第22話「シスコン勇者の魂百まで、思い出は魔改造するもの!!」





 放課後、それは学生たちの抑圧された時間からの解放、自由への逃避、それとも部活動や習い事など次への小休止か、いずれにしても学生たちにとって楽しみである事は明確である…………今の俺以外はね。


「さ、カイ、一緒に行こ? 色々とで話し合わなきゃダメなんだよね? で話そ?」


「快利、今日は仮病で部活は休んで来た!! さあ、家で説教だ。もちろんでな!!」


「えっと……ま、何と言いますか……エリ姉さん堂々と仮病はダメだと思うよ? それとルリも姉さんが来たからっていきなり腕を引っ張るなよ」


 ええ、なので修羅場は現在進行形ですよ。六時間目が終わってルリと今後の転移先を探そうとしたら、ちゃんと廊下で待機していたエリ姉さん。そしてクラスの一同はまたしても俺達三人の動向を見ていた。コイツらには一度マジで分からせてやるからな元勇者舐めるなよ。


「それで風美と快利の不純異性交遊の件なのだが……」


「だからエリ姉さん誤解だよ。俺はルリとそう言う関係じゃないから!! そうだよな? ルリ?」


「う~ん、私はもう誤解されたままでもいい気がして来た。このままなし崩し的に元サヤ狙い――――「あ、それは無いからな? きちんとルリが話してくれたなら別なんだけどさ?」


 俺がそう言うとルリは曖昧に笑って「だよね~」とか言ってエリ姉さんと言い合いを始めてしまった。けど、その横顔は何かを耐えているようで俺に悩み事を話してた時の顔と同じだった。もう何か隠してるのは確実なのに何で話してくれないんだろうか?ユリ姉さんの時みたいに何か交換条件でもあればまた違うんだろうけど……。


「取り合えず姉さん部活サボっちゃったみたいだし、ルリの事も心配だから二人とも俺の部屋行こ、そこが一番フェアでしょ?」


「おまっ、サラッと学園の二大ヒロインを……そう言うキャラじゃないだろ?」


「いや、金田。確かにそうなんだけど、ここじゃお前らや、さっきから見てる生徒会がウザイ。だから家まで着いて来ないで下さいね? 会長さん?」


 そう言ってそっちを睨みつける。元勇者の気を込めた一睨みだ。一般人が耐えられるかな?さっきからルリがソワソワしてたからな、昨日の話は俺も見てたし、ルリの部屋でも生徒会の事は聞いていた。


「ヒッ……私は、クラスメイトの絵梨花が気になって……」


「っ!? 会長、今日の所は引きましょう」


 そう言うと一人減った生徒会は早々に逃げ出して行った。エリ姉さんは黒幕会長の事を気にしていたようなので本当に友達だと思っているようだ。自分の親衛隊だと知ったらどうするつもりだろうか?でも今は二人を護衛して家まで連れて行く事の方が大事だしな。上手く行けばルリの話も聞き出せるしエリ姉さんにはいつものように気絶させる事も出来る。家ならやりたい放題だ。





 帰りの電車の中でも二人は互いにけん制し合っていて右側にはエリ姉さん、左腕にはルリと言った配置だった。電車内では周りからの視線で昔の俺なら間違いなくビビッて気絶してそうなくらいに注目されていた。だけど俺は時間的には昨日から実際の時間軸的には今朝から勇者モードだからこの程度の視線は効かない。むしろ周りをさり気なく索敵し睨みつけている。


「カイ? どうしたの?」


「いや、何でも無いさ」(仕掛けるなら絶好のポイントな筈だけどなぁ……)


 生徒会に紛れていたヴェイパールのような四天王が居るなら電車なんて格好の狙い目だ。奴らなら電車ごと破壊も含めた攻撃くらいはして来てもおかしくはない。最低でも密集した状態での暗殺くらいはあり得ると踏んでいた。何事も無いまま駅を出て少し歩いた家までの帰り道、突然スマホが震えた。


