第13話 派生魔法

 

 次の日、僕はビエルと一緒にクストスに来ていた。


 「さぁ!ここがクストス、僕たちのギルドだよ!」


 クストスには依頼を発注する人、紹介する人、受注する人で溢れかえっていた。活気に溢れていて、いや溢れ過ぎて所々で殴り合いをしている。ビエル曰くこれが日常らしく、酷い時にはこのギルドが全焼したこともあったそうだ。なるべく関わらないようにしなくちゃ。


 「このお姉さんが紹介所のキーナさんだよ!見た目は綺麗だけど変な事しちゃダメだよ。怒らすと全て燃えて無くなるよ」


 あぁ遠回しに説明ありがとう、この人がギルドを全焼させたのね。


 「もぉ〜ビエルちゃん、いい加減なこと言わないでください!はじめましてキーナと言います。あなたがアシエルさんですね、噂は聞いていますよ。評議会の方のペットを血だらけにしたんですよね」


 「アハハ、キマイラの事ですね。そんなにお偉い方のペットとは知らず、今思えばかなり教育されていましたもんね」

 

 「うふふ、ここだけの話私以外の人たちも胸が空く思いでしたよ。まぁ立ち話はこの辺で。ビエルちゃん、今日はクエストを受注されに来たんですよね?」


 「そうなんだよ、キーナ。何か面白そうな仕事はないか?」


 「でしたら、以前ビエルちゃんたちが行った街に、またモンスターが増えているそうです。原因を捜索していただいてもよろしいでしょうか。ランクはEで報酬金は1人金貨30枚になります、受注いたしますか?」


 「な、金貨30枚も貰えるのか!アシエルこれを受けよう、君が最初にいた場所でもあるし何か思い出すかもしれないいよ」


 「金貨30枚って多いのですか?まぁ探索だけだったら僕にもできそうですし」


 「あらアシエルさんは知らないのですか?金貨一枚は銀貨10枚です。一般の方が1ヶ月で獲れる金貨の数が大体30枚になります」


 「おぉさすがハンターですね、1日でそんなに稼げてしまうんですか!」


 「それは少し違って、あくまでもクエストを達成した場合得られる金貨の数であって、必ずしも1日で得られるわけではありませんので注意してください」


 「そうか……もし一年かかっても貰えるのは金貨30枚って事ですね」


 「そうです、そのためクエストを達成する条件は2種類あります。今回は原因の解明、もしくはランク3の街を荒らしているケルベロスの討伐になります」


 キーナさんの説明を受けていると、突如ビエルが満面の笑みになった。


 「ケ、ケルベロス!あのワンコロには傷物にされたからな〜いい機会だ復讐してやる」


 「アハハ、ビエルさん討伐する気しかないね。キーナさんこの依頼を受けたいと思います」


 「かしこまりました。では、クエストが達成次第、また報告をお願いいたしますね」


 こうして僕達は、再びデピュタに向かう事になった。今回もビエルのスパルタが終わることはなかった。


 「君!右のライカン5匹頼むよ!こっちの3匹は僕とネウスで倒すから!」


 「はい!わかりました。いや数違います!僕が3匹でしょ!あぁぁもう!またですか!」


 またやられた、気を張っていないといつも騙される。全く本当にスパルタなんだから、でも僕だってかなり強くなったんだ。


 「いくぞワンちゃん達!炎弾フラマ・バレット


 僕は素早くホルスターから2丁の拳銃を抜き出し、後方に飛びながら犬型のライカン2匹に向け6発の炎弾を撃った。

前に比べ凝縮できる量が増え、1発の大きさが大きくなり今は10cm程になっていた。

 6発の炎弾は、見事2匹のライカンに当たり胸部が燃え盛っていた。残り4匹。


 「おぉ、やるじゃないか。でも、まだ原型を留めているから、まだダメだね。僕を見て!綺麗さっぱりだよ!」


 ビエルをチラ見すると、確かになにもなかった。消炭すら残っていなかった。まだ、ビエルのような火力を出すことはできないな。


 「さ、さすがです!なら、僕の新しい魔法を見てください!」


 そう、僕はこの日のために。1人でコツコツと隠れてトレーニングしていたんだ。新しい魔法と言っても、今使える魔法の派生だけどね。

 魔法にはすでに世に広まっている修得魔法、そして今の派生魔法、最後に修得魔法と派生魔法の混合や全く新しく魔法を作る新生魔法がある。この新生魔法の修得方法が世に広まれば修得魔法にもなる。


 「さぁ!見ていてください!炎線フラマ・リーネア!」


 炎線ーーフラマ・リーネア  この魔法は、フラマ・バレットの派生魔法で、ランクは2だ。フラマ・バレットで凝縮した炎弾をさらに凝縮し、抑えきれなくなることにより盛れた炎の光線を発射する魔法である。


 僕が、銃口をライカン4匹に向けると、ライカン達はバラバラになり四方八方に飛び散った。この魔法のいいとこは、バレットタイプに比べ速度がかなり速いことだ。僕は、手を開くように逃げたライカンに銃口を合わせ炎線を撃ち続けた。

 一発の威力は決して高くないが、バレットと違い何百発も一気に打つことができる。そして僕が撃ち終わると、4匹のライカン達は原型を留めてはいなかった。複数の穴から内臓が飛び出て、もうぐちゃぐちゃだった。

 うむ、なかなかグロい。この魔法は対象が燃えることがないから余計にグロい。


 「すごいじゃないか君!久々にこんなグロテスクな魔法を見たぞ」


 「ビエル殿、これは流石にグロテスクすぎるのでわ。この魔法をキマイラに撃っていたら、きっと評議会の方々に首を跳ねられますぞ」


 「ア、アハハ。本当に使わなくてよかったです」


  ちゃんとコントロールできるまでは封印だな、さぁ気を取り直して残り3匹!



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