第13話「残念な姉が一日限定で俺専属メイドになりました」



「――来て、起きて……くだ……さい。ご主人様?」


「ううっ……あと何人……俺は、もうっ……」


「快利!? ちょっと快利!! 大丈夫なのっ!?」


 最初は優しく揺り動かされていたのに突然激しく揺られて俺は目を覚ました。そして目の前のメイド服を見た瞬間に即座に戦闘態勢に入った。


「またお前かっ!! 来いっ!! 聖剣!! 我が敵を……って姉さん?」


 寝ぼけた状態でよく見るとメイド服を着たユリ姉さんがガクガク震えている。それは当然だった異世界の人間に当てる殺気と同じものを目の前の一般人の姉、由梨花にぶつけたのだから仕方ない。


「うぅっ……聖剣まで向けるなんて……やっぱり、私のこと……」


「あぁっ!! ゴメンゴメン。メイド服とか見たから、つい斬りかかりたくなっちゃって……ユリ姉さんは悪くないから、ゴメン。本当にゴメン!! ねっ? ほら聖剣しまったから大丈夫だよ~?」


「メイド服を斬りたいって意味分かんないわよっ!!」


 聖剣をいつもの箱に戻すと俺は全力で姉さんに謝って大丈夫アピールをして必死に落ち着かせようとしていた。おかしいな……姉さんに罰を与えてこの恰好させてたのにどうして俺が謝ってんだろう……。そう思って俺は昨夜の事を思い出していた。



 ◇



 俺は何とか姉さん落ち着かせようと、勢いで奴隷とか言ったのを今更ながら後悔していた。姉さん完全に誤解しているから俺はそれを解くところから始めていた。


「だから……首輪とか、そんなん付けないから。向こうでは魔術が付与された足輪か腕輪だったかな……なるべく隠れるようにしてたよ?」


「そうなの? な〇う作家は取り合えず美少女には首輪を付けて奴隷にしてるんだけど違うの?」


「うん。まずはその穿うがった知識やめよっか? 少なくとも俺の召喚された転移先はそう言うんじゃなかったよ」


 そもそも奴隷は半分合法だったけど、かなりのグレーゾーンな商売だったので俺の仕えていた王国では積極的に目立たせないようにしていた。そう言う意味では王様の施政は人権を無駄に配慮していた。


「でも、今あんた奴隷になれって……ま、まさか快利……わ、私そう言うのは無理だからっ!!」


「ふ~ん? そう言うの? そう言うのってどう言う――」(あ、これ以上からかったら泣きそう、男性恐怖症だったの忘れてた……)


「ふぇ……かい……り?」


「何でも無いよ。それより姉さん。奴隷って言ったけど実際は明日一日だけ俺に付き合ってもらうだけだからさ。その際にはこの恰好でね?」


 そう言ってスマホを操作してあらかじめ用意していたWebページを見せる。それはとある有名な電気街のメイドカフェのページだった。


「メイドさん? 私がこの恰好するのっ!?」


「これと同じじゃないけど近いのかな……今から作るから、姉さん? 素材は何か指定とか有る? 取り合えず好きなモンスター言って」


「好きなモンスターって……その前に快利、あんた服作れるの!?」


 そこで俺はスキル『全品再利用もったいない精神』の説明をした。そしてエリ姉さんにも例のシャツを作って安全性は確認している事と、何でそれを渡したのか、その経緯も簡単に話した。


「あぁ……それは正解ね。だって絵梨花は私以上に体の事とか男の視線を気にしてるから……あの子は……」


「え? でもいつも見て思ってたんだけど、ユリ姉さんの方がおっきいよね?」


「あんたね……本人の前で……あっ!? そう言えば昨日の夜は絵梨花の、む、胸とか散々触ってて……色々してたじゃない!!」


 そうだった。昨日の一部始終を姉さんは見てたのを忘れてた。どこから見てたのかを聞いたら俺がエリ姉さんに押し倒されたところから見てたらしい。そこで俺は簡単に昨日は言い合いになって押し倒されて咄嗟に魔法を使うために仕方なく喜んで胸を揉んだと申告した。


