たそがれのいろ

作者 早瀬翠風

こころの音色に名前を付けるなら。きっと『いろ』でそれぞれを表すのだろう

  • ★★★ Excellent!!!

心の声を淡い色彩で表現した叙情詩のような恋物語。
表現しがたい、明らかでない少女の心情が、黄昏の曖昧な色彩と共に美しくキャンバスに描かれて行きます。

いやはや、この素晴らしさは、ストーリーの面白さを掻き立てる見事な構成力に裏付けされていると私は感じておりまして。どなた様にも、御作品を御一読されたあと、その素晴らしさに着眼してもう一度ご覧いただきたいと思うのです。

ネタバレにならぬよう曖昧になってしまいますが。
昼と夜。白と黒のはっきりとした少女の答え。その狭間に存在する夕という時間の淡い曖昧な色彩と感情。揺れるように振られる絵筆が描く黄昏は、次第に白と黒とをしっかりと繋いで、読み手の心に一枚の巨大な夕景を浮かび上がらせるのです。

御作者様の短編。どれを取っても素敵なのですが。
テーマと着眼点。それを表現しきるに足る筆力と構成力。
心から、御作品を拝読させていただいて感謝したく思う次第でございます。

いやはや、実に良い夜になりました! ありがとうございました!

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