レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされた俺は大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ。なんとしても元の世界に俺は帰る~
第26話 おっさん、サンドアリゲーターを駆除する
第26話 おっさん、サンドアリゲーターを駆除する
「サンドアリゲーター?」
「そうよ、サンドアリゲーター。それが産卵場所を求めてやってくるの」
アズリが俺の疑問に答えた。
サンドアリゲーターはワニ型のモンスターで全長は5メートルを超える。
普通に強敵だ。
「それで、迎え撃つのか」
「外壁が無い今、得策ではないわね」
「そもそも、何でそんな事が分かった」
「あなた達が交易に出かけている間に孵化した卵の殻が大量に見つかったのよ」
「なるほど、それで今年も来るという訳だ。今まではサンドシャークに大半が食べられていたんだろうな」
「そうね」
「巨大鰐。必見」
「頼むからモニカは突撃してくれるなよ。攻略法も見つかってないんだからな」
サンドアリゲーターの弱点を探るのはモニカの鑑定が頼りだ。
よし、オアシスに到着する前のサンドアリゲーターを偵察に行こう。
双眼鏡を片手にモレクを駆り、砂漠を旅する。
サンドアリゲーターはでかいので発見は容易い。
北の方角に10頭ほどのでかいワニの集団が行進しているのが見える。
「いたな。モニカ、ここから鑑定できるか」
「邪眼発動。闇の知識が囁く。毒には強い。火にも強い。冷気には弱い」
弱点は冷気か。
ドライアイスは出せるが、撃ち出したりして攻撃するには魔法がいる。
一帯を冷やすほどのドライアイスは用意できない。
魔力が足りないからだ。
さて困ったぞ。
ドライアイスを持って安易に近づけば、ぱくりと食われるに違いない。
セメントで堀を作ってそこにドライアイスを撒くのが良さそうだな。
外壁もセメントで修理したいが、まずは堀だ。
総動員で堀を作る。
良かった、何とか間に合いそうだ。
そして、決戦の日を迎えた。
次々に堀に落ちていくサンドアリゲーター。
俺は上からドライアイスをぶちまけた。
ドライアイスが安くって良かった。
10キロで5000円ぐらいだからな。
ところが命の危険を察したのかサンドアリゲーターの一頭がジャンプして堀から出てきた。
やばい、ここが最終ラインなんだよ。
俺はロープを持って突撃した。
ワニは閉じる力は強いが開ける力は弱いとテレビで見たからだ。
口の上にしがみつきロープを掛ける。
口をぐるぐる巻きにしてやった。
どうだ、口を開けられないだろう。
サンドアリゲーターの脳天に鉄の杭を当ててハンマーを振るう。
鉄の杭は頭蓋骨を割って、脳みそに達したようだ。
レベルが80近くなっているから、俺の力はかなり増えているのでこんな芸当が出来た。
堀の中のサンドアリゲーターに火を吐く奴がいる。
こいつがポスか。
ドライアイスが次々に溶かされる。
俺はドライアイスを負けじと投入した。
そして、突然サンドアリゲーター達が死に始めた。
何が起こった。
ああ、ドライアイスが気化すれば二酸化炭素になる。
二酸化炭素は空気より重い。
堀に充満してサンドアリゲーターが窒息した訳か。
ふう、今回は肝が冷えた。
一斉に襲い掛かられたらひとたまりもなかった。
「これはまた。防具の良い材料になりますな」
「あんたは?」
「イゼゼオアシスで防具職人をしておりました。なんでもサンドシャークの皮が沢山あるとかで」
「ああ、アイテムボックスの肥やしになっているな」
「なんと勿体ない。どうです私に任せては貰えないでしょうか」
「そうだな。加工した方が高く売れる。よし、サンドアリゲーターも一緒に任せた」
「名品に仕上げてみせましょう」
「肩パッド。希望。マント。希望」
「モニカ、そんな装備が欲しいのか」
「願望」
たぶんモニカが欲しいのは悪役みたいな装備だろう。
「恰好良い、悪役みたいなのを頼む」
「ええ、よろしいですとも」
そして、数日後。
肩パッドから角が出た装備が出来上がった。
マントとセットになっている。
「ふっ、右腕が疼くぜ」
よし、気分を出しているモニカにプレゼントしてやろう。
片目だけのカラコンだ。
オッドアイとか好きそうだからな。
「モニカ、これを付けてみたらどうか」
「感激。邪眼発動。貴様、私の心臓に毒を流し込んだな。沸騰するマグマの如き動悸だ」
「なんだよ急に」
「理解者少数」
「そうだなそういう趣味の奴はなかなか理解されない。俺はコスプレだと思えば許せるがな」
「好印象」
「そうか。言ってはなかったがモニカとは夫婦だったんだ。今のモニカはその記憶がないがな」
「我の記憶が操作されているというのか。くっ、前世からの因縁だと。因果律が干渉されたというのか。それで記憶が」
むっ、なんか鋭い所を突いているような気がする。
前回、異世界で俺の魂が切り離されて、因果律みたいな物が狂ったのか。
まあ、それが分かったところでどうしようもないのだが。
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