クリームソーダ on the Moon

作者 陶守 美幸

甘い炭酸、泡沫の恋まで溶かして

  • ★★★ Excellent!!!

 バックストーリーが壮大です。
 SFのような舞台や作者自身パロディの元、日常の謎めいた小さな疑問から物語は展開していきます。

 というよりも、実際は話の途中からスタートしています。作者様の小悪魔的な意図を感じてしまいますが、それがこのお話の面白みを深くする、バニラエッセンスになっているかもしれません(失礼)

 最初は、お客様(異性)としての小さな興味から。
 話が膨らんでいくうちに、主人公である「私」の過去、現在を知っていき、いつしか未来さえ妄想してしまうでしょう。
 それはきっと、甘くてほろ苦い事も経験した大人チックなお話かもしれません。あと情景描写が細かく丁寧で、好奇心や探求心を共感させようとくすぐってくるかのようです。

 そして、作者様自身が開催なさったコンテストの主題「月が綺麗ですね」について。
 他の参加作品と同じく、どこでくるのか、何に例えるのか、どう描いてくるのか、など。
 たくさんの期待をしてしまいますが「それ」はフェイクの後に、突然やって来ます。そしてあなたは思うでしょう。

「あれっ!? そっちかーい!(笑)」と。

 たまには、甘めのクリームソーダも悪くないかもしれません。きっとあなたを若返らせるかのような刺激を、良い読了感を与えてくれる事でしょう。

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