変態コスプレ美少女に祝われる‼︎
10月26日、今日から冬服になり、白波瀬の黒タイツ、夢野と秋月の黒ニーソに視線を奪われる。冬服の制服姿ももちろん可愛く、自分がS組の生徒であることを誇りに思う。
秋月とは、謎の少女と会わないように、あれからは保健室で弁当を食べることにしているが、今日は体調の悪い生徒が居て、調理室に行くことになってしまった。
「大丈夫かなー」
「なにが?」
「なんか俺、あの人怖いんだよ」
「でも、優しいのは分かるよね!水くれたし!」
「俺の金でな‼︎」
「ありがと♡」
「お、おう」
「さーて!今日の弁当はなにかなー!」
そして調理室に入ると、謎の少女はいつも通り、一人で弁当を食べていた。
「ねぇ」
「は、はい?」
なんか話しかけられたんですけどー⁉︎
「あの、私に突っかかってきた子は元気かしら」
「元気だぞ?」
「あの子、深い闇を抱えているでしょ」
「なにが言いたいんだ?」
「目を見れば分かるのよ」
そう言われて、謎の少女の目を見ると、謎の少女は俺の目を真っ直ぐ見て一瞬口元を緩ませて言った。
「貴方も」
その瞬間、俺は動揺して、手に持っていた弁当を落としてしまった。
「ちょっと塁飛くん⁉︎」
「な、なに言ってんだよ。俺はなにも」
「そうかしら?深い闇が染み付いた目をしているわよ?」
「え、なに?暗黒龍?ついに暗黒龍宿っちゃった?」
「今までもそうやって、心の内を話すタイミングを自ら捨ててきたのね」
「なぁ、さっきからなに言ってんだよ」
「そうだよ。塁飛くんが嫌がってる」
「そう。ごめんなさいね。席を外すわ」
謎の少女は調理室を出て行き、俺と秋月はいつも通り昼ごはんを食べ始めた。
とにかく、あいつは危険だ‥‥‥
「んー!おいてぃー!」
「なんだそりゃ」
「美味しいって意味だよ!」
「分かるわ!それより味覚の調子は?」
「えっとー、微妙?」
「なんで疑問形なんだよ」
「えへへ♡(実は治ったなんて言いたくないよ‥‥‥)」
「でも、濃い味やめたのに、美味しいなら治ってきてるのかもな!」
「そ、それは食べたら言わなきゃいけないかなみないなやつで!」
「お世辞かよ!」
そんな会話をしている中、俺は最近の三人の行動を思い出した。
「そういえばさ、最近三人でコソコソしたり、三人で足早に帰ったりするよな。なに企んでるんだ?」
「え⁉︎な、仲良いだけだよ!」
「そうなのか!夢野と白波瀬は喧嘩とかしてないか?」
「言い合いはよくするけど、数分で仲直りして、ニコニコしてるよ」
「よかったー」
「うん!」
それから数日経ち、三人が企んでいることを知ることになった。
31日、誕生日の朝、玲奈の声で目を覚ました。
「お兄ちゃん!お兄ちゃーん!」
「んー?」
「いつまで寝てるの‼︎」
「今何時?」
「朝6時」
「アホか‼︎まだ寝てていいだろ!」
「なに言ってんの⁉︎今日は誕生日でしょ⁉︎あっ、言っちゃった」
玲奈は慌てて自ら口を塞いだ。
「なんだ?サプライズでもする予定だったのか?」
「違うけど」
「なんだよ、違うのかよ」
「とりあえずおめでとう!また一つ、お爺ちゃんになったね!」
「そのちょんまげ切り落とすぞ」
「やめて!私の命!てことで、凛先輩達来てるよ」
それを聞いて、思わず勢いよく飛び起きた。
「は⁉︎早く言えよ!」
「私の部屋に居るから早く来てねー」
「はいはい」
あいつら、なにしに来たんだ‥‥‥
とりあえず上下灰色のスエットのまま玲奈の部屋のドアを開けると、俺は自分の目を疑った。
「お誕生日おめでとーう‼︎」
四人はクラッカーを鳴らして祝ってくれたが、白波瀬は谷間が丸見えのメイド服、夢野はサキュバス、秋月はなぜが幼稚園のピンクの服に黄色い帽子をかぶったコスプレをしていた。
