第8話 言うと返す。そして苦笑。

 会話劇だと(言葉)を「言う」と「返す」が増える。同じ言葉ばかりだと読み手は鼻につく。言うを向けるにしたら、今度は向けるが増えすぎた。「言う」も「向ける」も感情を伴わない。その時の感情を伴った言葉に言い換えると語彙が増える。師匠の校閲を受ける中で気づいた。


「言う」

 投げる。言い置く。言い捨てる。頬を張る。鞭打つ。包み込む。述べる。断言する。口火を切る。水を向ける。泳がせる。呟く。空気を震わせる。もてあそぶ。からかう。皮肉る。ぶちまける。刃を向ける。突き刺す。問う。宣言する。引っ掻く。耳朶を打つ。こぼす。落とす。言い散らかす(文字数)


「返す」

 戻す。押し戻す。答える。応じる。はね返す。かわす。射返す。抗議する。反論する。噛みつき返す。切り返す。はねのける。投げ返す。


 感情だけじゃなく「定義」もあるみたい。この言葉はどんな性質のものなのか。言葉の「根拠」って感じかなあ。


 私が困っているのは「苦笑」の言い換え。

 苦笑い。自嘲の笑み。呆れ顔。苦虫を嚙み潰したよう。苦いものを食べたような。顔をしかめた。眉を寄せ。口元を歪ませ。ため息まじり。やれやれと。困り顔。


 何かありませんか。なかなか増えません(^^;

 肩をすくめるの言い換えも増えない(^^;





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