「嘘ね? あんた絵梨花の胸揉んでる時すんごい間抜け面してたわよ?」


「えっ!? は魔法使ってたからそんなはず……」


「つまり普段は私たちの事そう言う風に見てるんだ? ふ~ん?」


 ユリ姉さんがジト目で見て来るから慌てて言い訳する俺、そんな押し問答を何度もしている内に自然とお互い笑い合っていた。


「まさか姉さんとこんな風に話せる時が来るなんて思わなかったよ」


「あ、うん。私も……それで、あの……さ、快利……」


「なぁに? 姉さん?」


「本当に、ごめんなさい……信じてあげられなくて……」


 本当はもう良いよって言ってあげたいんだけどなぁ……甘いとか言われるかも知れないけどさ。それに何より姉さんはそれを望んでない。少なくとも今は……。


「うん。分かった。だ・か・ら!! ユリ姉さんには早くメイド服の素材選んでもらわないとね? ハーピーとかキマイラ辺りとかどう?」


「え? ハーピーって羽生えた人なんじゃないの!? それとキマイラって、あれでしょ!? ライオンとか蛇付いてて合体してる奴でしょ……何かもっと可愛いのとか居ないの!?」


 その後、姉さんの希望で素材も含めての見た目重視のメイド服を二、三着作った結果、着て行くのを決めるからと部屋を追い出されてしまった。



 ◇



 そして現在に至る。目の前のユリ姉さんはシックな黒のロングドレスに白いエプロンにカチューシャと言ったよそおいで正に、ザ・メイドと言った風だった。だが俺は少し不満だった。


「姉さん、他の二つは……ダメだったの?」


「あんた……じゃなくて、ご主人様の趣味のピンク色のメイド服でございますが、あんな下着が絶対見えるスカートに肩も出して胸も強調されたようなものはメイドにふさわしく無いと思いましたので」


「えぇ……じゃあ、もう一つの薄いブルーの方は?あれが普通に良かったんだけど!! もちろんピンクの方も!!」


 ブルーの方は一見すれば普通のメイド服でピンクの方よりも露出度は高くない、実は快利の狙いはわざと際どいピンクのメイド服を囮として程よい露出度のブルーの方を着てもらおうとしたのだ。

 昨日の会話で由梨花は可愛いものが好きだからクラシカルタイプは選ばないと踏んでいた……。と、実は色々考えていた快利だったが最初からミニスカメイドは邪道と言う考えを持っていて更に別な理由からも由梨花は選ばなかった。


「やっぱりね……ご主人様の煩悩が溢れる一品ばかりでしたので無難な、こちらのクラシックのメイド服を選んだのです」


「見たかった……姉さんのミニスカメイド姿……ってそうだ。着心地はどう? 大丈夫だと思うんだけど」


「え? うん。バッチリ!! でも凄いわね。どれもサイズ合ってないように見えて首通した瞬間に私の体格にピッタリよ。いつも胸がキツかったり、少し丈が長かったりするから色々大変なのよ服選びって」


 この服は俺のスキルで作って、最後に『調整』の魔術を付与したからだ。これは兵士の武器や鎧などを過不足無く使うための魔術で俺自身の装備もこれを使っている。向こうの兵士には必須の魔術だった。しかし本来、向こうの世界が平和だった頃にはこうやって服飾のオーダーメイドにも使っていた魔術らしい。


「へ~……ほんと凄いわね……じゃ、じゃあサイズ合わない服とかご主人様のとこ持って来たらさ、ちょうど良くしてくれる?」


「うん。それは良いんだけど……いい加減ツッコミ入れるけど姉さんさっきから丁寧語とか『ご主人様』とか、どしたの?」


「せっかくメイド服を着て今日はご主人様に付き合うんだからメイドになり切ってるのよ!! ロールプレイングって奴ね!!」


 う~ん、この姉やたらノリノリである。それに無駄にメイドにも一家言いっかげん有るようで、この後から無駄に長い姉さんのメイド談義が始まってしまい、それに付き合っていたら時間が無くなりそうだから適当に切り上げて二人で下に降りることになった。



 ◇



「快利、少し話がある。昨夜のことだが……えっ……ユリ姉ぇ?」


「あらあら~? 由梨花どうしたの? メイドさん似合ってるわよ~♪ お母さんも着てみたいわ~♪」


 やめて、母さんがメイド服なんて着たら色んな意味で企画モノのアダルトな作品になっちゃうから。そもそも母さんて普通に四〇代に見えないからね?そこら辺の自覚本当に無いから俺が小さい頃に普通に四人で買い物行ったら三姉妹に間違えられた事あったからね!?


