第7章 ガンヴルインでのゲームと二人の再会
episode192 リコットについての調査結果
レグレットとの講和条約の締結がされてから二週間が経過した。
ワイバスに戻った俺達は日常に戻っていて、俺は今日もルミナの店で錬成魔法の技術向上のために商品を作成していた。
今は休憩中で、二階のリビングで休んでいるところだ。
「いやー……平和って良いねー」
ミィナがリビングでのんびりとしながらそんなことを呟く。
「ルミナさん達ももういつも通りだしね」
「そうだな」
ルミナのようなワイバートの上層部の者は後処理で慌ただしくしていたが、それも済んで既に全員が日常に戻っていた。
「うるさくなったとも言うわね」
「リーサはそんなに静かな方が良いのか? 人数的にはいつもよりも少ないぞ?」
エリサとアーミラはセインスタントの調査に行くと言って、ワイバスに戻ってからすぐにいなくなってしまったからな。人数的には普段よりも少ないので、いつもよりも静かになっていると言える。
ちなみに、アデュークは情勢の報告係としてワイバスに残っている。
「別にそういうわけじゃないわ」
「ならば、別に良いだろう? 何か問題でもあるか?」
「別に何でも無いわよ!」
それに対してリーサは逆切れ気味にそう答えた。
「何だよ……」
リーサは相変わらずだが、これもいつものことだからな。日常に戻ったことを実感させられる。
「ミィナ、リーサ、店番を代わってくれるかしら?」
と、そんな他愛のない話をしていると、店番をしていたルミナが戻って来た。
「はーい」
「分かったわ」
ミィナとリーサはすぐに店番をしに一階に向かう。
「エリュ、シオン、アデューク、ちょっと良いかしら?」
「何だ?」
「話はリメットについてよ。今良いかしら?」
「ああ、構わないぞ。それで、何か分かったのか?」
リメットについての話ということは、リコットについて何か分かったのだろうか。
ひとまず、話を聞いてみることにする。
「それも含めて本人と一緒に話をするつもりよ。とりあえず、リメットの元に向かいましょうか」
「そうだな」
リコットについての話ならリメットにも話した方が良いだろうからな。ここはリメットと合流してから話をすることにする。
「それで、リメットはシェアハウスか?」
「いえ、今は街の外にいるはずよ」
「街の外か?」
「ええ。『
「そうか」
戦闘指南をするのであれば、冒険者ギルドの演習場を使うという選択肢もあるように思えるが、あそこは基本的に冒険者でなければ使えないからな。
冒険者ギルドの演習場を使わないとなると、街の外で戦闘の演習を行うことになるのも当然と言える。
「では、行くか。ルミナさん、案内してくれるか?」
「ええ。それじゃあ行くわよ」
そして、俺達はルミナに連れられて街の外に向かった。
街の外に向かった俺達はルミナの案内で戦闘の演習を行っている場所に向かった。
「ふむ、あそこか」
戦闘の演習を行っているという場所の近くに行くと、遠くの方で椅子に座っているミリアとレーネリアがいることが確認できた。
その奥では他のメンバーが戦っているので、どうやら二人は演習の様子を見ているようだ。
「さっさと行くぞ」
アデュークはそう言って風魔法を使って大きく跳ぶと、そのひと跳びで彼女達の元に向かった。
「俺達も行くか」
「だね」
俺達も同じように風魔法を使って大きく跳んで、ひと跳びで彼女達の元に向かう。
彼女達の元に向かうと、アリナ、ステア、リメットの三人がアルフ、レビット、ルピアの三人の相手をしていた。
「皆さん、どうしたのですか?」
予告も無く現れた俺達を見て、レーネリアが何用なのかを聞いて来る。
「リメットに少し用があってな。呼んで来てくれるか?」
「分かりました。皆さん、少し良いですか?」
俺が頼むと、レーネリアは他のメンバーに呼び掛けて演習を中断させた。
「あれ、ルミナさん? どうしたの?」
俺達が来ていることに気が付いたアリナがルミナに用件を尋ねる。
「ちょっとリメットに用があってね」
「あたしか?」