「ん? あ、ゴメン二人とも電話だ。もしもし、ユリ姉さ――――『た~す~け~て~!! 快利ぃぃぃぃいい!!!! 何か瑠実香が襲って来たんだけどっ!!』


『勇者を出せとか言ってるから絶対にあんた関連よ!! 助け――――ブツッ』


「えっ? あ、切れた……。ちょっマズい、ガイド!! ユリ姉さんの位置を!!」


 いきなり慌て出した俺にルリが気付いて目線で頷く。エリ姉さんもただならぬ雰囲気に俺を見て来た。そうだった、俺が狙いなら護衛すべきは二人だけじゃない、敵だってアホじゃない俺の関係者は少ないけどユリ姉さんそして母さんも狙われる可能性だってあった……迂闊過ぎた。こっちに帰って一週間平和ボケし過ぎた。


「ちょっとユリ姉さんが襲われたみたいだから助けに――――「私も行くぞ!! 場所はどこだっ!! ユリ姉ぇは!?」


「落ち着いてくれ、説明は後からするから今は俺に黙って付いて来てくれる? それとルリ!! ワームホールを繋げる。敵が分断を狙っての陽動の可能性も有るから一緒に付いて来てもらう!? 二人からも目を離せないから」


「え? いや一体何を……」


「分かった!! カイ、お姉さんを助けに行こう!!」


 俺はすぐに即応式万能箱どこでもボックスから聖剣を取り出すとワームホールを眼前に切り裂き出現させた。


「なっ、か、快利っ!? こっ、これは……」


「エリ姉さん手を握って。ルリは反対の手、二人とも行くよ!? ガイド!! 座標は!?」


『対象者、秋山由梨花の位置特定、私立秋実乃女子大学キャンパス、食堂前……周囲に人影多数有り、到着と同時に認識阻害の魔法の使用を推奨します。同時に対象者には既にスキルが展開しています現在は生存』


(あぁ、もうユリ姉さん泣いてないと良いけど……悲鳴は上げてな、てかやっと平穏なキャンパスライフ送らせてあげられたのに俺が迂闊だったばかりに)


 ガイドの話をを頭の中で聞きながら俺は転移到着時にやるべき事を反芻しながら戦闘態勢を整えた。現場に到着するまでは一瞬だった。





「ドウナッテイル? ナンデ我が剣がキエる!?」


「そりゃ、俺のスキルが有るからなっ!!」


「快利ぃ~!! 遅いぃ~!! あとこんな仕掛けとか有るんなら教えておいて!! 死ぬかと思ったんだからっ!!」


 目の前では聖なる防壁を黒髪の女が両刃のソードでユリ姉さんを攻撃していた。もちろん聖なる防壁何でもガードが発動しているのでユリ姉さんの目の前でソードが消滅した。その隙を突いて俺は属性魔法、炎と雷の上級を選択即座に放った。


「ぐっ!! おおっ!? アラワレタな勇者!!」


「か、快利っ!! ここは? それに今のも!?」


「カイ!? お姉さん達は私に任せて!! 絵梨花さん説明します。でも今は由梨花さんをっ!!」


 そう言って俺は聖剣を構えた。眼前には黒髪メガネで血走った目をした女がいる。コイツが美村瑠実香? あの男子生徒とは違って憑りついてる感じか……。なら一応助けられそう。俺が間に入ってる間に二人に助け起こされてユリ姉さんが立ち上がった。ん?頭の色が……黒くなってるっ!?