「なるほど、快利、お前コスプレ好きだったのか……しかし私は道着くらいしか……そもそもお前のコレクションの中にそんなものは無かったではないかっ!?」


「何でそこでキレてるのっ!? ここ怒るの俺の方だからね!? エリ姉さん、その勝手に……色々と漁るの止めてよ……あと場所は変えておいたから」


「ふむ、確かに勝手に部屋に入り色々と物色したのは謝罪しよう。だが義弟の性癖を知っておくのも義姉の務めだからな。気にするな!! お姉ちゃんは何でも知っていたいんだぞ?」


 なぁ~にが『だぞ?』だ。少し可愛いから困るんだよ!!本当にエリ姉さんも母さんも天然で誘惑するから……それでトラブルに巻き込まれてるんじゃないの?とか思っている快利なのだが意外と絵梨花に隙は無い。これは義弟だけに見せる顔なのだが当然そんな事を快利は知らない。


「俺が気にするのっ!! とにかくもう止めてよ?」


「それよりも……か、ご主人様? 早く朝食の用意お願いしますね?」


 丁寧語だけどご主人様に朝ごはんの用意頼むメイドってどうなのよ?エリ姉さんや母さんと話して放っておかれたから少し拗ねてるのかな?それとも俺を助けてくれたのか?取り合えずここは乗っておく方が良いな。


「はいはい。じゃあ目玉焼きと卵焼きどっちが良い? あとユリ姉さんは今日は俺のメイドなんだから朝ごはんの用意手伝ってね?」


「えっ……うっ、分かったわよ……あんまり出来ないから期待しないでよ?」


 そう言いながら割とサラダの用意とか手際よくやってくれた。俺の方は時空魔術で早めに焼いた食パンとバターロールをすぐに食卓に並べながら目玉焼きを半熟にするために水を入れて少し様子を見つつユリ姉さんを見る。


「何よ? じゃなくて、何か御用ですか? ご主人様?」


「いや、姉さん普通に手際良いよね……明日からまた俺一人でやるのダルいなぁ……って思ってさ。よし出来た。二人とも出来たから食べよう」


 ハムエッグとインスタントのコーンポタージュを四人分用意すると完了だ。そして料理とパンを並べ終えると時空魔術と気候魔法『変動』を使って温めたままにして料理は温度を保たせていたのでそれを解除して朝食になった。


「ふむ、やはり卵は半熟に限るな!! だが明日は米が良い!!」


「快く~ん。お母さん醤油が良いから取ってくれる?」


「私はもう少し固めでも良いかな? あ、快利おかわり。おねが……あっ……」


 俺は母さんに醤油を取りつつ、エリ姉さんに了承した事を言いながらお茶碗出して来たユリ姉さんのお茶碗にご飯をよそう。実はユリ姉さんは見た目に反して割とよく食べる方だったりする。


「ありがと。ご主人様?」


「さすがに給仕はメイドさんの仕事だと思うんだけどなぁ……」


 ロールプレイングの割にいつもと変わらない朝の風景で色々悲しくなって来た。その後に着替えて俺はユリ姉さんと家を出た。エリ姉さんは意外にも付いて来るとは言わず後も付けて来ない。これは感知のスキルにも引っ掛からないから確実だ。そしてユリ姉さんも意外と照れて無くて、もしかして楽しんでるのかな?


