四麻の手帳:我が姪、明智五香について
今更ながら我が姪、明智五香の情報を整理する。
一つ、彼女は私の兄の娘である。可愛い。
二つ、彼女は明智家初代当主の血を最も濃く受け継いでいる。簡単に言えば探偵が天職。
三つ、事件に巻き込まれると『家族への連絡を渋る』という悪癖がある。
四つ、ゴリゴリの同性愛者であり、ついでに性欲が凄い。美人と見るや否や確実に声をかける。
五つ、在りし日の姉(こちらも当然私の姪)の容姿を真似て髪型は三つ編みにし、視力に何ら問題ないのに眼鏡をかけている。
六つ、多分私より胸がデカい。私より身長低いのに。すげぇ。
顔に関しては明智家に伝わる怪奇現象により『産まれる女性の容姿がみんな異常に似てしまう』ので、私と同じく美人であり、男女問わずよくモテる。
ただ事件とあらば呼ばれてなくても即座に首を突っ込み、自分の都合をそっちのけにすることが多々のいわゆる『恋愛より仕事を選んじゃうタイプ』なため、女の子と付き合えても関係が長続きしない。
キスより上の関係を持ったことは、私の知る限りでは一度もなく、攻められるとヨワヨワの奥手女子だ。
明智家の最大の汚点となった『あの事件』以降、姉の
何とか私たち大人世代で解決に導きたいところだ。
十一月に入ってからは獄死蝶に纏わるテロ事件に首を突っ込み始めた。きっかけは判然としないが、歌舞伎町三丁目に侵入できたことから相当いいところまで自力で辿り着けている。
その他、王女サマやら
六歳の王女サマはともかくとして、あの森精種は見た目だけなら彼女の好みド真ん中だろう。非常に心配だ。押されれば簡単に陥落するに違いない。
大人として彼女を守らなければならない。それなりに警戒する必要がある。ひとまず名刺を渡すところから始めよう。
十五歳で初体験は流石に早いと思う。
※以下、ジャーゴンじみたとても冷静だとは思えない怪文書が三ページ続く。
◆◆◆
・四ページ目の終盤
喧嘩っ早いところ以外は何となく好感が持てる。兄貴に報告した後は温かい目で
ダメそうだなと思ったらその時点であの手この手で破滅させてしまえばいいと気付いたので、とても気が楽だ。もちろんいーちゃんには悲しんで欲しくないので、そうならないことを心の底から祈っているが。
※最後のあたりはやたら筆圧が強い。激情を湛えて書いた形跡アリ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます