第45話 黒猫魔族のクロンを特訓することにした

 今日も日本橋ダンジョンに来ていた。

 すると視線を感じる。

 視線の人物は直ぐ近くにいた。


「あ、あの……お兄さん、私のこと覚えてますか?」


 その人物は黒猫の耳をしていて黒い尻尾を宿していた。

 黒猫魔族の女の子がそこにいた。


「もちろん君はあの時の魔族の女の娘だろ?」


 俺がかばった黒猫魔族の女の子だ。


 俺が可愛いと思った少女だ。

 そんな少女が何故俺に声をかけてきたのか。

 その黒猫魔族の女の子が俺に問う。


「あなたの弟子にしてくださいお願いします!!」


「それはどういうことなのかな?」


「あなたの強さに惚れました」


 どうやら俺が稲荷仮面と言うことに気付いているようだ。

 どうやら匂いとかでわかるらしい。

 俺に対してその最強の力を望んでいるのか。


「クロンと言います。あなたの弟子にしてください」


 俺は悩んだ。だか俺の正体を知っているから仕方ないか。


 俺は彼女の正体を知らないだから俺は彼女の正体を知りたい。

 なので彼女を弟子にしたい。

 

 俺は彼女の承諾を得た。


「なんだなんだご主人様が新たな女の子を仲間にしたのか!! これは最高のご褒美だ」


 アグニスが五月蠅い。

 まあいいかな。

 俺はクロンを異世界ダンジョンに誘った。


 日本橋ダンジョンの65階層にいる。

 スピリッドラビットが山海に住まう。

 霊獣の奥行きを醸し出されるほどの慣れしんだかの英雄を倒すためにいる。


 クロンの実力を見極めないといけない。

 俺はクロンに戦わせた。

 クロンのレベルは49だ。

 なかなか高いレベルだ。

 クロンは短剣を使うようだ。

 どうやら職業は盗賊(シーフ)のようだ。


 速い。速すぎる。

 そしてすばしっこい。

 空中で翻ったり、猫のように飛びまわるようだ。

 武器は短剣二丁だ。

 若干長いのと短いのがそれぞれ短いのが右で長いほうが左だ。

 それをリズミカルに揮う。


「にゃっ!! にゃっにゃっ!! にゃっにゃにゃん!!!」


 なんか可愛いにゃっとか言っちゃうのかクロンは。

 黒猫魔族だからか。

 そして一人でスピリットラビットを三体倒した。

 だが覚えているスキル自体はそんなに多くない。

 収納空間(中)と短剣術と機敏と、黒猫の危険察知と毒付加と麻痺突きと瞬足の黒猫だけだ。


 これはでもなかなか成長性がある娘だと俺は思った。

 そしてこんどは70階層のボスに挑むことにした。


 70階層のボスはリザードマングレネードキング。

 俺が手伝うと楽勝になってしまうが、クロンちゃんには荷が重いか。

 

 クロンがリザードマングレネードキングに挑む。

 クロンが短剣による攻撃を行う。

 クロンが短剣で何度も斬りつける。

 グレネードキングは長剣で斬りつけようとするが、すばしっこい動きでクロンが躱す。

 躱しながらクロンが何度もヒットアンドウェイで斬りつける。


 俺もナイフをリザードマングレネードキングに投げつける。

 リザードマングレネードキングが膝をつく。

 魔法を放つ。

 風魔法を放つ。


 風刃でリザードマングレネードキングを切り裂いていく。

 かなり手加減したからかリザードマングレードキングは右足を負傷しただけで動いている。

 でもリザードマングレネードキングはまだ覇気を残している。


「グギャアアアアアアアアアアアアアアア!!」


「にゃっにゃ!! やりますかまだ!!」


 クロンが何やら気を溜めている。

 そして疾走する。


「黒猫走斬!!」


「グギャアアアアアアアアアアア!!」


 まさかの一撃だった。

 あれは武技か。

 でもスキル欄には乗ってないのな。

 いや俺のもスキル欄には乗ってないからそういうもんかと納得する。


 そして71階層に行く。


「なかなかやるなクロン」


「いえ拓朗さんもやりますね風魔法素晴らしかったです」


「そうだな」


 そして71階層で宝物庫を見つけた。

 隠し部屋にあった。

 宝箱が5つあった。

 一応罠が無いとか感知系のスキルで確認した。

 全部ないが一つだけモンスターが擬態していた。

 クロンちゃんを下げて俺が相手する。

 トラップボックスが現れた。

 一撃で殴り飛ばす。

 消滅した。

 そして赤いルビーがドロップした。

 宝石か。

 ダンジョンさんの宝石は価値が高いようだから高く売れるようだ。

 残りの4つを紹介しよう。

 槍だ。

 煉炎の槍。

 なかなか使い勝手が良さそうな槍だ。

 俺は全種類の武器を使いこなすことが目的なのでこれは俺の物にする。


 短剣だ。

 デュアルフローナイフ。

 二重の風を引き起こすという意味だ。

 風の加護があるから加速的に短剣を揮えるようだ。

 これはクロンに上げることにした。


 クロンはいいのですかと言っていたがもちろんいいよと言っておいた。


 棍棒。

 ガチンコバット。

 どう見てもただの金属バットです。

 でも強いようだ鑑定によると。

 まあこれは蒼威ちゃんにでも上げようかな。


 最後の品だ。


 黒魔晶石の首飾り。

 全ステータスを250上げる効果と鑑定で出ている。

 これもクロンに上げることにする。


 なかなかいいものが出た。

 そして72階層まで行き、もう今日はかなり良い感じの戦いが出来たので帰ることにした。

 沢山の素材を手に入れたからそれらを換金しに行こうと思う。


 俺達はあるお店に行くことにした。

 通称買い取り屋と呼ばれる場所だ。

 

 だがそこにはあいつがいる。

 なかなか可愛いが侮れないあいつが。

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