「ええ。リコットについて調べられただけの情報を報告しようと思って」
「そうだったのか。早速その報告を頼めるか?」
「良いわよ。とりあえず、座りましょうか」
ルミナはそう言ってシートと机と人数分の椅子を空間魔法を使って取り出すと、シートを敷いてから机と椅子を設置した。
「そうだな」
そして、用意された椅子にそれぞれ座っていく。
「それで、何か分かったのか?」
「結論から言うと、結局大したことは分からなかったわ」
「そうか……」
それを聞いたリメットは視線を落として落胆した様子を見せる。
「とりあえず、新しく分かったことを報告するわね」
「ああ、頼む」
「リコットがガンヴルインに売られたことはもう知っているわね?」
「もちろんだ」
そのことは以前に聞いたからな。もちろん、全員が知っている。
「更なる調査の結果、彼女はランスヴェイガスの街に売られたことが分かったわ」
「ランスヴェイガスか。確か、ガンヴルイン最大の街だったよな?」
「ええ、そうよ」
ランスヴェイガスはガンヴルイン最大の街で、カジノが有名な街だったはずだ。
「ランスヴェイガスの街について詳しいことを聞いても良いか?」
カジノが有名な街であることは知っているが、あまり調べたことがなく詳しいことは知らないので、ランスヴェイガスについて詳しく聞いてみることにした。
「ええ、良いわよ。ランスヴェイガスはガンヴルイン最大の街で、カジノが有名な街よ。他の街にもカジノはあるけど、この街にあるカジノが一番大きいわね」
街の規模が国内最大なことはもちろんだが、それだけでなくカジノの規模も国内最大らしい。
「……表も裏も、な」
それを聞いたアデュークは、一言付け加えるようにしてそんな意味深なことを言う。
「……裏?」
「ランスヴェイガスには裏カジノもある」
どうやら、ランスヴェイガスには普通のカジノだけでなく、裏カジノというものもあるらしい。
「裏カジノか……やはり、違法な物が取引されているのか?」
「それもあるが、他にも違法な賭けが行われているな。一応言っておくが、表よりもレートは高いぞ」
「まあそれはそうだろうな」
裏カジノと言うぐらいだからな。訪れるのはお金のある連中だけだろうし、レートが高いのは当然だ。
「それで、リコットがランスヴェイガスの街に売られたことは分かったが、その後はどうなったんだ?」
「ランスヴェイガスにいる奴隷商人に売られたことまでは分かったけど、それ以上は分からなかったわ」
「そうか」
やはり、外部からでの調査には限界があったらしく、それ以上のことは分からなかったようだ。
「その奴隷商人についての情報は?」
「その奴隷商人は許可の無い違法な奴隷取引をしたとして捕まっているわ。今は牢の中ね」
「許可の無い違法な奴隷取引とは言うが、許可があれば奴隷取引をしても良いのか?」
ルミナはそう言うが、その言い方だと許可があれば奴隷取引をしても良いということになる。
「ガンヴルインの法であれば許可があれば取引できる。だが、それでも取引が認められているのは一部の犯罪奴隷と借金奴隷だけだ。その他の奴隷の取引は認められていない。……裏では取引されているがな」
その質問にはアデュークが答えた。
どうやら、ガンヴルインでは一部の奴隷の取引が認められているらしい。
ちなみに、ワイバートでは奴隷の取引や所持は全面的に禁止されている。
「そうか。とりあえず、その奴隷商人について調べれば何か分かりそうだな」
「そう思って調べてみたけど、流石に取引の情報までは分からなかったわね。彼を捕まえた騎士団なら何か知っているかもしれないけど、聞いても教えてはくれないでしょうし、外部から調べても目的の情報を手に入れるのは難しいでしょうね」
まあ捜査情報は機密情報になるからな。外部からの調査でそこから情報を得ることは難しいだろう。
「となると、他のところから情報を得る必要がありそうだな」
「そうね。だから、情報を持っていそうな人物を探しておいたわ」
「そうか。その人物を教えてくれるか?」
どうやら、こちらがそう言うと思って調べておいてくれたらしい。