「なにやってんのお前ら」
「今日はポチの誕生日であり、ハロウィンだから!」
「うん。で、なにやってんのお前ら」
「だーかーらー」
「夢野は露出多すぎだ。玲奈に悪影響だろ」
「私もコスプレしたい!」
「玲奈にはお兄ちゃんの制服を貸してやろう!男子学生のコスプレとかカッコいいだろ」
「えー。可愛いのがいいー」
「許さん!」
「塁飛くん!」
秋月がシンプルに1番可愛いわ。幼少期もこんな感じだったのかな。
「なんだ?」
「これプレゼント!」
「マジで⁉︎」
「開けてみてよ!」
「おう!」
渡された中くらいの箱を開けると、中にはキラリと輝く包丁が入っていた。
「な、なに⁉︎」
「これからも料理頑張って♡!」
「そういうことか。刺されるのかと思った」
「そんなことしないよ!」
「ポチ!私からもプレゼント!」
夢野は笑顔で、俺の首に鈴付きの青い首輪をつけてきた。
「似合ってる♡!」
「あ、ありがとう‥‥‥」
夢野のコスプレ衣装、少し大きいのか、胸の部分浮いちゃってるんですど‼︎‼︎‼︎見えちゃうよ⁉︎⁉︎⁉⁉︎︎見ちゃうよ⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎
「ご主人様♡」
「白波瀬、玲奈の前でご主人様はやめろ」
てかメイド服似合いすぎだろ‼︎絶対本業だろ‼︎素直になっていいなら雇いたい‼︎
「ご主人様にプレゼントがあります♡」
「うん。日本語分かる?」
「受け取ってください♡」
白波瀬は中が見えない白い袋を渡してきて、中を見ると、女性物のパンツが大量に入っていた‥‥‥
「し、白波瀬?これは?」
白波瀬は大事な部分を隠すように手で押さえ、頬を赤くした。
「ご主人様のために洗わずとっておきました♡‥‥‥もちろん今日のも入ってます♡」
落ち着け。冷静になるんだ。白波瀬の履いたパンツ‥‥‥べ、別にいらないけど、プレゼントは気持ちだし?貰わないと失礼だし?今日のも入ってるって言ってたし?
「‥‥‥今ノーパン⁉︎」
「はい♡」
「凛ちゃん!なに変なのプレゼントしてるの⁉︎」
「でもご主人様は嬉しそう♡」
「ポチ‼︎」
「塁飛くん‼︎」
「えぇ〜‥‥‥」
すると、玲奈にパンツの入った袋を素早く奪われた。
「ちょ、ちょっと玲奈?」
「安心してお兄ちゃん。私が処分しておいてあげるから」
「そ、それはダメだ!せっかくのプレゼントだぞ⁉︎」
「どうせこれで変なことするんでしょ」
「するわけないだろ‥‥‥てか、なんか怒ってる?」
「別に」
玲奈は不機嫌そうに袋を持って部屋を出て行ってしまった。
「あーあ、凛、玲奈ちゃん怒らせたー」
「私はご主人様に喜んでほしくて‥‥‥」
そんな悲しい顔するなよ。大丈夫。いつでも貰ってやるぜ。
俺は徐々に道を踏み外していると自覚した。
「ポチ!これで終わりじゃないよ!」
「なに⁉︎まだなにかあんのか⁉︎」
「次は三人で割り勘して買ったんだよ!」
「マジ⁉︎」
最近コソコソしてたのはこれか‼︎‼︎‼︎
「三人で渡そ!」
「うん!」
三人は一緒に茶色い袋を持ち、可愛らしい笑顔で渡してきた。
「はい!」
「ありがとう!」
まさか‥‥‥三人分の下着‼︎‼︎‼︎ありがとうございます‼︎‼︎‼︎
袋を開けると、上下セットの黒いジャージが入っていた。
「パンツじゃない」
「ポチ、パンツがよかったの⁉︎」
「ご主人様のためなら毎日あげます♡」
「わ、私だって、塁飛くんのためなら‥‥‥」
「いや、違う違う‼︎なんでジャージ?」
