第11話 日本は地獄と化していた
梅田は地獄と化していた。
出現したモンスターはゴブリンエリート、ゴブリンファイター、ゴブリンメイジ、ゴブリンバーサーカー、ゴブリンジョーカーと呼ばれるモンスターだった。
全てゴブリンの上位種だ。
特にゴブリンバーサーカーとゴブリンジョーカーが強敵である。
バーサーカーは常に暴走状態で目に付く物全てを破壊する筋肉質のゴブリンだ。
ゴブリンジョーカーは死神の鎌を持っている不敵なジョーカーだ。
トリッキーな動きで人間を八つ裂きにする。
そんなゴブリン達が人間達を蹂躙していた。
人々は逃げ惑う。
自衛隊が到着するまで本当の地獄だった。
自衛隊が到着した。
自衛官の一人、村正東樹(むらまさとうき)は事態を重く見ていた。
自衛隊がサブマシンガンを持って、ゴブリンを倒そうとした。
何体かのゴブリンを殲滅しようとした。
だが、ゴブリンは思った以上に素早い。
隊員が銃を構えた瞬間ゴブリンメイジが魔法を放ってきた。
隊員が銃を放つより先に魔法が自衛官の体に当たる。
そのまま倒れる隊員。
「うわあああああ!!? なんなんだこいつらは超能力か!? なんなんだーーー!!」
一人の隊員が発狂する。
そのまま敵前逃亡を図る。
そんな隊員を後ろから首を刈り取ったゴブリンジョーカー。
「ケッケッケ」
自衛官たちは恐怖した。
一体何が起きているんだと。
目の前に起きている光景はなんだ?
地獄だと言えばそれはそうであるが。
地獄よりも大変な事態であることは確かだ。
もう夜の6時ぐらいだ。
その頃渋谷はと言うと……こちらも地獄だった。
こちらはさらに大変だった。
出現したモンスターがオークにトロールにオーガという凶悪なモンスターばかりだった。
ゴブリンも人間にとって凶悪なのだが、まだぎりぎり倒せるレベルのモンスターと言えるので、まだ優しいのだが。
オークはともかくと言っても一般人だとオークですら強敵なのだが。
特にトロールやオーガなんてもはや銃を持った自衛官ですら倒せるモンスターではない。
特殊な訓練を積んだ暗殺者でもないと倒せないと思われる。
オークは一方的に敵を喰らい、犯す。
トロールは一方的に人を殺し、オーガは人を喰っていた。
現れたモンスターは20体ぐらいなのだが、それでも辺り一帯の人間を殲滅するのには十分だった。
梅田のほうは50体ほどのゴブリン達に対してランクの高い渋谷のモンスターたち。
そして北海道のほうではと言うと……ウルフ系のモンスターが蹂躙していた。
人々を殺しまくるウルフと言ってもウルフの上位種、シルバーファングウルフやレッドファイヤウルフにグリーンドレインウルフなどのウルフ系が総集合していた。
北海道のほうではハンターが出動したが、全てのウルフを倒しきれてない。
何せただの狼ではないから銃はハンター用の銃だから少しは効くようだが、ウルフは足が速くなかなか当たらない。
博多のほうでは若者がバールや金属バットや鉄パイプ、刀を持ってモンスターを狩っていた。
そこでレベルアップする若者たちもいた。
だが博多のほうでも凶悪なモンスターが出現した。
ジャイアントゴリラだ。
体長5メートルはあろう巨大なゴリラだ。
映画のごときのゴリラが現れたので博多の若者たちも戦々恐々だ。
だが、スキルを取れることに気付いた若者はジャイアントゴリラに集団で攻める。
だがジャイアントゴリラは生半可なモンスターじゃなかった。
腕を揮えば若者が吹っ飛び、体当たりで人が飛ぶ。
圧倒的破壊力の怪物。
そんな相手に博多の若者は押され始めた。
名古屋はまだ被害が少なかった。
現れたモンスターもヤタガラスにホーンラビットにスライムと最弱のモンスターだけだった。
だがそれでも何人かの犠牲者が出た。
名古屋の場合自衛隊の出動により全てのモンスターを殲滅することに成功した。
梅田のほうでは自衛官の東樹はあえて、銃を捨てて、ナイフを持った。
周りの隊員たちは何事かと思った。
こんな相手にナイフで挑むなんてと思った。
しかしこいつらは銃はあまり効かないなら近接戦闘ならと思い、東樹はナイフを持った。
ゴブリンエリートは舐めるような視線で東樹を見ていた。
ゴブリンジョーカーは笑うが興味なさそうな眼で見ていた。
ゴブリンメイジはいつでもお前を殺せるぞと言う感じで杖を向けてきた。
東樹は死ぬ思いだった。
だが、こんなところで死んでたまるかと思っていた。
東樹はまずゴブリンジョーカーを倒そうとした。
訓練を積んでいる隊員のうちでもかなり俊足で近づく東樹。
東樹はゴブリンジョーカーの死神の鎌を手で受け止めた。
手はかなり切れたが、なんとか受け止めた。
そしてそのままナイフをゴブリンジョーカーの首元に突き付けた。
「グギャア!?」
あまりにもことだったのか、ゴブリンジョーカーは驚いたようだ。
そしてもう一度斬りつける。
東樹はナイフで首筋を狙う。
そのままゴブリンジョーカーが絶命した。
【レベルが上がりました。】
謎の声が聞こえたが、今はそんなの気にする暇がない。
続いてゴブリンメイジを狙った。
超能力? を使用するので一番危険な相手だ。
東樹は近づく俊足で、そのままナイフでゴブリンメイジを仕留めた。
近づかれた時東樹は躱しながら、近づいたので魔法が当たらなかった。
そのままゴブリンエリートは剣を持って近づいてくる。
こいつは危険だ今のうちに殺さねばと考えているかのような顔をしていた。
だが背後に一瞬で移動した東樹は。
そのままナイフでゴブリンエリートの急所を確実に打ち抜く。
ゴブリンエリートは崩れ落ちた。
そのまま首筋を切り裂く。
【レベルが上がりました。】
まただなんだこの声は、と東樹は思った。
なんとか周りのゴブリン達をあらかた倒した東樹は近くに発生源である黒い穴を見つけた。
意を決して東樹は黒い穴に潜り込んだ。
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