「え?……あ、今は取り合えず!! 光魔法『グロウ・ブレイズ輝く聖炎』正体を現せよ!! お前は誰だっ!?」


「グッ……ガアアアア!! 退魔の炎カ!? まあイイ情報はイタダイタからコノオンナは用済みダ」


 そう言うと黒い瘴気の塊が瑠実香の体から抜け出し現れたのは鳥の頭、大きな目、梟に似たような顔を持ち体は甲冑に包まれた騎士風の異形の者だった。そいつは良く覚えている魔王四天王の三番目。


「魔人将軍、エンドレェズ。今回は二番目か?」


「勇者カイリ、アイタカッタゾ。キサマへの情念のツヨキモノを探していたらコイツを見つけタ、その後にオマエのエーテルのハンノウを追ってここに来た」


「そうか、俺の姉さんに目を付けた辺りは褒めておく、だって俺のユリ姉さんは可愛いからなっ!! 武装展開全装備フルアーマメント!!」


 俺は『聖なる鎧』『光輝のサークレット』『黎明の盾』そして聖剣『地獄へ一直線』を装備して構えた。


「ソの姿もナツカシイ、俺がシンデ七年タッタラシイな、オマエハ昔のママカ、マアヨイ……行くゾ!!」


「やはり一度お前は死んだ!? ならどうやって蘇った!?」


「シャベルトデモ思ッタカ!! シネ勇者!!」

 

 俺の聖剣と奴の魔剣がぶつかった。鍔迫り合いの激しい応酬が始まる。俺と奴の剣技はほぼ同じだった七年前ならば、今は余裕で無双出来るが、奴もヴェイパールが破れた事は知っているはずだ。油断しないで行こう、向こうも七年前とは違うかも知れないのだから。





 目の前の光景を私は何かの悪い夢か、それともテレビの撮影のようにしか思えなかった。いきなり快利が姉のユリ姉ぇの危機と電話で話したと思えばここに、ユリ姉ぇが言うには大学のキャンパスに横の後輩の風美と連れて来られた。

 一瞬で、しかも今度は手から炎や雷を出して私も知っている美村瑠実香を攻撃し始めた。メガネは割れて双眸が真っ赤になって狂気じみた動きで黒く長い髪を振り乱している。


「こ、これは一体……」


「信じられないかも知れないけど、アイツ勇者で異世界帰りのチートなのよ絵梨花。そんで転移も出来て、それで今も私を助けに来たの」


 残念ながらユリ姉ぇの説明は要領を得ない説明下手の典型だ、昔からそうだったから期待はしていない。それでも何とか読解を試みるがどれも私の知識に無い単語で難しいと思っていたら横の風美が喋り出した。


「あの、絵梨花先輩、端的に言いますとカイは超常の力を使えるようになってるんです。それが勇者の力って言う物です。そしてあの化け物はカイが戦っている敵で私達は巻き込まれたみたいです」


「ふむ、ユリ姉ぇよりかは分かりやすい、しかし快利のあの力、それに強さは……私の木刀を受ける事も出来なかったあいつがあんな大きな剣を軽々と……」


 そう、眼前で鳥の化け物と戦う快利は鎧を装着し盾と剣で戦っていた。早過ぎて見えないのがほとんどだが、剣同士がぶつかると火花が飛んでいる。そしてこの気迫と圧迫感、全国大会や大人の部の剣道の大会など比では無いくらいの殺気と闘気がぶつかり合っている。気を張っていなければ震え出しそうだ。


「実はカイは昨晩も襲われた私を助けに来てくれたんです。あいつと似た化け物、別な四天王に襲われた私を守って、それで今朝も護衛してくれたんです」


「なに、あんな奴が他にも? じゃあ今朝のサボりも?」


「ちょっ、あんた詳しいわね? 待ってどっかで……そう、確か家に何度か遊びに来たわね、快利が友達なんて珍しいから覚えてたわ」


 なに?風美が我が家に来ていた?それは初耳だ。快利とは唯一と言っていい程の友人関係で彼女の存在は最大の障害と思っていたのだが、急に快利に対してイジメや嫌がらせをしてクラスを率いていた悪女。


(それ自体は許せなかったが、それ以外も気になったんだ)


