予言ノート

作者 成田梓乃

76

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★★★ Excellent!!!

自らが不幸だと感じている時、その元凶である者の不幸を願ったことのある人間は決して少なくはないだろう。

しかし、そんなことでは何も解決しないのである。

もちろんいじめは決して推奨される行いではない。
「いじめ」といえば軽く聞こえるが、実際それは犯罪だろ、と声を荒げたくなるようなケースは多い。
この作品中のものも、それに該当するものであろう。

だが、それでも柚葉は彼女の不幸を願うべきではなかったのだ。

『人の不幸を願えば、 必ず自分に返ってくる』

……明日は我が身。結局はそんなホラーが一番恐ろしい。

★★★ Excellent!!!

イジメなんて軽はずみにすべきじゃない。その理由が実にわかりやすく簡潔にまとめれている闇深き短編です。
やった方がたとえどんな気持ちだろうと、追い詰められた人間は時に暴走し、普通ならば考えられないような行動でも平然とするようになるのですから。自分の人生が今まさに脅かされているその時、どうして他人を思いやれる優しい心など持てるのでしょう?

しかし、この話の主人公は余りにもやり過ぎたようです。
読み終えた私の心を過ぎった想いは同情ではなく「ざまぁみやがれ」だったのですから。
「一つだけ」じゃないだろーーーテメェ!!

どうやら私もまたこのノートを手にする資格が充分にあるようです。
自らの深淵に眠る闇と対面したい貴方へ、おススメです!

★★★ Excellent!!!

 小学生の主人公は、以前は親しかった幼馴染から苛めを受けていた。そんな幼馴染を避けるために、主人公は公園に向かう。そしてそこで「しのみや」と名乗る少女に出会う。少女は主人公の不幸話を喜んで聞いてくれた。
 中学校に上がると、苛めは苛烈さを増し、どんどん危険なモノへとエスカレートしていた。そんな中、「しのみや」から主人公は一冊のノートを貰う。
 このノートに書いたことは、現実になる。
 ただし、怒るのは不幸な出来事のみ。
 そして、一度書いたら、その不幸の願いは消せない。
 主人公はそのノートに幼馴染について書き込むのだが――。

 苛められっ子から、傍観者へ。そして、許し。
 しかし変え難い現実。
 人間にとって不幸とは?
 そんなことを考えさせられる一作でした。

 是非、ご一読ください。

★★★ Excellent!!!

書いたことが実現してしまう「予言ノート」。それだけでも恐ろしいものなのに、この小説では「書いたタイミング」と「それが実現するタイミング」が巧みにずらされているところが最も恐ろしい仕組みがあったように思えます。
だってそんなことになるって思わなかったもの。ついついそんな風に言っちゃいたくなりました。