「ではご主人様? 最初はどちらに?」


「まずは質屋。昨日の指輪を回収するから」


「あっ、そっか……じゃ、行こっか……」


 まずは昨日の質屋に向かうと少し興味もあったので今日は一緒に入店した。店主はメイドと男のペアが入って来たから最初は驚いていたようだけど、メイドが昨日の客だと分かると安心したようで話してくれた。


「えっ? 売れちゃった?」


「おう、お姉さんの質の指輪だが金の方が二つとも売れてしまってな。銀の方は残ってるぞ?」


「じゃあそれ二つ買い戻します」


 指輪二つは五万円で帰って来た。金の需要と何より無駄に純金だったせいで高かったらしい。しかしどうするか……でも同時に思った。あの金の指輪とこの銀の指輪は実は換金用の指輪で魔力も一切帯びていない普通のアクセサリーと大差無い。


「快利……ごめん。やっぱり探した方がいいよね? 顧客情報だから無理って言われたけどもう一回頼んで……」


「いいよ。売れちゃったのは仕方ないしね。それにあれ魔力もスキルもな~んも付与されてない純金の指輪だから大丈夫だよ!!」


「そうなの……でも……」


 う~ん、こうなったら仕方ないと思うんだよなぁ……でもまた姉さん落ち込んじゃってるからなぁ……ここは、ご主人様命令しかないな。


「はい、姉さん。ご主人様命令のお時間で~す!! 取り合えず俺の人生初デートの相手をしてもらいま~す!!」


「えっ? でも指輪とか本当に良いの? あと私もデートは初めてだから……その色々と困るんだけど……」


「じゃ、姉さんの初めてもいただきって事で、ほら、行くよ!!」


 俺も七年ぶりの地元だし色々楽しもう、まずは本屋から、メイドコスの姉さんの手を引いて俺は軽く周りに認識阻害の魔法をかける。エリ姉さんの時とは違って本当に周りの人間に魔法をかけたからそこまで注目されないはずだ。


「ちょっと!! そんなに引っ張らないで!! まだ慣れて無いんだからっ!! もうっ!! ご主人様ぁ~!?」


 一軒目の本屋に行くけど姉さんはお気に召さなかったようなので、すぐに行きつけに行くと言われ、付いて来たのはアニメや漫画が置いてある専門店『アニメ伊東』だった。俺も七年ぶりにラノベや漫画とかをつい見てしまう。姉さんは新刊を何冊か買ったり楽しんでいるようだ。いくら認識阻害の魔法をかけていても直接話せばバレるのでレジで店員にギョッとされたらしい。


「こう言う店でもメイドさんが来たら驚くんだね?」


「そりゃそうよ。アニメグッズ専門店でもメイドが来るなんて普通は無いから、お客もオタクしか居ないのよ? ご主人様?」


 ま、そりゃそうか、そして姉さんの購入した物をなぜかご主人様の俺が持ってるのはどうしてだろうか?荷物持ちは男の仕事でしょ?とか言って持たされたけど、俺はご主人様なんじゃ……ま、いいか。姉さん楽しそうだから。

 だから少し油断していた。認識阻害をしていても弱いものだし、メイド服と私服男子と言う普通に居たら少し痛いカップルがファストフード店デートなんて、そりゃあ目立つよな。


「あのぉ……秋山さん……ですよね?」


「ふぇ? えっ!? ど、どちら様ですかっ!?」


 姉さんが買ったばかりのラノベの最新刊を俺に見せながら熱弁するのをテキトーに聞き流しながら俺がテリヤキ味のバーガーを食べていたら、いきなり声をかけてきたのは黒縁メガネの女の人だった。


「ん? 姉さん知り合い?」


「えっ!? 弟さん? あ、私は紅井千夏って言います。秋実乃女子大の一年で、文学部です……」


「あっ、同じ学部……の人だ。初め……まして?」


 話を聞くと紅井さんは、地味モード(大学生活4日目まで)の姉さんをキャンパス内で何度か見ていて、昼休みに一人でラノベやら漫画を学食の隅っこで読んでニヤニヤしていた所を見ていたようで、声をかけようか悩んでいたらしい。その翌日には昨日のイベサー連中に捕まっていて自分とは住む世界が違うと思っていたようだ。


