02 抜かれていく命

「どうですか。調子は」


「ええ。すこぶる元気です」


「では、血をとりますね」


「どうぞ」


 腕を差し出した。


 管を通して、わたしの命を繋いでいた紅いものが、流れていく。


 失恋したわたしを、それでも生かしていた血。もう、いらない。


 わたしなんて。


 いらない。


 失恋すると。こんな気分になるのか。しにたい気分。いますぐにでも。


 焦らなくてもいいや。


 眠くなってきた。

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