 ここ最近は情報源である中学からの同級生で親友の黒幕こくばく奈之代なのよも快利は平穏な高校生活を送っていると聞いていたのに、ユリ姉ぇに聞いたら実際はその逆だった。


(だが、それがいきなり今朝は、まるで付き合いたての朝帰りでちょっと昨日はドキドキしちゃった!!みたいな雰囲気を出して私の前に現れた……てっきり快利が勝手に大人の階段を飛び越えて行ったのかと思ったほどだった)

 

 だが実は違ったようだ。快利は昨日も目の前の鳥の化け物みたいな奴と戦い彼女を守っていたらしい。そして昼と放課後の二回の接触で二人の仲の良さは痛いほど分かった。それはそうだ、快利が中学の頃あれを彼女のために必死に作っていたのを私は知っているのだから。


「はい、あの時は挨拶だけでしたので、改めて風美瑠理香です。それで由梨花さんはどこまで?」


「あんなの居るなんて聞いてないわ。ビルぶっ壊せるのと元勇者ってだけ、それよりも四天王ってどう言う意味?」


「はい、昨日の夜も私は友達に呼び出されて四天王の人魚の男版みたいなのに襲われて、間一髪のところをカイに助けられたんです」


「四天王……じゃあ魔王を倒したって言ってたのも本当なのね」


「それがカイの話では魔王が復活してるっぽくて四天王と一緒に――――」


 どうやら二人はかなり詳しく聞いているようだ。私だけ蚊帳の外か、最近は少しづつ姉らしい行動をしようと一緒に登校などと考えたりしたのに、目の前の二人は遥か先を行っていたらしい。やはりあの夢も快利が私を好きと言ってくれたのも私の妄想だったのだろうか……だが私は諦めない!!

 ならばここから逆転すれば良いだけだ。そう考え直すと二人の話に耳を傾け情報収集に専念しつつ私は高速で動く快利と化け物の戦いを見た。早過ぎて見えないがたまに地上に降りている時には快利が終始圧倒しているようだった。





「どうやらひねりも無く七年前のままの力だったらしいな?」


「バカナ、タカガ七年でヒトハコレホド強く……あの頃は一対五でもワレガ勝ッテいたのに……」


「ま、単純にお前も強かったけどそれよりかはお前の『不和の力』が脅威だったからな……お前のスキルとは違う『特性』だったか? 人と人の結びつきを破壊し険悪にさせるあの力。あれで連携は取れなくなってパーティーはバラバラになった」


 そう、コイツら魔族はスキルは使えない。スキルは神からの贈り物で神気エーテルが無い魔族は使えないその代わりに奴らは特性と呼ばれる強靭な肉体に直接付与される能力が有る。昨晩のヴェイパールはマーマンなのも有るが水辺では圧倒的な力を出せた。でもなぜか普通に陸に上がって来てたんだよなぁ……アホだろとかは思ったが内緒だ。そしてそれはコイツもだ。


「特性のオカゲダト、ワレは実力でオマエ達を!!」


「いいや、不和の力で連携が無くなったからパーティーは瓦解した。でも最後はそれぞれキレた俺ら五人の互いの最大の攻撃が偶然お前に直撃して終わった。ま、運で勝ったんだあの時は」


「ナラバなおの事、イマのお前はヒトリだ!! ワレニ、カテルはず……な、なんだそのエーテルとオドは……」


 まだ気付いて無いのかよ……お前が終始戦闘を有利に進めていたのは連携が取れなくなり仲間内でギスギスしていたから、そして勝因は偶然五人で打った技が当たったから。だから……。


「そもそも今のボッチの俺は……俺はさぁ、連携なんて気にする必要は無いっ!! ついでに友達もいないっ!! 俺はボッチなんだからなっ!!」


「ジブンで言っテテ悲しくナラナイのか? 勇者ヨ? アワレダナ」


「うっ、うるせぇ!! こっちじゃ本当に一人だったんだよっ!! あったま来たっ!! この怒りを込めて……お前に魔王を倒した技を見せてやる、勇者式剣技『姉式虎王炎斬燕返し・お姉ちゃんスタイル』……はあっ!!」


