第45話 おっさん、アリゲーターダンジョンを攻略する

 あれから、刺客は四度来た。

 チャイムは物凄く使える。

 小型のモンスターにも反応するのはちょっと困ったが。


 とにかく生き残れた。

 拠点を撤去して、ダンジョンに向かう。


 今度ダンジョンはアリゲーターダンジョンで、ワニのモンスターが出て来るダンジョンだ。

 中を覗くと1メートルぐらいのワニがいた。

 最初のザコはこれぐらいか。


 ロープを持って近づぎ口を縛る。

 口を縛るとワニは何もできない。

 テレビの受け売りだ。


 3階層までのザコはどうというこは無かった。

 3階層のボスは巨大ワニだ。

 切り札を切るか。


拘束バインド


 金属魔法を使いワイヤーロープでボスの口を縛る。

 ボスは尻尾を使って暴れた。


「きゃあ」


 アルマが尻尾で殴打され転がった。


「敵討ちよ」


 エリナがボウガンを発射するが分厚い皮膚で弾き返された。

 エリナ、アルマは死んでないから。


「えらい目におうた」


 アルマが服から埃を払って立ち上がる。

 俺はメイスでボスを叩いたがびくともしない。

 ゴムタイヤを叩いたみたいだ。

 思いのほか頑丈だな。


 あれを使うか。

 俺はチェーンソーを取り出すと邪魔な尻尾を切り落とす事にした。


 刃は肉に食い込み血しぶきを上げる。

 肉の解体をチェーンソーでやるものじゃないな。


 ボスは暴れまくったが、ほどなくして尻尾を切断できた。

 そして首を切り落としてボスは死んだ。

 ふう、一仕事終えた気分だ。


 そして、8階層のラスボスの扉にワイヤーロープとチェーンソーのコンボで辿り着いた。

 物凄く時間が掛かったが、火を吐く奴も口を封じれば問題ないからな。


 俺の予感ではラスボスは強そうだ。

 ラスボスは金属の皮を持つワニのモンスターだった。

 チェーンソーの刃は通らなそう。


 ダイヤモンドカッターもあるが、あれは大きな物を切断するには向いてない。

 口をまず無効化しよう。


拘束バインド


 ワイヤーロープがラスボスの口に絡みつく。

 流石にワイヤーロープは千切れないみたいだ。

 ダイヤモンドカッターを使い出血多量で殺すか。

 どうやらそれしか無いみたいだ。


 ダイヤモンドカッターを押し当てると焦げる匂いがして、徐々に刃は食い込んだ。

 血が飛び散る。

 金属の肌は表面だけのようだ。

 なら、筋をダイヤモンドカッターで付けて、あとはチェーンソーだな。


 それからは作業だった。

 4人がかりで一時間かかってやっと討伐できた。


 討伐が完了して、ダンジョンコアの魔力で缶詰などを仕入れる。

 今回は新規に災害用品の常温で長持ちするハンバーグも仕入れた。


 ダンジョンコアを奉げ、土魔法のスキルオーブを得た。

 地下の秘密基地を作りたかったからだ。


 ステータスを確認しておく。


――――――――――――――

名前:山田 無二 LV314

魔力:11367/31400


スキル:

収納箱

魔力通販

次元移動

助手

氷魔法

金属魔法

土魔法

――――――――――――――


 今回の仕入れで、グエルオアシスの資金源はかなり叩けるはずだ。

 やる事がもう無い。


「俺はこれから、何をしたら良いんだ」

「うちは危ない真似は謹んでほしい」

「俺も単騎で突撃するほど馬鹿じゃない」


「義理は果たしたと思うから放っておいたら」

「十分」


 刺客から身を隠しながらひっそりと暮らす事を考えた。

 そんなの俺じゃない。

 攻めだ。

 常に攻めないと。

 今までそうやってきた。

 いまさら変えられない。


「駄目だ。攻め続けなきゃ」

「悪評をばら撒くのはどない」


 グエルオアシスの悪評か。

 だが、悪評ぐらいでは痛くも痒くもないだろう。


「効果は薄いな」

「味方よ。味方を増やすの」

「同盟」


 グエルを仕切っているバラムが痛い事は、反グエルの同盟が出来る事じゃないだろうか。


「それは良い考えだ」


 オアシスのトップが嬉しい事とはなんだ。


 人気取りもだが、物資が喉から手が出るほど欲しいと思う。

 なぜなら、オアシスは慢性的な物資不足だ。

 そりゃそうだよな。

 森すらほとんどない。

 木材も無ければ石材もない。

 食料も水も、あらゆる物が貴重だ。


 魔力通販はこれらを提供できる。

 俺が監禁される事が唯一の懸念だが、レベルが300超えてて、魔法も覚えている。

 力ずくでほとんどの問題はなんとかなるはずだ。

 よし、それでいこう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る