まだ見ぬ、私の半身を目指して。
- ★★★ Excellent!!!
二人の少女が、目覚めた。一人は帝国の研究所にある、培養液の中から。そしてもう一人は、遺跡の中で。培養液から目覚めた少女も、遺跡で目覚めた少女も記憶がなく、また、自分の半身を求めていた。各々の少女の庇護者たちは、少女の記憶と半身を取り戻すことに協力しようとするのだが、やがてそれは国同士の対立を際立たせていく。そして、二つの国が互いに反目する原因の一つである、クリスタルシードの謎と、記憶のない二人の少女の関係が明らかになる時、物語は大きく動き出だす。
さて、この少女が目覚める前、帝国の森で一人の老人が殺された。老人は賢者と呼ばれる崇高な存在だった。賢者の意思を継いで、一人の少年と精霊が旅をすることになる。
話は遺跡で目覚めた少女の話に戻る。少女は謎の二人組に砂漠で助けられ、花の名前を貰う。しかし、王都で二人と離れてしまい、挙句、コロシアムで勘違いされて戦士として決勝の舞台で戦う羽目に。しかし、少女が自然に身に付けていた剣の流儀により、コロッセウムで優勝してしまう。その剣の流儀は、かつて栄華を誇った国の王族のものだった。そして少女は王宮にて、はぐれた二人と再会する。この謎の二人は、この国の王族だったのだ。少女の記憶に導かれ、兵の派遣を決めた国王は、帝国の兵を見つける。帝国もまた、少女の記憶とクリスタルシードを求め、動き出していたのだ。そこで兵は、一人の少年と精霊を見つけるのだが……。
とても読みやすい文章で、謎が謎を呼んでいくスタイルが良かったです。
是非、御一読下さい。