なので、早速その人物のことを教えてもらうことにする。
「ルートヴィルという人物よ」
「何者だ?」
「ランスヴェイガスの公認の奴隷商館の支配人ね。ランスヴェイガスの奴隷取引の中核は彼が握っていると言っても過言では無いわ」
「つまり、奴隷に関して詳しい人物ということか。それならリコットについての情報を持っている可能性もあるな」
聞いた感じだと、奴隷について詳しい人物のようなので、奴隷として売られたリコットについての手掛かりが得られる可能性は十分にある。
「期待しているところで悪いけど、彼はあくまでも表側の奴隷商人だから、奴隷について詳しいとは言っても、裏で取引されている奴隷に特別詳しいわけじゃないと思うわ」
「む、そうか……」
だが、残念ながら裏で取引されている奴隷のことに関して特別詳しい人物ではないらしい。
「では、何故彼を選んだんだ?」
「彼を選んだのは単純に街のことに詳しいから裏事情にも詳しいのと、話が通じる人物だからよ」
「なるほどな」
話が通じない人物だと意味が無いからな。話が通じる相手であることは重要なポイントだ。
「他にも候補となる人物はいるから、リストにして纏めた物を後で渡すわね」
「分かった。それで、俺達にもその話を聞かせたのは、リメットに俺達を同行させるためか?」
「察しが良いわね。そうよ。あなた達にはリメットに同行してもらおうと思っているのだけど、良いかしら?」
「俺とシオンは構わないぞ。アデュークはどうだ?」
俺とシオンは問題無いが、アデュークはそうではないからな。
ひとまず、彼に行けるのかどうかを聞いてみる。
「……聞いておこう」
「それじゃあその回答は後で聞くわね。とりあえず、計画を立てるのは今日の夜にしましょうか。シェアハウスに集合で良いかしら?」
「ああ、それで良いぞ」
「あたしもそれで良いぜ」
「分かったわ。それじゃあ私は先に戻っておくわね。エリュ達は適当に戻って来ると良いわ」
そして、ルミナはそれだけ言い残すと、街に戻って行った。
「俺も戻らせてもらう」
アデュークもそれに続く。
「それじゃあ演習を再開しようか」
「そうだな」
話が終わったところでアリナ達は演習を再開する。
「ボク達はどうする?」
「戻っても特にすることは無いし、見学して行くか」
「分かったよ」
俺達は戻っても特にすることは無いからな。折角なので、演習の様子を見ていくことにした。
「ふぅ……もう日が傾いて来たし、そろそろ終わりにしようか」
「そうだな」
それからしばらく演習に付き合っていると夕方になったので、ここで演習を切り上げて帰ることにした。
「帰るのは少し休んでからで良いですか?」
だが、ルピアは演習でだいぶ疲れているようで、休んでから戻ることを提案して来た。
「俺は構わないぞ。アリナもそれで良いな?」
「うん、良いよ」
そして、アリナの賛同も得て、ここで一度休むこととなった。
ルミナが置いて行った椅子と机を取り出して、それらをシートの上に置く。
「ふぅ……疲れましたね」
「そうだね」
数時間は演習を続けていたからな。軽い休憩を入れていたとは言え、かなり疲れているようだった。
「エリュとシオンは平気?」
「俺達はそんなに参加していないからな。平気だぞ」
俺、シオン、レーネリアの三人は少し参加しただけだからな。疲れるほどのことはしていない。
「うーん……ちょっと髪が焦げましたかね?」
ルピアは自分の髪を気にしているのか、あちこち触って確認している。
「見たところ、問題は無さそうだぞ。鏡で見てみるか?」
鏡は持っているからな。希望するのであれば渡すことも可能だ。
「はい。お願いします」
「分かった」
空間魔法で鏡を取り出して、希望通りにそれをルピアに渡す。
「意外に髪は燃えないよな」
「まあ魔力強化の影響はあるからな。あの程度では普通は燃えないぞ」
一応、髪も魔力強化の影響を強く受けるからな。火魔法の攻撃を受けていたが、基本的にあの程度で燃えることはない。
