第4話 コミュニケーション不全症候群 中島梓

「コミュニケーション~」は1995年が初版なのだけど、当時読んでかなり納得感のあったものです。現代だとまた違った印象なのでしょうが。地下鉄サリン事件のあった年です。

 現代はとにかく過密であり、他人とのコミュニケーションを不全にしなければ精神を保っていけないという話から始まります。


 動物にはテリトリーがあります。人間も自分の身長を半径とした円は自分のテリトリーだと聞いたことがあります。その円の中に知らない人が入ると警戒心を抱くそうです。ただ満員電車でそのテリトリーを保持することは出来ない。生き物にとって異常な状態だそうです。


 だからこそイヤフォンで音楽を聴いて外界から音を遮断したり、スマホに見入って周囲から意識を背ける必要性が出てくると。知らない他人をただの物として見て、自分の殻に閉じこもらないと息苦しい。職場でも家庭でも安心できる自分だけの居場所が確保できない現代人の生きるための処世術だそう。


 息苦しい場所に留まる必要はないと思うわ。一人になれる空間の確保。適度な距離感のある関係。しんどければ、スルーもいいと思う。他人のために生きてるわけじゃないものね。んで、オタクや腐女子は時代が必要としたから生まれたってことだろうなあ。





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