「頭も茶色になっちゃって、すっかり変わって大学デビュー凄いなぁって思ってたら、さっき『アニメ伊東』でメイド服でラノベ買い漁ってたんで気になって声かけちゃったんです……」


「そう、だったんだ……アハハ。大学デビューなんてロクな事無かったよ……あのイベサーとんでも無かったんだよ……。あと少しで私もヤバかったんだけど、家族に助けられて何とか無事だったんだ。あ~!! もうサークルとかこりごりよ」


 自嘲気味に笑う姉さんの頭をポンポン撫でるとパシっと叩かれる。子供扱いはされたくないようでこっちを睨む。その様子に慌てて紅井さんが少し声のトーンを落として話を続けていた。


「そ、そうですか……もし今フリーなら『秋実乃アニ研』って言う私たちが始めたサークルにお誘いしようと――「詳しくっ!! ぜひ詳しく教えて!!」


 取り合えず暴走してる姉を落ち着かせて紅井さんの話を聞いて行く俺たち二人。どうやらアニメなど二次元サブカル系を中心に活動していくサークルらしい。そして何より我が姉の心に響いた言葉があった。


「えっ!? 『コミセ』に今年、出るの!?」


「えぇ……あくまで応募して受かればの話なんですけどね……もし落ちても一般参加とかも考えてますんで」


 コミセ、『コミック・セレクション』それは俗に言う薄い本こと同人誌の国内最大の即売会で日本中、いや世界中のオタクが集まると言われるお祭り。俺でも最近はニュースとかで一日何十万人も集まるとか聞いた。そして姉さんのあの顔は凄い入りたそうにしてる顔だ……。


「姉さん? 昨日まで騙されてたんだからもう少し慎重にした方が……」


「ご主人様は黙ってて!! 私、コミセに行きたかったけど大学生になるまでは我慢してたのよ……そうよ、私が陽キャになるなんて間違ってたのよ!! お願い紅井さん!! 入れて!! そのサークル!!」


「え、え~っとぉ……良いの? それと弟さん? なんだよね? ご主人様なの?」


「そう言う特殊なプレーを姉弟きょうだい二人でやってるだけなので気にしないで下さい。それよりも、姉さんとしてはボッチ回避に今、とにかく必死なんでサークルの話よりも、まず友達になってあげてくれません?」


 過保護と言われても、ソフィーの言ってた他のサークルも狙っていると言ってた事も気にかかるし、女子大でも今回みたいに外部の人間と組んだイベサーや、他校との合コンは有るだろう、そこら辺は俺がキチンと見ないと安心出来ない。なので後日サークル参加の事は話すと言う事で店の前で紅井さんとは別れた。


「快利、じゃなくてご主人様……どうしよサークル……」


「今は取り合えずご主人様は止めて、サークルについては正直なところ様子見した方が良いと思う。あと紅井さん個人に関しては大丈夫だと思うよ?」


 実は姉さんと紅井さんが話している間に彼女一人をターゲットに『神々の視点全部丸見え』を使っていた。結果は真っ白、そして彼女の中の情報でも危ないサークルでは無いと出ていた。だけど心配だ。今までの姉の普段の行動や血筋としての残念さを考えると不安しかない。


「え? そうなの? ああ言うロングの黒髪清楚系のメガネの方が怖いのよ……そう言えば瑠実香に似てたな紅井さん……」


 瑠実香……美村瑠実香か……俺が狙われてたんだよなぁ……しかもユリ姉さんを使って、エリ姉さんに潰されたから良かったものの、黒髪ロングでメガネの人かぁ……そう言えば最近そんな人に会ったような……って!! RUKAさんも黒髪清楚じゃん!!ライブの時はメガネ外してるけど神社で会った時はメガネしてたなぁ……。


「で? この後はどうすんのよ? ご主人様?」


「う~ん……じゃあ、姉さんはどっか行きたいとこ有る?」


 俺は姉さんを見て聞いたら、忘れていたけど姉さんの方も初デートだったから、まだまだ行きたいところが有るらしいのでこのまま午後も遊ぶらしい。メイド服デート続行で~す。

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