「ただ、装備品の方は魔力強化の影響が小さい分、装備品へのダメージはそれなりにあるからな。装備品の点検は毎回忘れるなよ?」
だが、装備品の方はそうではないので、戦闘後の点検は忘れずに行う必要がある。
「そう言われても、点検のやり方が分からないからな……」
「ふむ、そう言えば教えてもらっていないのか」
アルフ達にそういったことは教えていないからな。機会があれば教えても良いかもしれない。
「まあ機会があれば教えてやろう。今回は俺が点検してやる」
「そうか。じゃあ頼んだぞ」
「ああ。それにしても、アリナ達も装備を変えたのだな」
こちらに来たときから思っていたが、『
「うん、ちょっとだけ良い物に変えたよ。分かる?」
「ああ。全体的に性能の良い物になっているし、スカートも魔法装備になっているな」
武器や防具がより性能の良い物になっているのに加えて、スカートも魔法装備になっていた。
見た目はそんなに変わっていないが、それなりにルミナの店で手伝いをしているので、このぐらいのことは分かる。
「それにしても、魔法装備は見た目に反して丈夫だな」
「そう言えば、お前達はあまり魔法装備を使ったことが無いのか」
アルフ達の装備は服だが、魔法装備なのでそれなりに丈夫だ。
まあそんなに優秀な装備ではないのだが、演習をするぐらいであれば耐えられる。
「まあ使い始めたのはこっちに来てからだからな」
「そうか。だが、魔法装備でない物はすぐに破けたりするので、戦闘用の物は全て魔法装備にした方が良いな」
「それはそうだろうが……あたしの装備でどこか変えた方が良いところがあるのか?」
「いや、レビットとアリナに言っている」
もっと良い装備に変えた方が良いということはあるが、その点を除けばアルフは装備を変える必要は無い。
俺が言ったのはレビットとアリナの二人に対してだ。
「……いえ、別にそんなに戦闘には影響しませんし、このままでも構いません」
「……? 何の話?」
レビットは話が分かっているようだったが、アリナは分かっていないようだった。
「……レーネリア、替えはあるのか?」
「はい、ありますよ」
そう言うと、レーネリアは空間魔法を使って二人の分のショーツを取り出した。
「っ!?」
どうやら、それを見てようやくアリナは気が付いたらしい。
そう、スカートは魔法装備なのだが、その下に穿いているショーツは普通の物なので、火魔法での攻撃で燃えて無くなってしまっていたのだ。
「レーネリア、渡して!」
「どうぞ」
アリナに言われたところで、レーネリアはすぐにアリナとレビットの二人にショーツを渡す。
「エリュはあっちを向いてて。レーネリアはエリュがこっちを見ないように見張ってて」
「そんなに警戒しなくても、見たりはしない」
俺は二人を見ないようにするために反対側を向く。
「……終わりましたよ」
「そうか」
レーネリアの報告で二人の着替えが終わったことが確認できたところで振り返る。
「……ねえ、スカートの中を見た?」
そして、振り返ったところで、アリナが頬を赤くしながらそんなことを聞いて来た。
「見ようと思って見たわけでは無い。見えただけだ」
戦闘の演習だったからな。戦闘の動きとなると風でスカートは捲れてしまうので、その際に何度も見えてしまっている。
「見てるじゃん!」
それを聞いたアリナは声を上げると、練習用の剣で俺を斬ろうとして来た。
「待て、落ち着け! レーネリアも何とか言ってくれ!」
俺が何を言っても無駄そうなので、ここはレーネリアに何とかしてもらうことにした。
「私が折檻しておきましょうか?」
「うん、お願い」
「いや、アリナを何とかして欲しいのだが?」
だが、その結果余計に面倒なことになってしまった。
「シオン、椅子なんかを持ち帰っておいてくれ。俺は先に戻っておく」
「分かったよ」
俺はすぐに風魔法で風を纏って駆けて、街の門を目指す。
「逃がしませんよ?」
だが、そう簡単に逃がしてくれるはずも無く、レーネリアはすぐに俺の後を追って来た。
そして、俺はレーネリアから逃げながら街に戻る羽目になったのだった。
