あかつき

 寒空の星屑は澄んで限りなく見えすぎる。


 この山間の代り映えのない誤報が抜けていく いくつかの悴んだ指を折る、といくつがえる、鼻緒の赤い下駄を 空似の明日占い、裏返る日常のうなじを食む、後れ毛の敗因だろう。

 千鳥の足あと 新雪の のち

 きっと障子越しの嘘 誠も誤飲してしまった 蟲毒を纏っていって、偽りの肖像を描く、白鷺の舞のなかにおいて。少し重たげなごくらくに ちょっとだけ歓声をあげる。


 下葉見時の山陰を抉る、

「キクスマスタ」

 その開かずのハコ、あなたの予報は関節を外しておさまる

 キミは何故か妙に可愛らしく 一歩も動けない僕を見つめ返した。

 あしたの日取りは[⋆̩☂︎*̣̩]


 嵐の朝を超え数年を控える、色めきだつ提灯鮟鱇を吊るして無垢に仕立てる、前葉の散るカワリミの皐 婚礼を通じて、

 今私とアナタはムスバラタ カゼノネオ定住とした

 プラネット間に轢かれたわたみ、子らは、プラットホームの、日付けを跨いだ鵬翼、昨日を殺した子猫の瞳を縁取るよに。


 着崩した未来に紙鶴を、日付変更線に被せて、焼き場に寸と潜ませる。夕景にくべて、たくさんの希求を尾として、そのうち、一つ残らず。


 毟り取られる羽根を量産している群青カプセル、

 吹き荒ぶ胚芽たちの業


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