨体である。
先のグリーンワイバーンが、3~4メートルだったことからも巨大さに目を見張る。
少なくとも騎士団の動揺は、顕著で顔を青ざめる者も多い。
そして、飛び切りやばそうなのが、赤い西洋風の竜キングクリムゾンドラゴンである。
体長は、30メートル程であり、このドラゴン軍団の首魁だと一目でわかる威圧感を体現した巨体である。
そんな竜の軍団が、そろそろ騎士団との交戦距離に迫ろうかという時に、ピタリと空中で静止した。
「え?」と誰からともなく疑問の声が騎士団から発生する。
――そんな騎士団の疑問に答える声が地上からでなく空中から聞こえてきた。
「――人間ども! よくも俺のワイバーン共を殺し尽してくれたな! 唯では殺さんぞ! じっくりと嬲ってやる!」
その声は怒りに満ちた声であった。
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