第16話:売買価格

 色々あったが、異世界の日数でわずか7日でアルフィが再び村にやって来た。

 しかも今度は傭兵と荷物運びの奴隷あわせて200人もいた。

 正直本気で警戒したが、今度の荷物が高価な商品なので護衛を増やしただけだったのだが、それでも警戒を緩めず村の中に入れたのはアルフィと4人の護衛だけだ。


「これはこれは神様、この度は随分と儲けさせていただきました。

 お得意先の貴族の方々も、これほどの小麦粉と塩を持っている商人の胡椒なら、期待できると言われておられます。

 現物を確認した上で、高値に買い取らせていただきますよ」


 アルフィが何を口にしても、石姫皇女が心を読んでくれるから、買取価格の上限で売ることができるから、何の心配もいらなった。


 25kg20袋を7万7400円で買った小麦粉を、前回と同じ1袋純金10gで売り、合計200gの純金になった。

 25kg20袋を2万4000円で買った塩も、前回と同じ1袋純金15gで売り、合計300gの純金になった。

 1kg10袋を1万9780円分買った粒黒胡椒は、30gで純銀2gと言われたが、それでは計算がややこしいので、10kgで純金54gにさせた。


 ここで困ったのだが、アルフィにも粗挽き黒胡椒、グラインド黒胡椒、パウダー黒胡椒、パウダー白胡椒がいくらで売れるか予想できなかった事だ。

 仕方ないから全部10kgで純金54gの値段にして、60kgで純金324gを受け取ったが、次回も石姫皇女にアルフィの心を見てもらって価格交渉をするから、最高値で売ることができるだろう。


 胡椒は小麦粉や塩よりも遥かに軽くてかさばらないので、これが高値で売れればいいのだが、買ってくれる貴族や金持ちが少ないので、たくさん持ち込めば値崩れの可能性があり、値動きを見ながら売る必要があった。


 1kg6980円で買った銅インゴットだったが、銅貨は国が発行しているのではなく、地方の領主や教会、中には有力商人までもが銅貨を発行しているという。

 石姫皇女がアルフィの心を覗いて確認してくれたから間違いない。

 純銀1gに対して銅は20gでいいというのだから驚きだ。

 まあ、銅を採掘して精製する事も大変なのだろうが、日本から銅を持ち込んで金と交換すれば大儲けできる。

 もらえた純金は4gだったから、4倍の利益になったと思う。

 もっと大量に業者に発注すれば、莫大な利益が得られるかもしれない。


 なんと、硬貨として完成している10円玉は、4・5gの青銅製なのだが、5枚で純銀1g、63枚で純金1gと交換してくれるという。

 5円玉では、金のように美しく輝いている事と、穴が開いていて紐で纏められるのもよかったのだろう、3・75gしかないのに10円玉よりも交換価値が高かった。

 5円玉4枚で純銀1g、50枚で純金1gと交換してくれることになった。

 石姫皇女がアルフィの心を覗いて確認してくれたから分かるのだが、10円以上の価値で流通させるつもりのようで、5円玉の大量注文を受けた。

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