233話 あれから

……あれから三ヶ月が経った。


女神が死んだからか、魔物も姿を消し、女神の結界も無くなったらしい。


その代わりに、黒いベールに包まれた神殿が現れたと。


おそらく、それが龍神の封印されし場所なのだろう。


魔物がいなくなったことで、ひとまず平和が戻った。


しかし、本当の問題はここからだろう。


教会の滅亡、我が国の重鎮の死亡、グロリア王国の情勢。


何よりの問題は………。






……中々重苦しい雰囲気だな。


今、俺の目の前には、兄上であり現皇帝陛下であるライルがいる。


横にはグロリア国王であるロナードが。


そして、兄上の対面にいる人物は……。


「久しぶりだな、フラムベルク当主エラルドよ」


「ええ、ライル皇子」


その時、兄上の眉間にシワが寄る。

皇帝と呼ばなかったことに苛立ったのだろう。


「兄上」


「……わかってる」


兄上達にはきちんと説明した。

この世界の成り立ち、この大陸が女神に作られた箱庭だということを。

我が皇族の血は正しくなく、フラムベルク家こそが真の皇族かもしれないと。

しかし、今更言われたところで……納得できるわけがないよなぁ。

ただでさえ国も混乱しているので、こうして話し合いの場を設けたってわけだ。


「クク、大変そうだな?」


「ロナード殿……代わってくださいよ」


「いや、俺はただの見届け人だ。グロリア王国としては、どっちでも構わん……友好的であるならな」


「はぁ……エラルド殿、貴方はどうしたいですか?」


「今回の戦の第一功労者はアレス殿だ。故に、私はそこまで求めるつもりはない。ただ……この国からは独立しようと思っている」


「兄上、どうですか?」


「ふむ……コルン、どう思う?」


兄上が、背後にいるコルンに問いかける。

そう、コルン先生が新たに宰相になった。

信頼の置ける方だし、頭も回る方だからな。

何より俺が嬉しいのは……兄上がきちんと問いかけたことだ。

自分で考えろという人もいるかもしれない。

でも、きちんと意見を求めることができるのも皇帝としては立派だ。


「そうですねー……良いんじゃないですか?」


「理由を聞こう」


「元々独立気質の高い家ですし、今ではヒルダ様が嫁いでいますから。生まれたお子さんは、陛下の甥っ子ですし。もちろん、血の繋がりがあることによる弊害もありますけど……姉を同盟国に嫁がせたと思えばいいかと」


「……たしかにそうだな。わかった、独立を受け入れよう」


「感謝します」


……ほっ、ひとまず第一関門はクリアしたか。


これで、俺の





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