第42話 おっさん、ウルフダンジョンを攻略する

 ウルフダンジョンは砂の壁になんと床は草原の絨毯だ。

 天井には良く分からない光がある。


 進んで行くと狼型のモンスターが現れた。


「よし、毒入りハンバーグを投げろ」

「はいな」

「行くわよ」

「投擲」


 毒入りのハンバーグを投げる。

 やつら疑いもせずに食らいついた。

 しばらくすると痙攣した倒れたが、やはり遅効性だな。

 叩いた方が早い。


 レベルが76もあるとザコは力押しでいける。

 次は3階層のボスだ。


 ボスの口から火炎の吐息が漏れる。


「気を付けろ。炎を吐いてくるぞ」


 毒餌を撒いて盾を構えて耐える。


「きゃあ」


 アルマが炎で焙られる。


「大丈夫か」

「平気や」


 アシスタントは人間じゃないからな、アンドロイドみたいなものだ。

 攻撃にはほぼ無敵だ。


 ボスは毒餌を食う余裕もある。

 だが、毒餌を食ったということはいずれ倒れる。


 ボスは今度は俺に火炎の息を吐きかけた。

 鋼鉄の盾で防ぐ。

 ちくしょう暑いな。


 俺はじりじりと接近する。

 息継ぎのタイミングで、メイスを使いボスの頭を殴った。


 なんとか倒したが、4階層からはザコにこういう奴が出て来るに違いない。

 ボウガンでも対抗できるが、なんとかしたい。

 火炎瓶を作って投げる事にした。

 奴らが炎でくるならこっちも炎だ。


 アルマ達も瓶を投げるぐらいは出来るからな。


 案の定、4階層のザコは炎を吐く奴だった。


「みんな、火炎瓶を投げて」

「てや」

「なんだが懐かしい」

「既視感」


 皆が火炎瓶を投げる。


 辺りは火の海になり、ザコは息継ぎの為に息を吸い込んだ。

 当然、炎を吸い込む。

 そして、爆発した。


 火を吐くと火に強そうだが、体内に燃焼物を持っているので、火を吸い込むと危ない。

 爆弾を抱えているような物だ。


 5階層のボスは駆け回っている。

 物凄いスピードだ。

 残像が見える。


 ならば、ナイロンネットを魔力通販で買う。

 安い網は30×2メートルで2000円ぐらいだ。

 アルマ、エリナ、モニカがネットを持ってじわじわと接近する。

 ボスは駆け回ったが、ネットに突っ込んで来た。


「きゃあ」

「こなくそ」

「我慢」


 ネットに絡まるボス。


「もういいぞ」


 俺はチャンスとばかりにメイスで滅多打ちにした。


「ご苦労様」

「役に立ったやろか」

「上出来だ」


「文句はないわよね。体張ってるんだから」

「俺には過ぎた嫁だ」


「賢妻」

「そうだな」


 なんとかなったな。

 ザコはこれより弱体化しているから何とかなるだろう。


 6階層のボスは頑丈な奴だった。

 その代わりに足が遅い。


 ロープを持って近づき口をぐるぐる巻きにしてやった。

 そして足をぐるぐる巻きにして後は滅多打ちだ。

 このボスは楽勝だったな。


 6階層のザコは頑丈な奴でボーナスステージみたいな物だった。


 そして、いよいよラスボスだ。


 ラスボスは体全体が燃えている奴だった。

 手始めに火炎瓶を投げたが、目に見えるダメージは無い。


「アルマ、鑑定お願い」

「はいな、弱点は水や。冷えると体温が維持できんで死んでまう」


 砂漠で水が弱点は確かに強いな。

 俺は魔力通販で水道水を買い、掛けまくった。

 ラスボスはブルブル震え、そして死んだ。


 俺はダンジョンコアから魔力を吸い取り、缶詰と酒とビーフジャーキーを買った。

 そして、次のダンジョン攻略のためにドライアイスも買った。


 ダンジョンコアを奉げ氷魔法のスキルオーブを得る。

 これはある事件で得たテクニックだ。

 大抵のスキルはダンジョンコアと引き換えに手に入る。

 強大な力のスキルだとダンジョンコアが複数必要になるが、使えるテクニックだ。

 ランダムに出るドロップ品と違って欲しい物が必ず手に入る。


「ステータス」


――――――――――――――

名前:山田 無二 LV163

魔力:825/16300


スキル:

収納箱

魔力通販

次元移動

助手

氷魔法

――――――――――――――


 これで次のダンジョンの準備も出来た。

 街に戻り、商品を格安でアタンの店に卸す。

 市場が混乱するだろうな。


 価格にして5千万ぐらいだからな。

 一つのオアシスの人口が大体3千人。

 5千万円の商品はかなりインパクトがあるはずだ。

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