第十一話『悪陣営のNPCは当然人間さんには優しくない』


 「はい。ゴールド様の仰る通り、これは人為的な物ですわ。恐らく下等な人間種同士の」


 そのカーミラの物言いは、心底人間を見下していた。

 しかし特にその言動を咎める存在は、この場にはいなかった。


 「左様。人間種の愚かさは異なる場所だろうとそう違いは無いのだろう。ふう。醜いな」


 それどころか賛同する物言いをする孔明。

 他の者も『うんうん』と頷いていた。


 (やはり。サタンパーティ製のNPCは、こういう反応か。仕方ないなジェネシスのシステムがシステムだし)


 そう。この反応は、特に驚くに値しないのだ。



 (ジェネシスは大まかに分けると正義の陣営と悪の陣営が戦うゲーム。色々できたからね。NPCの街を襲撃して人間種を殺したり、食べたり、攫ったり、拷問したり、生贄したり、売ったり、飼ったり。それらを阻止するために、NPCの正義の味方やら正義陣営のプレイヤー達が立ちふさがったけ、大半は返り討ちにしたけど。まあ自由度の高すぎるゲームだね)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る