第11話 旅の準備



───ピピピピ、ピピピピ...


「ふぁあ...Rain、なんだぁ?」ゴシゴシ...


『マスター、日の出です』


「ヘイロー降下はやらんぞ?さてと...」グッ


…うん?あれ!?体動かんのだが...


ゴソゴソ、ゴソゴ...ぷに?


「ファッ!?」


…おふトゥンの中に感触が...


ハルは恐る恐る中を覗き込む...


──スヤスヤ...スヤスヤ...


何という事でしょう...可愛い少女がハルを

抱きしめているではありませんか...


「...」 (状況を理解できず思考停止中)


「う...ふぅぁ...うぇ?ここぁ...ど...こ...」


目が合ってしまった。


「アノ...イッカクサン?ナニシテルノ?」(震え声)


「何が、え?あっ...う...」カァァァ...


状況は理解できなかったが自分がハルに

抱きついているのが分かり、顔が赤くなる...


「う...うわあああぁぁぁぁ!?」ブンッ


イッカクが放ったアッパーは...


「ちょっ...ゴアァ!」ドガァ


『イッカク様、ナイスアッパーです♪』


「へっ!?」


ハルの体は宙にほんのり浮いた後、


「うっ...(ゴン!)」(頭をぶつける音)


「うわぁ!?ハルぅ!」


『意識不明、気絶とみなします』


…なん...で...やぁ...うーん...(気絶)


────────────────────

....

..

.


落下している自分を気にせず、

爆発している施設を見つめる...


…あの人、大丈夫かな...


ヒュゥゥ...バッシャアアァァン!!


遂に下の水源まで落ちた被験者は、

そのまま川に流されていった...


…ガボガバボボ...ゴボボッ


*


雨が降っている、川の隅には流された被験者

が倒れていた。目の前には誰かが見てい...


…誰だ!?


───初っ端から行き倒れを見つけるとは...


「あ...う....」


…あぁ...喋るってどうやるんだっけ...


───どうだ小僧、私と一緒に来るか?


誰かは被験者の体を持ち上げた。


…温かいな...


.

..

....

────────────────────



「うっ...あれ?皆は何処d...(ズキズキ)」


…うへぇ...頭いった...


スタッ...スタッ...


「起きましたね?料理を作るのです。」


「負傷者に対しての扱いよ...イッカクは?」


「地下室で布団とやらに潜って、もがい

ているのですよ?何をやっているんだか...」


*



───うう...


…何故だ!何故抱きついていたんだ私は...


「どうしよう...ハルは大丈夫なのかぁ...」


…そういえばこの敷物、ハルの匂いが...


「あっ...」カアァァ...


*



───うわあぁぁぁぁ!!


「...と、この調子なのです...」


「うーん...まぁ悪気は無かっただろうから

来たら気にしなくていいって言わないと...」


…さて、飯作ってやるか...


「博士、料理作るからイッカクを呼んで...」


「承知なのです...」スタッ...スタッ...


…ふぅ、さて何を作るか...


───三十分後...


「ほら、出来たぞ〜!」


「やっと来ましたか、早く食べさせろです」


「イッカク、食べないのですか?」


「あ、あぁ...食べるぞ?」チラッ...


イッカクがハルを見る。


「...ハル、その...さっきはすまなかった...」


「怒って無いから気にするなよ?

この調子で話が出来ないのは嫌だからな。」


「そ、そうか...よかったぁ...」ホッ...


イッカクが胸をなで下ろす。


「さてと、今回はオムライスさ!」


「おぉ!美味しそうですね?では...」はむっ


「これは!違う美味しさがあるのです...」


「ふむ...」はむっ


「あれ?博士どうした。」


「このオムライスとやら、ちゃんと作ったの

ですか?何か物足りないのです...」


「あ...あぁ、上にケチャップかけてないから

じゃね?他二人見てみな。」


「え?」


博士は二人のオムライスを見る、

上には赤いソースがかかっていった...


「じ...助手!何故教えなかったのですか!」


「すみません博士、このオムライスが美味し

くて言うのを忘れていました」プルプル...


…うーん...ケチャップが目の前にあるのに気

付かない博士と、わざと反応を見る助手...


「なんだかなぁ...」もぐもぐ...


「なぁ、ハルはオムライス食べないのか?」


「今回はもう食べたぜ?」カラン...


「「「早っ!」」」


*



…さて皿洗いも終わったし、準備やるか...


「だがその前にこれ何とかしないとな...」


パカッ...ギィィ...ゴチャアァ...


装甲車の中は兵器や弾薬で溢れている。


「ん〜弾薬は無限収納に入れて管理&予備

マガジンに詰めるとして...」ジャラジャラ...


「銃器は...M240は故障が怖いから銃座に

取り付けて主力はAKになりそうだなぁ...」


…AKって凄いよね、色々と...


「サブはM9にするか?Glockも捨て難い...」


…だけどこのGlockフルオートだけなんよ、

安定性を重視してM9でいこう...


「うーん...セルリアンって何の武器でやれば

倒し易いんだ?火力が高い奴は最もだが...」


…鈍器とかマチェーテとかではダメージを

効果的に与えられないのかなぁ...(大正解)


「余裕が出てきたらやろ...さて新しい銃器を解除してみるか、何が良いかな?」


…AR、LMG、欲しい物は揃ってるからSRを

解除するか...SMGは他で代用出来るしパス。


「て言っても種類沢山あるから迷うがな?

ぱっと見の候補は四つくらいか...」


…威力のあるM82(ありすぎ)に安定性の

あるAWMかL96、連射性のあるSVDかな?


「しかし問題もあるな...」


…SVDやL96は7.62mm弾だが、AWMの

300Win Mag弾やM82の12.7mm弾の弾薬は

新しく消耗品として買わなきゃならんし...


「そしたらSVDかL96だな、

いっその事どっちも解除するか...」


…討伐証明を下位にする事出来るんだね?

取引設定ぼったくり感はするが仕方ないか...

シェリカって奴見つけたら懲らしめねば...


「合わせて中級証明8個か、ポチッとな。」


ピピッ『報告、倉庫内に銃器が追加』


「お、おう...」(速っ...)


…後は色々な備品の追加をしよう...

最優先はサプレッサーとスコープだ。


「最後に装甲車についてだが...」


…この装甲車、燃料がガソリンだが在庫が

倉庫内も無かったし迂闊に運転が出来ない...


「多分倉庫内に収納は出来るから運べるが、

燃料が安定するまで徒歩になるな...」


ハルはそう言うと装甲車を倉庫に収納した。


「さて、一通り終わったが...暇だなぁ...」


…博士達は周囲の見回りに行ってイッカクは

それに付いて行ったから...


「はぁ、銃の手入れでもしてよ...」


*


そうこうしている内に日が暮れた、夕飯を

作り、食べ終えた後はゆっくりする...


「なぁ博士、此処からパークを一周するなら

最初は何処に着けば良いんだ?」


「此処から近いのはみずべちほーですね、

運が良ければPPPに会えるのですよ。」


「PPPってなんだ?」


「ペンギンのフレンズのアイドル達です。」


…へぇ、パークにもアイドルって居るのか...


「行き当たりバッタリになりそうだなぁ...」



…今日はもう寝よう、明日が楽しみだ...



龍は眠りにつく、長旅に備えて───


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