第24話 那覇パニック
前回と同じ場所で15匹ほどマジムンが居座っており、
それに、未確認の毒ガスが那覇市内で
ナビーが言うには、同じ規模のマジムン反応が那覇市内に6か所あるらしいので、長期戦になることを考慮して白虎のシーサー化を解いて戦うことにした。
俺も、いかに
なるべく接近しないように、
この戦法が見事うまくいき、国際通りのマジムンは難なく退治できた。
ナビーに連絡して、次の場所を指示してもらうと
奥武山でも同じような状況だったので、同じ戦法でかたずけたが、流石に1日で30匹近くのマジムンを相手にするとSP切れになってしまった。
惜しくも、続きは翌日に持ち越すことになった。
マブイグミ組は、1日のマブイグミできる人数はナビー20人、琉美5人が限界だそうで、こちらよりも苦戦しているみたいだ。
マブイグミは、
病院に搬送されていない人から急いでマブイグミをして、搬送された人たちは後回しにするしかないようだ。
レキオス青年会は、準備できた
ライジングさんと
2019年4月15日、午前5時。
ナビーと
確認しただけでも50人ほど病院に搬送されている人がいるとテレビのニュースで話題になっていた。
これ以上騒ぎが大きくならないためにも、搬送前にマブイグミをしたいと思い、夜のうちにやられた被害者を助けに行った。
俺も、人気の少ない時間から
怪しい店が立ち並ぶ裏通りの中、
キャッチの人なのだろうか、店の前に2人の男性が倒れているのが見えた。
お太りになられている、お年を召した方が売りのお店のようで、客がいなかったのだろう、誰にも気づかれないままだった。
ナビーに連絡を入れて、
道の片隅でくつろいでいる奴から確実に倒していこうと、ばれないように近づいて大技をくらわす。
「
特殊能力【
しかし、大技だったせいで他の8匹に気づかれてしまった。
「やべ!」
俺を中心に、8匹の
たぶん、俺が何かしかけたら襲ってくるだろう。
安易に動けずにいるが、このままではいけないので、とりあえずこの場から逃げることを考えた。
……やっぱり、上に逃げるしかないか?
「ヒンプンシールド・
4つのヒンプンシールドで階段を作り、それを駆け上がって行く。
一番上のヒンプンだけ残し、下の3つは追ってこられないようすぐに消した。
……ああ、猫動画見てるみたいだな。
冷静に考えると、高いところに飛び乗る速さで猫に勝てるわけないので、この逃げ方はよくなかったのではないかと反省した。
次の瞬間、三毛、黒、茶の3匹がひとっ飛びで俺の目の前にあらわれ、空中猫パンチをしてきた。
三毛と茶のパンチは避けられたが、黒のパンチをもろに食らって足場から落とされてしまう。
身体に
瞬時にHPとSPを確認する。
HP 180/290 SP 235/250
……!?
あの猫パンチ、想像以上の威力だったみたいだ。
攻撃力とジャンプ力からみて、この
集団の真ん中に
いつでも攻撃できるように手を前に出して構えると、
1匹ずつなら何とかなりそうだと思い、今までに見てきたアニメや漫画の戦法で使えそうなのを思い浮かべると、複数では入れない狭い場所に逃げ込んで、追っかけてきた順番に倒していくのを参考にしようと考える。
しかし、俺がちょうどいい狭さの場所を探すまえに、追いつかれてやられる絵が浮かんでしまった。
それなら、ここに作ってしまえばいいと思い、ヒンプンシールドで作ることにした。が、この数の猫パンチでヒンプンシールドを壊されたら、どうしようもなくなる。
しばらく考えていると、猫動画と狭いが結びつき、いい作戦を思いついた。
小さなヒンプンシールドで、
たまに癒されるために見ていた猫動画の定番。そう、猫ズサーだ!
先程攻撃してきた行動力のある三毛、黒、茶が先頭に立ってお尻をフリフリし始めた。
そして、吸い込まれるようにそれぞれトンネルに突っ込んでいった。
「よっし! 大成功!」
頭だけが外に出て、身体がはまってしまっている
猫ズサーズサッ作戦で8匹すべて倒したとき、一回り大きな白い
たぶん、この辺りのボス猫なのだろうか、他の猫より目つきが
ヒンプントンネルをボス猫用に大きめに作り直し、猫ズサーズサッ作戦を試みたが、まったく興味を示さないで、こちらをただにらみつけている。
……しょうがない、直接戦うか。
セジ刀・
「
通常の姿の白虎が、自分より大きな
それを、
「白虎、
ナビーの指示を聞いた白虎は、ひるんでいる相手の真上に飛び乗った瞬間、身体をこちらに向き直り、そのまま後ろ足で蹴りながらヤンバルスパイクでひっかいた。
すると、
倒したことを確認してこちらに向かってきた白虎は、久しぶりに俺めがけてタックルしてきた。
「ぐっふ!」
「ワンワン!」
痛いけど、なんか嫌じゃない自分がいる。
一緒に戦って、一緒に強くなっている白虎の成長を感じられるので、痛さがうれしさのパロメーターになっていた。
……これって、やばい?
ナビーと琉美が声をかけてきた。
「ここも何とか終わったようだね。私たちは首里の方に行ってたんだけど、
なぜか、目を丸くして琉美が俺を見ていた。
「どうしたの?」
「い、いやー、別に……それより、回復の練習させてもらってもいい?」
「もう、
俺の背中に両手をあてがい、琉美は集中し始めた。
「
HP 250/320
ナビーのように一発で全回復することはまだできないようだ。
「全回復までお願いしてもいいかな?」
「まだ覚えたばかりだから……ごめんね」
「技は練習と経験でレベルアップするからね。
ナビーが真面目な顔になり口を開いた。
「実はさ、短期間でできる
「
ナビーと琉美は顔を合わせてニヤニヤしている。
「何でもやるって、
琉美が満面の笑顔になり、思わずドキッとした。
……こんな顔で笑える人だったのか。初めて会った時の顔が印象的だったから、本当によかったな。
干渉に浸っていると、ナビーが白虎に何か指示をしている。
ナビーたちが来た方向に白虎が走っていき、しばらくして1mくらいの細長いものをくわえて戻ってきた。
「おい、ナビー! これって、前のより小さいけど
「はぁ? 何言ってる。
キャッチの2人にマブイグミをしたあと、何をするのかよくわからないまま、みんなで近くの公園に向かった。
「よし! 今から1時間ほど修行しようね」
何をするのかきく間もなく、ナビーは高速で俺の背後に回り、羽交い絞めで拘束してきた。
「なんだよ!? 何するんだよ?」
「何でもするって言ってたさー。大丈夫、死にはしないよ!」
「ハア、ハア……シバ、ごめんね。私も早く成長して、2人の役に立ちたいから……」
興奮している琉美は、白虎から
「アガーーーーーー! やめーーーーーー! 死ぬーーーーー!」
「ハア、ハア……ごめんね、これも沖縄のためだから」
「琉美、後一発ね」
パッシーン!
「ハア、ハア。きもち……じゃない」
琉美は
「
この修行の構造を理解した。
回復の技の修行をするにはHPが減らなければいけない。
しかし、普通のセジで攻撃しても
……ひどい、ひどすぎる。
ナビーの入れ知恵だとは思うが、琉美がノリノリでムチを打ってきたので2人ともいかれている。
琉美はドがつくサディストだったようだ。
俺はMじゃないことを確認できたのが、唯一の収穫だ。
1時間後、世界で一番ひどいアメとムチがやっと終わった。
そのあと、皆で
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