 勇者式剣技とは向こうで俺が生み出したものだ。決してエリ姉さんの揺れる胸とか弾む胸を思い出して作った剣術ではない。この技は魔王戦の前に以前エリ姉さんに見せてもらったものや騎士団長が使った技を俺なりに研究して昇華させた技だ。


「なっ、バカな……防ぎきれないっ!! なんだその剣技はっ!?」


 これは連続で剣を振るう技なのだが、まずは聖剣に炎の魔術を付与して横薙ぎに二閃する、それで相手のガードを崩した後に一度飛び退き間合いを取った後に大上段からの一撃を剣の先端に火球を集め相手に叩きつける。だがそんなモーションは相手にバレているので当然避けられる。その本命と思わせた一撃を避けた相手は完全に油断する。実際、魔王も油断した。しかし火球の爆風の中で体勢を整え爆風の中から下段で思いっきり斬り上げて上空に敵を打ち上げて真っ二つにする。

 かつて虎切りと呼ばれ創作の中で名の変わった剣術それを魔術付与し様々な動きを組み入れ別物に近い技として魔改造した技がこの『姉式虎王炎斬燕返し・お姉ちゃんスタイル』だ。ちなみに恥ずかしいから普段は姉式は取っている上に読み方も違っている。


「ぐっ!? アアアアアア!! ソンナふざけたナマエの技デエエエエ!!」


「ふっ、決まったな……」


 俺は爆炎の中からの本命の下段斬りで魔族の急所のコアを破壊しながら上空まで飛び上がり、奴の消滅を空中で確認するとそのまま引力に逆らわず静かに着地して再度周囲を確認して聖剣を鞘にしまった。


『しかしシスコン勇者カイリ……毎回技名を叫んでいますのでバレバレですよ』


「え? てかシスコン言うな!!」


「お姉ちゃんスタイルはちょっと……」「うん……ねえ……」


 見るとユリ姉さんとルリがドン引きしていた。ガイド音声に脳内で恐る恐る聞いてみた。もしかして今までずっと叫んでたのと?


『はい、魔王戦争以降の邪神戦争、それと時空戦争にも。あとは貴族戦争では炎を付与しないで使っていたのでその度に『お姉ちゃんスタイル』と叫んでいます』


「あれは……快利に私が使った燕返し……なのか?」


「うっ、それは……そのぉ……」


 恥ずかしくてエリ姉さんを見れない。と、言うより他の二人も見れない。これじゃあ俺はシスコンじゃないか!!ガイド音声にですらシスコンと言われている始末だけど、まさか向こうの世界でも俺はシスコンだと思われていたのか……。


「快利?」


「ひゃい!! な、何ですか? エリ姉さん……」


「私は、私は……お前の役に立てたのか?」


 まさか技名に自分が使われていたなんて何を言われるか分からず、思わずビクッとしてしまったが、エリ姉さんはどちらかと言うと珍しく不安そうな顔をしていた。いつも自信満々でどっしり構えている姉さんと違って少し小さく見えた。


「それは、もちろん!! 俺が向こうで戦えたのは……間違いなくエリ姉さんの剣術のおかげだったよ……」(あと姉さんの弾む胸!!)


「そうか……私にも、お前に相談さえしてもらえない情けない姉だが話してくれないか? 快利のこと……頼む」


「カイ!! 人が集まって来てる!! 急がなきゃ!?」


 ルリの発言に俺がハッとすると人が集まり始めていた。俺は三人を集めてワームホールを開くと急いでその場から家の前まで転移した。今回は運よく誰にも見られていなかったのでルリには感謝しなくていけない。

 そして三人を促して家に入って結界を張った。正確には今まで張っていた結界を最上級の全てを拒絶する聖域引きこもりの味方に切り替えた。さて、これで姉さんたちにも全部話さなきゃいけなくなってしまった。少し気が重いなぁ……。

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