第103話 黒衣装辿稲荷
デスドスの一団が攻めてきた。
曲刀を持ち、覇を振りかざして、刃を振るう。
殺すぐらいの勢いで鋼の刃を奮い、殺し合う。
殺害を目的とした、刀だ。いや刃か。
地獄で待っていると言わんばかりの牛刀の使い手。
天高きほどの身長で五メートルはあるであろう大男。
弁豪研のベンケイが跳んだ。
飛翔、羽根を得た牛なのか……
飛び出した鷹なのか、否巨人が翼を持ったと言えばいい……
大男が五メートルもあろう巨人が翼を持てばどうなるのか……知ってるか?
俺がそいつを動かす前にヤル。
稲荷仮面は跳びだしていた。攻める前に攻めるタイプだな俺は……
黒雷翔。
雷天に蔓延る黒威の狐は雷を踏みしめるほどに超電廻の先に遥かな敵を見据えていた。
全て壊して見せる。暗闇を吹き飛ばす。
加速。
天黒の舞。
輝く雷炎の槍。
一瞬の刻を射抜く、止まらない空を銅貨で弾く。
貫いて走り続ける。
走り続ける、加速、加速加速加速加速加速加速加速ヵそく
天を空を舞うように踊り狂うように宙を旋風のごとき稲荷で狐を騙す。
自分で自己を騙す。
今だ、天躁ノ転廻変心。
◇
●●● 稲荷奥義 ●●● ☆【黒衣装辿稲荷】☆
◇
暗き闇から邪なる闇が迸る。
稲荷仮面の仮面が黒に染まる。
この世の邪な気を全て吸い尽くしてしまうほどだ。
そして稲荷の仮面がスーツが黒に染まる
心は黒一色には染まらないでいた。
だが邪なるケッペンは僅かに一瞬のすきだが染まってしまうのである。
「黒く成らにゃぁならん時もあるさかいな……逝こうか…………殺す気でいかないと死ぬだろうな」
稲荷仮面はすでに見抜いていた。
敵の手に落ちていた実の味方。唯一の俺のウィークポイントだ。
結界を張ったつもりだった。
あいつは大丈夫だ思っていた。
だがそこを突かれたのだろう。
たぶん俺が心配で探していたんだろうな。
水野蒼威……なんでお前が、デスドスの手に落ちたんだ。
蒼威がデスドスの下っ端に曲刀を突きつけられて、脅えている。
黒煙の迷いの章
死ぬのかな……ワタシ死んじゃうのかな……どうしよう。
拓郎さんを探していただけなのに……どうして…………死ぬかなワタシ。
死にたくないなどうしようかなそうだ……死んじゃえばいいんだ。
いやいや死んだらだめでしょわたし……正気に戻れって私……
そうそう戻ってきたよ私だからというか俺かな俺って使うの忘れてるよ私。
わたしって俺っこのはずなのに俺使うのを忘れてるよね……わたしなのかおれなのか
でもでも拓郎さんに嫌われそうだからおれを使うのをやめてたんだよね~でもでもわたしの俺を使うのもわたしは嫌いじゃないと言うか……っていうかどうなんだろうね……わたしは俺なのかおれなのかわからにゃい………………………………はっれ……?? どこだろうここは暗闇中だ……体も動かない……いつの間にか捕まってるわたし……
いつのまに……いったいいつ? たくろうさんを探して考え事をしていたら……いつのまに…………どうしようどうしようそうしようかな噛み切ればイインダロこの口につけられている縄をダロ。
明けの冥章
ガシリッ……縄を噛み切って蒼威ちゃんが脱出を試みている。
手と足はまだ縄で太い縄で括られている。
たぶん力なら普通に破れるはずだが、たぶん魔法か何かで封印を施しているのだろう。
ならば遠隔で行けそうなのは……
通信≫たくにぃ聞こえますか……?
通信≪なんだ心空どうした見てるんだろ正確には俺の景色とシンクロすることも可能だろ? この状況を打破しようと考えている。
たくにぃならば教えましょうか? この状況はあなたは地上に偽の稲荷仮面を配置してますよね?
その状況下であなたは空から見渡している。
そうですね? ったくにぃ……?
通信≫そうだ心空も手伝えるだろ? もうやってるだろ?
はい、蒼威さんの脳内のエンドルフィンやアドレナリンを最大限に出して超絶的興奮状態にして野生の獣状態に…………
まてまてまて……それは少し相手がかわいそうだぞ…………あいつら死なねえかな……?
まあいいか死んでもいいよな悪い奴だし。
通信≪たくにぃの従者さんならかなりの使い手でしょうに……なんで捕まるんですかね?
そりゃそうだろ不意打ちされたらどんな使い手でも捕まるだろ俺の場合は常に気を張っているし結界を張っているがそれでも無理な場合は心札を使う。
心札? はてそれはもしかして囮の札ですかたくにぃ……?
想ともいう。が違う心の札を使えば自分が死んでも依り代に乗り移れて死なないし体をその依り代で復活させれば死すらも取り戻せるし生を復活させられる。
簡単に言うと自己修復の出来る秘術だ。
さらに言うと敵に自分が捕まった時の最終手段の一つだ。
自分の分身の心体を生み出して飛ばせる他人の体にな。
それすらも可能にするために俺は心空と契約したんだろ。
通信≪≫通信
そうでしたねたくにぃと心空は一心同体でしたね体を入れ替えるなどどうさもないですね?
そうだろ? だからいまこそ入れ替われる時だ……どうする心空?
いやいまはダメですねたくにぃ……今私に出来ることは山のようにあります。
敵の動作の解析に敵の考えを補足して演算処理して敵の目的の打破する結果も予備で集中して思考してさらに解析を進めて……今出ました。
通信≫何が出たんだ心空……?
通信≪それはてきの親玉の名前です。
『魔悪人の親玉か……誰だ?』
『ドゴロムと出ました。だけどまだです……操っている存在の名前はまだ補足できてません』
『操っている存在がいるだと……魔悪人か魔神人かそれもわからないのか?』
『いえ違います人間です』「確定的なのか?」
『はいそうです私と同じの異能力者だと思います』
蒼威ちゃんが下の方で大暴れを開始した。
さてと囮の白稲荷仮面を下に放っているから正体はちなみにスラン君なのだ。
スランは本当に出来るスライムだな~俺の代わりを完璧に勤めらえれるようになったからな~
さてと跳ぶか」「絶翔」
天を蹴り空を韋駄天のごとく仮る様に似せる。
いや距離すらも偽物だと思えるぐらいに飛ぶ距離が異常だった。
着いた。
ここが敵の最終地点の一歩後。
操り人の住む屋敷か。
黒の稲荷を狐の面を外し、拓郎はその屋敷にどうどうと入り込む。
言うなれば不法侵入だが今はそんなことどうでもいい……どうでもいいんだ。
話をつけに来た。
そういえばいいのだからこそ黙れと言われても止まらないぞ。
「来るな!!!!!!!!!!!!!!」
「行くぞ……」
黒い狐は駆けだした。
騙し合いの生末はどうなることやら?
天架けて稲妻走るやあやあ狸なのか狐なのか犬か猫か夢の獣なのか?
死ぬまでやりあうぞこの今までさんざん俺を苦しませてきた悪党中の悪党を俺が滅するからな。
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