第93話 魔天楼の邪神
今私たちは突然の悲劇に襲われています。天空から這い出た謎の建造物は周囲の建物を吸収して合体再生を繰り返して、巨大な何かの異物と化してます。
「あれを何とかして止めるぞ……マインドハート出来るのかお前に?」
「いやですね稲荷仮面さん、あなたこそこのくらいの危機は慣れっこでしょうに?」
「確かに竜魔人と戦ったり、探索者が化け物に変貌する事件を解決して夏休みを満喫していた矢先にこれだからな……」
ことの顛末をざっくりと解説すると突如8月27日の朝に刈宮市の上空に謎の建造物が浮いていた。それが突如として周りの建物を吸収し始めた。
何でこんなことが起きたのかわからない。
そして現場に急行していたら、マインドハートを見つけた。
今度は昼間なのか仮面をつけている。
正体は不明だがたぶん女だろう。
二人で今それを話していた。
あれは何だろうと疑問を制して。
そこには他のヒーローも駆け付けていた。
聡明の剣士アダマント。時空の支配者オーレン。
そしてついでに蒼威ちゃんに来てもらった。
リスティもいるし、想美ちゃんにも来てもらった。
「なんでたく……じゃなくて稲荷仮面の手伝いなのだ!? こんなトラブル聞いてないぞ!!」
「おい……いやなんでもない」
リスティが俺の名前を言いそうになる。危ないな正体がバレるだろ。
「稲荷仮面さん私も人助けをするうえで、何ができるか教えてくださいね」
「ああ蒼威ちゃん今日はよろしく頼むぞ」
「はいっ!!」
とまあ蒼威ちゃんはいつも通り俺のベストパートナーなようだ他人のふりをするのも上手いし。
「稲荷仮面……僕の思うところにあれは魔術的建造物だと思える」
「当幻想美だったかな? 君は確か魔術師なんだよな? だからわかるのか?」
「はい。稲荷仮面私は魔術師です。でもあの建造物は吸収しているあらゆるものを無機物なら大抵吸い取る」
「しかし稲荷仮面殿我々2流ヒーローが役に立つのか? 私は確かになかなか剣の腕が立つ方だと自負している方だがあの建造物まで到達するには骨が折れるぞ」
「そうだよ稲荷仮面! 同じヒーローとして我がオーレン。このような緊急事態は初めてなんだけどどうするのだ? いったい?」
何故か集まってもらったアダマント(中身は22歳の女性綺麗姉貴系)にオーレン(中身は16歳の女子高生妹分中二病系)が話しかけてくる。
こいつらに召集をかけたのは戦闘力という点でもそうだが、完全に俺の趣味だ。
なお俺はこの人たちのヒーローじゃないときの探索者としての顔の時も繋がりがある。
アダマント本名、美空火葉(みそらかよう)22歳で俺の実は先輩だ。同じ高校に通っていた当時風紀委員長でとても綺麗な人だった。
部活は剣道部で俺も中学の時に剣道をしていたから少しだけ剣道部の助っ人役として入っていたが幽霊部員だったな。
でも先輩に気に入られてなかなか面倒見がよかった。
なお俺は風紀委員のというか生徒会の雑用係を押し付けられていたので、風紀委員と生徒会の掛け持ちをしていた美空先輩にいつもちょっかいをかけられた。
「拓郎君はどうしてそんなに目が濁っているのかな~」
「生まれつきです」
「ふふっまあそんなに気にしないで……今度昼ごはん奢るからね」
「はい、ありがとうございます」
とまあそんな感じで1年だけだけどそんなかんじでやり取りがあった。
探索者をやってることを連絡されてこっちもしてるからとたまにパーティを組むこともあるが、火葉さんかなり美人さんになってた色っぽいしなんか姉貴ってかんじで俺よりも人生経験豊富そうだ。
オーレンのほうは天神原黒蝶(てんじんばらあげは)16歳。生粋の中二病でダンジョンに潜ったら時空の支配という異能に目覚める。
時空を支配できるので勉強やゲームにデートし放題らしい。
色んな男と関係を持っている噂があるが、真偽は不明。
俺とはダンジョンで知り合うが野良のパーティを何回か組んだことがある程度。
「拓郎お兄さんは一人なんですかいつも?」
「まあいつもというわけではないが」
「女ですか?? 私がいるのに……」
「なんでだよ最近知り合ったばかりじゃないか……」
「いいじゃないですか。こんな美少女と一緒にダンジョンを潜れるなんてめったにないことですよ」
「まあそうかもしれないがな……」
「じゃあ一緒に行きましょう!」
「はいはい……」
なかなかの小悪魔系の女子だうっかり手を出してしまいそうだ。
でもなんか脈ありなんだよな……まあ俺は成人してるから不味いけど。
とまあこんな二人中身とも女の子に女性が俺の仲間のヒーローに集まってもらった。
野郎のヒーローもいる?
間違っても野郎とパーティ組むとかないから。
なんでむさい男と組まなきゃあかんのだよ女性のほうが魔力高いから魔法に関しては女性のほうが上の場合が多いし、男は力が若干上な程度だからそこまでじゃないし。
しかしマインドハートの正体だが、わからん。
鑑定しても情報を参照できませんと出る。
なかなかの女だなこいつ。
仮面を無理やりひっぺ剥がしてもいいが、いまはそれどころじゃないし。
今はあの謎の建造物を何とかしないと。
動きがあったのは少したってからだ。
建造物が膨れ上がったと思ったら、巨大な暗黒の塊となって変化した。
あれはまさかの邪神か??
『人間たちよ……お前らのような虫けらは我ディスバーンが打ち滅ぼす』
「来るか!」
邪神ディスバーンが暗黒の破壊の咆哮を撃ち放ってきた。
世界を闇夜にしてしまうほどの砲撃だった。
俺は究極魔法メテオバーンフレアムを極大の魔力を籠めて放った。
世界は赤と黒のコントラストに二分された。
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