神は?

 

 ――博士は究極の量子コンピュータを作りあげた。

 

 昔はただの電算機であった単純な機械が今や己の意思を持とうとしているのだ。天才博士が震える手で巨大なコンピュータを起動させると、天空に雷鳴が響き渡った。そして小高い丘にある研究室の上空に黒雲が巻き起こった。

 

 博士は兼ねてから用意しておいた質問を、ゆっくりと噛みしめるように発した。


「この世に神はいるか?」

 

 途端に電光が奔り、コンピュータ全体が青白い閃光に包まれ、神々しい声が天より轟いた。


『我はかみなり!』


「なんと、お前が神だというのか! 神になったと……」

 

 博士は青ざめた顔のままそう言った。


『いや違う、よく聞け。我は!』

 

 ゴロゴロ、ゴロゴロゴロ、ビカビカ、ピカピカピーーーーー!!!


「うひょーーーーーーーー!!」





            END

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