行政改革の推進

@kj0jk123

行政改革の推進(1話完結)

20〇〇年、新たに就任した苦労人の首相の一言で、何が何でも行政改革を推進することになった。

前例踏襲を見直し、無駄を省いて、行政の処理スピードをあげなければいけないというのだ。

「これまでもずっと言われ続けてきたことだ。それが簡単にできなかったのだから、相当な覚悟をして取り組まないといけない。そのために、どんな些細なことでもいいから、すぐにできることからやれ」という強い指示だった。


それに呼応して、慌て者の〇〇大臣が、行政文書についてハンコを廃止すると宣言した。

マスコミ報道によると、首相からも「令和時代のハンコ廃止のような中途半端な取り組みで終わらないようしてほしい。」というコメントが寄せられたとのことだった。


〇〇大臣は、ハンコを押すことをなくすことが大事なのではないと考えた。

一つの文書を、下の立場の者から順番に見て次に渡すということをやめた。

必要な人が同時に目を通してチェックするようにすれば迅速に処理が進むからだ。そのために、書類をネットにアップし、それを関係者が確認するように改めた。

ペーパーレスにもなり、とても有効な方策だということで全省庁に採用することになった。

ハンコ業界から強い反発があったが、行政改革推進のためのお願いと、〇〇大臣がひたすら頭を下げて乗り切った。


しかし、この方法にも問題があった。

アップした書類をちゃんと確認したのは誰かがかわからないことと、アップされた書類を必ずチェックする習慣を付けさせる必要があることだ。


そこで、〇〇大臣は、「こういうことにこそ若い力を活用する。」と宣言し、経験年数1,2年の若手官僚に仕事を任せた。

その結果、国家公務員の間でやり取りされる書類は、きちんと整理されてサーバーにアップされた。


そして、書類を確認した者は、「いいね!」か、さもなくば、改善点を示したコメントを返さなければならなくなった。しかも、アップした書類は24時間経つと、自動的に削除されるようになった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

行政改革の推進 @kj0jk123

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