「私、制服のズボンをダメにしちゃったでしょ?それでなにか着るものって思って二人に相談したの!」
「なるほど!大切に着るよ!」
「ご主人様覚えてますか?三人でご主人様を動けなくしたの」
「あぁ、座ってる時な」
「あの時私、ご主人様のウエスト測ってたんです!」
「そういうこと⁉︎」
「私はワイシャツのサイズ見てた!」
「私は舐めてた!」
「秋月は反省しような」
「なんで‼︎」
その時、廊下から玲奈のハッピーバースデーを歌う歌声が聞こえてきて、歌い終わると、玲奈は白波瀬の名前を呼んだ。
「凛先輩!ドア開けて!」
「今開けるわ」
白波瀬がドアを開けると、玲奈は大きなショートケーキを持っていた。
「お兄ちゃん!私からのプレゼント!みんなで食べよ!」
「玲奈が買ったのか⁉︎」
「うん!お小遣いで!」
「ありがとう!とりあえずテーブルに置くか!」
「うん!」
すると玲奈は手をプルプルさせ、ケーキがグラグラと揺れ始めた。
「れ、玲奈?」
「だ、大丈夫大丈夫。一人でできるからぁ〜‼︎」
「きゃ‼︎」
嫌な予感は的中し、玲奈はケーキをぶちまけてしまい、三人はケーキのクリームまみれになってしまった。
「ご、ごめんなさい!」
「大丈夫だよ!気にしないで!」
「ご主人様♡私を食べて♡」
「本当に食うぞ」
「喜んで♡」
「ポチ?私もいいよ‥‥‥」
「マジですか‥‥‥」
「私も‥‥‥」
これはしょうがないこと。そう。しょうがないことなんだ。
「玲奈」
「な、なに?」
「お兄ちゃんは玲奈が買ってくれたケーキを無駄にはできない!」
「う、うん」
「五分ほど、部屋を出ていなさい」
「わ、わかった」
玲奈が出ていった瞬間、夢野は俺の頭を掴み、小さな谷間に顔を押し付けた。
「ほら、こうしたかったんでしょ?食べていいんだよ?ほら早くして!はぁ♡」
「ま、待て待て!」
「早く舌出してごらん?これは命令」
いざとなったら動揺してしまい、なにもできない。
「ご主人様は大きいのが好きなんです♡」
「おいおい!」
白波瀬は俺を引っ張り、大きな谷間に顔を押し付けた。
「ご主人様♡好きにしていいんですよ♡んっ♡息が当たりますー♡」
やっばーい‼︎‼︎‼︎やばいやばいやばい‼︎‼︎誕生日って幸せな日だ‼︎‼︎明日も誕生日になってくんないかな‼︎‼︎
「塁飛くん!次は私♡」
「な、なに⁉︎」
秋月は自分に着いたクリームを俺の唇に付け、顔を近づけてきた。
「え」
「それはダメー‼︎‼︎‼︎」
「ぬあっ‼︎」
秋月は夢野と白波瀬に突き飛ばされ、床に倒れ込んだ。
キス‥‥‥されるのかと思った。
「ポチ」
「は、はい。ぐはっ‼︎」
夢野に膝蹴りされ、蹲ると夢野は俺の頭を掴みながら横になり、クリームまみれの太ももに顔を挟んだ。
「どう?ご主人様の脚で汚される気分は」
「‥‥‥」
「答えろ‼︎」
「最高です‥‥‥」
「はぁはぁ♡いいよ♡ポチ♡」
「ご主人様は私の!」
「白波瀬⁉︎」
顔を挟まれて動けない俺の腕を掴み、白波瀬は俺の手を谷間に突っ込んだ。
「ひゃー‼︎‼︎‼︎」
「お兄ちゃん⁉︎大丈夫⁉︎」
あ、やばい。玲奈に見られた。
「お兄ちゃん‥‥‥最低‼︎変態‼︎クズ‼︎ゴミ‼︎」
あぁ‥‥‥死にたい。
それから三人は玲奈にお風呂に入れられ、着替えさせられて家を追い出されていた。
三人からこの文句を聞かなきゃいけないと思うと、やっぱり死にたい。でも今日は最高だったぜ‼︎‼︎‼︎おっぱいわっしょい‼︎‼︎
その後、イライラしてるであろう夢野から鬼電がきたが、怖くて無視し続けた。多分やばい。
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