その夜、俺達は予定通りにシェアハウスに集まっていた。
「エリュ、そう言えばレーネリアに追い掛けられてたけど、大丈夫だったの?」
「ああ。何とかな」
何とかレーネリアに追い付かれる前に門まで辿り着くことができたからな。
街の中で暴れるわけにはいかないからなのか、門を潜った後はそれ以上何もして来なかったので、何とか無事で済んだ。
「出たぞ」
リビングで待っていると、風呂に入っていたリメット達がリビングに戻って来た。
「早速、話を聞くぞ」
「髪を乾かしてからにしたらどうだ? それまでは待つぞ」
リメットは風呂を出たばかりで、まだ髪を乾かしていないからな。彼女が髪を乾かし終わるまでは待つことにする。
「放っておけば乾くし、別にこのままで良いぞ」
「あら、髪の手入れはちゃんとしないとダメよ? 待ってあげるから、髪を乾かしなさい」
「……分かった。ドライヤーは確かここだったか?」
リメットはルミナに言われて髪を乾かすことにしたらしく、ドライヤーを探し始めた。
「ところで、お前達はこちらでの生活には慣れたか?」
「はい。もう慣れました」
新しく加わった五人に尋ねてみるが、どうやら皆こちらでの生活にはすっかり慣れたようだった。
「それにしても、こちらには色々な魔法道具があるのですね」
「まあルミナさんもいるしな。魔法工学が発達しているし、割とこんなものだぞ」
この世界では魔法工学が発達しているので、転生前の世界における家電に相当する魔法道具もたくさんある。
なので、それなりに文明のレベルが高く、転生前の世界と比べてもネット環境やテレビに相当する物が無いぐらいだった。
ちなみに、今リメットが使っている魔力駆動式のドライヤーも、俺が考案した物ではなく元々この世界に存在していた物だ。
「準備はできたぞ」
と、そんな話をしている間にリメットは髪を乾かし終わっていた。
「そうか。ではルミナさん、話を頼めるか?」
「ええ。それじゃあリメットもそこに座ってくれるかしら?」
「ああ」
そして、リメットが髪を乾かし終わって席に着いたところで、話が始められた。
「リメットにはエリュ、シオン、アデュークの三人が同行するわ」
「スノーホワイトとフードレッドも連れて行くぞ」
今回ランスヴェイガスに向かうメンバーは俺、シオン、アデューク、リメットにスノーホワイトとフードレッドを加えた六人だ。
レーネリアぐらいなら連れて行っても良いとは思ったが、彼女には色々とあった後だからな。このメンバーで行くことにしたのだ。
「これがランスヴェイガスの地図よ。一応、別行動することも考えて全員分用意しているわ」
そう言ってルミナが取り出した物は四枚の地図だった。
一応中身を確認してみると、それらはランスヴェイガスの地図で、内容は全て同じ物だった。
(細かい内容は後で確認しておくか)
別に今確認する必要は無いので、細かい内容は後で確認しておくことにした。
俺は受け取った地図をそのまましまう。
「向こうに着いたらルートヴィルに交渉して話を聞いてみると良いわ」
「ああ、そのつもりだ」
そう簡単には情報を提供してはくれないだろうからな。交渉が必要になると思われるので、そこは俺とアデュークで何とかすることにする。
「アデュークはランスヴェイガスに行ったことがあるみたいだから、分からないことは彼に聞くと良いわ」
俺達はランスヴェイガスに行ったことが無いからな。分からないことがあったときはアデュークを頼ることにする。
「リメットは明日は朝食を終え次第、私の店に来てくれるかしら? そこで合流して出発するわ」
「分かった」
「さて、出発前に何か聞いておきたいことはあるかしら?」
「俺は特に無いぞ。リメットはどうだ?」
「あたしも無いぞ」
「そう。それじゃあ今日はこれで解散ということで良いかしら?」
「ああ」
「それで良いぜ」
「分かったわ。それじゃあ帰りましょうか」
そして、話を終えたところで、俺達はルミナの店に戻った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます