さかさまかさね

          はじまりがいちばん すなおで

       よこしまなことは でたらめであるが

    ここに正しく在る。今の私たち


       きつく結ばれた 口は 意味をなさず

     閉じられた 今も 厭わずに

     筒抜けたアナから 零れた灯り


炭酸に沈められた唯一の花 少しづつ暈が経る


 不信華陽をダイヤルに戻して海辺に流れ着いた、

    錆びた缶詰に君の名が書かれている

       論を襲かさねれば 己は消えて行く、

    それが目的なのか 常に怯えさせるもの


         横断歩道

          跨線橋  

        バス停までに

         口を揃えて 

         靴を預けて


     ちぢくがスれるたび ぶてた ボクらのが

 殖やしてく ひとつのきちしか選べない じんせい


    崖下のへのもへじ でくのぼうって 可哀想


だけど可愛らしく 寄って集って 

じっと影から ひそひそばなし

    朽ち寂れたラベルに 描かれた

         山梔子の花ほど香るものだ


 過去へリダイヤルすると落窪んだ今から

     未来へジャンプしてみせようとトグロをまく

        時計の秒針は それで動いているだけ


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