第95話 一次ダンジョン15層対策

 タラワダンジョンの一層で今いるメンバー全員に集まって貰った。

 一次ダンジョン十五層と三次ダンジョン十層スタンピードの対応を指示するためだ。


 基本的に中ボスでは階層数の二倍レベルの中ボスが現れる。

 それであれば今回の一次ダンジョン十五層の中ボスのレベルは三十。

 ミスリル武器と、各種属性があればクリアは出来ると判断した。


 属性の方は既に各国でもスキル保有者の人数は増えているので、攻略チームに満遍なく属性スキル所持者を編成するように求める事で対応できると思う。


 ミスリル武器に関しては、ここにメンバーを出してきている三十か国の六次ダンジョン発生国に関しては、貸与してあるので問題無い。

 残りの百四十六の国に対しての対応だけど、一番確実なのは俺が転移できる五十六の一次ダンジョンに関しては、直接俺が倒すのが事故は起きにくいと思う。

 ただ問題は流石に俺がやるにしても五十六か所もあると丸一日以上は掛かってしまうので、そうなると地上迎撃班が持ちこたえる事は難しいんだよね。


 やはり、各国でそれぞれ防衛して貰う事が現実的かな……

 ミスリル製の武器の在庫は、ゴブリン産の武器を俺が異次元ボックスでミスリル武器に作り替えた物が200は用意してあるから、これを購入して貰えば間に合う。


 そこまでの前提条件がそろった上で、日本のNDF島長官に相談をした。

 一応以前起こった様な、防衛装備移転三原則とかでマスコミが騒ぎ出したりすると困るからだ。


『と言う事で、こちらでミスリル武器を用意して鮎川さんにNDFまで運んでもらおうと思いますが、各国に対しての有償供与を島長官にお願いしても良いでしょうか?』

『そうですね。世界中が同じように防衛できないと魔物には国境線など関係ありませんから、基本的にその意見に賛成です。ただ……』


『ただ?』

『Dキューブの立ち位置として、魔物討伐に関しては圧倒的な実力を有しているのは既に世界中で認められている事ですので、もっと規模を拡大して欲しいのです』


『えーと……具体的にはどの様にしたらいいですか?』

『受け入れ人員ですが、各国のダンジョン保有数に対して二名ずつの受け入れをお願いしたいと思います』


『島長官……それだと現状で六百三十か所のダンジョンに対して千二百六十名の人員を受け入れると言う事になりますけど……』

『そうですね。そしてDキューブへの出資に関しても全体の49%の株式に関して、出向メンバーの比率で割り振ってい貰いたいと思います』


『あー株式とかそんなのは俺はさっぱり分からないので、島長官にお任せします』

『そうですか。それは助かります。一つだけ条件を付けるのはD³の保有分の51%に関しては、売却する場合は日本国だけが購入できると言うオプションを付けさせていただきます。当面は一般企業への譲渡は国内海外を問わず禁止でお願いします』


『その辺りの話は、俺じゃ全く分からないんで麗奈と咲に任せるって事でいいですか?』

『了解しました。日本国から派遣する人員は、基本戦闘要員では無くその辺りを調整できる職員を、ダンジョン省から派遣いたしますので、折角用意した本社を活用してください』


『解りました。ありがとうございます』


 島長官との連絡も終わり、Dキューブのメンバーに対して各国へ一時帰還の指示を出した。

 当然十五層スタンピードは今回が初めてになるから不安が全くない訳じゃないけどそれが最善と判断した。


『祖父ちゃんは咲と一緒に三次ダンジョンの十層に向かって欲しいな。麗奈は彩をサポートして一次ダンジョンの十五層の方に頼む。俺は入れ替わりに日本からくる遠藤さんと二人で対処をするけど、LCはボスが出現するから後回しにして、スタンピードが始まったら適当にダンジョン転移をして、一次ダンジョン十五層と三次ダンジョン十層を一か所ずつ先に終わらせて島長官に連絡を入れる。そんな流れでよろしくね』

「一ついいか?」


 GBのポールが手を上げた。


『どうしたの?』

「今回当然ロンドンも十五層が現れるからどう対処するべきかと思ってな」


『あーそれあるよね。スタンピード自体を魔王軍が止める事が出来るのかな? 一応ダンジョンシティの外に迎撃部隊は用意するべきだとは思うんだけど、まだ約束は守ってくれてる状態だし、ポールは三次ダンジョンの十層の方に集中でいいんじゃないかな?』

「ああ解った。でももしロンドンが溢れた場合の対処は、TBが直接乗り込んでもらえると思ってもいいか?」


『ポール。俺まだダンジョンから出れないから、その場合はNDFに協力要請して麗奈や咲に乗り込んでもらう形になっちゃうな』

「そうだった……今回は魔王に期待するしかないか」


『島長官から聞いた話だと、ダンジョンシティを勢力圏にしてるみたいだし、折角手に入れた拠点を手放す判断もしないと思うから、現時点では危険度は少ないと思うよ』

「了解した。さっさとリバプールを終了させて戻って来る」


 そして再びDキューブのメンバーはプライベートジェットで横田に向かいそこからそれぞれの母国の防衛に向かった。

 今度はちゃんと麗奈に彩用のカップサイズの小さなブラも渡して置いたからね!

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