第208話 おっさん、鉄を腐らせる
うーん、アイアンスケルトンの攻略法か。
そうだ。
魔導で酸化させてしまえば良いんだ。
酸化させれば脆くなる。
水を掛けて魔導を使えば良い。
それで行こう。
それとポチをどうにかしないと。
ポチという名前をつけたのだからドッグスケルトンにしてやろう。
ウルフを一頭殺して、魔導で肉を腐らせ排除する。
スケルトンに嗅覚が無くって良かった。
ジェマなんか、一度、様子を見に来たら。鼻をつまんで逃げて行った。
ウルフの骨をスケルトンにするのかだって、ちっちっち甘いな。
型をとって鉄で骨を作るのだ。
アイアンドッグスケルトンだ。
魔導を駆使して鉄骨を作った。
ポチのコアを定着させて、完成だ。
もふもふは出来ないけど、後をついて歩く姿は可愛い。
ジェマも気に入ってくれたようだ。
休日は終わり、やって来ました6階層。
アイアンスケルトンが居るな。
「カタカタ、カタカタ、カタカタ、カタカタ(
水を掛けられたアイアンスケルトンが瞬く間に錆びていく。
ボロボロになったスケルトンなど敵ではない。
メイスで粉みじんにしてやった。
ボス部屋まで簡単に辿り着けた。
『ここのボスは何だ』
「ミスリルスケルトンよ」
『錆びないよな』
「当たり前よ。錆びるミスリルがどこにあるのよ。ちなみに中級でも苦戦する相手だわ」
『引き返そう』
「そうね。それが良いかも」
またもや難題。
錆びない硬い敵に対処するには。
俺もアイアンスケルトン辺りになるか。
でも、それだと負けそうだ。
しかし、流石に人体の骨のミスリルを確保する資金はない。
とりあえず俺はアイアンスケルトンになった。
さて問題の攻略だが、魔導を使い熱でミスリルスケルトンを溶かすか。
それしかない様だ。
再び6階層のボス部屋前。
『行くぞ。覚悟はいいか』
「良いわよ」
ポチも吠えるポーズを取った。
ボス部屋の扉を開く。
まばゆく光るミスリルスケルトンが召喚される。
「カタカタ、カタカタ、カタカタ、カタカタ(
熱気がここまで押し寄せてくる。
触媒のチタンが消えて行き、ミスリルスケルトン溶けた。
俺はメイスを握り、溶けたミスリルスケルトンを殴った。
コアが潰れ魔石になる。
こいつがザコで出て来るなんて悪夢だ。
次の階層に行きたくなくなった。
階段を下りて、次の階層の様子を見る。
あれ、ミスリルスケルトンが居ない。
なんだ、楽勝じゃん。
「油断したら駄目よ。あれはスチールスケルトン。鋼鉄で出来ているわ」
『だけど錆びるよな』
「ええ、たぶん」
『やっぱり楽勝だ』
正攻法だと強敵なんだろうけどね。
普通の人は魔導を使っても鉄を腐食したり出来ないそうだ。
錆がなんなのか分かっていないからだ。
酸素と鉄が結合するというイメージがないと難しい。
現代知識があってこんなにも良かったと思う事はない。
ザコを簡単に蹴散らしてボス部屋までやって来た。
『次のボスは何だ』
「マジシャンスケルトンよ。炎を使ってくるわ」
『俺の鉄の体なら楽勝だな』
「そうね。スケルトンが攻略するなんて、考えられてないから」
「さあ、開けるぞ」
召喚されてきたスケルトンが指の先に炎を灯す。
そして、魔法を放つ。
俺は余裕で炎を受け止めた。
おっ、ヘルメットが焦げたじゃねぇか。
お返しだ。
俺はマジシャンスケルトンの体を砕く。
マジシャンスケルトンは効かないと分かっているのに魔法を放った。
砕いた体が激しく燃え上がった。
自爆技だな。
こいつの体はマグネシウムなど燃えやすい金属で出来ているらしい。
俺には必要のない能力だな。
俺がマジシャンスケルトンに止め刺そうとしたら、ポチが噛みついてコアを砕いた。
尻尾はないが有ったらきっと尻尾を振っているはずだ。
ポチの頭を撫でてやる。
こいつ、人型だったのに今ではすっかり犬になりきっている。
案外と元は動物の魂だったかも知れんな。
『次のボスは何だ』
「情報がないのよね」
『マジシャンスケルトンの上位種だろうな。ただ、攻撃方法が分からん』
「上級冒険者でもこのぐらいになると厳しいから」
なんだろ。
行ってみて確かめるしかないか。
出たとこ勝負は嫌なんだが。
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