第6章 レグレットとの戦争

episode170 ワイバスへの帰還

 俺達は騎乗用の魔物に乗って空を飛んで、無事にワイバスの街に戻ることができた。


「この街に戻って来るのも一か月振りか」

「だね」


 思っていたよりも長居してしまったので、ワイバスの街に戻るのは一か月振りだ。


「とりあえず、街に入りましょうか」

「そうだな」


 ここで話をしていても仕方が無いので、ひとまず門を抜けることにした。

 騎乗用の魔物に取り付けていた器具を取り外して、それが終わったところで門に向かう。


「ルミナさんですか。お帰りなさい。そちらの大きなドラゴンの魔物はどうしたのですか?」

「こっちはエリサの連れよ」

「そうですか。それでは、身分証を確認させていただきます」

「ええ、どうぞ」


 そして、いつものように身分証を見せて検問を進めていく。


「そちらの方々は?」


 しかし、地下闘技場から連れて来た元奴隷達は身分証を持っていないので、検問を通過することができなかった。


「その子達は色々と事情があって身分証を持っていないのよ。とりあえず、仮の身分証を発行してくれるかしら?」

「分かりました。それでは皆さん、こちらへどうぞ」


 そして、元奴隷達はそのまま詰所に連れて行かれた。


「ところで、そのドラゴンもレイルーンさんのところに預けるのですか?」

「ええ、そのつもりよ」

「そうですか。ひとまず、街の中へ入ってはどうですか?」

「そうね。それじゃあ街に入りましょうか」

「ああ」


 俺達の検問は終わったので、先に街の中に入っておくことにした。ルミナを先頭にして門を潜って街に入っていく。


「それじゃあ私は魔物達をレイルーンの家に連れて行くわね」

「ええ、アルクスも一緒にお願いするわね」

「分かっているわ。あなた達、こちらに来なさい」

「キィッ!」

「グルッ!」

「グルルッ!」

「グルル……」


 そして、街に入ったところで、エリサは魔物達を連れてレイルーンの家へと向かった。


「身分証の発行はもう少し時間が掛かりそうだな」


 元奴隷達は人数が多いので、仮の身分証の発行にはまだ時間が掛かりそうだった。

 なので、その間にルミナに今後の方針を聞いておくことにした。


「ルミナさん、この後はどうする予定なんだ?」

「とりあえず、このまま様子見するつもりよ。今後どうするのかは向こうの動き次第ね」

「そうか」


 どうやら、こちらから動くつもりは無いらしく、しばらくは様子見をするつもりのようだ。


「まあいつでも動けるように準備だけはしておこう」

「ええ、お願いするわね」

「ところで、元奴隷達はどうするんだ? 流石にあの人数を店で面倒を見るのは難しいと思うが?」


 数人程度であれば問題無いだろうが、元奴隷達は二十人もいるからな。この人数だと一度に全員の面倒を見るのは難しい。


「彼らには住める物件を探してあげる予定よ。ただ、流石に今日中には用意できないから、今日は店に泊めてあげるわ」

「大丈夫なのか?」

「一部屋に四、五人で泊まれば良いだけだから大丈夫よ」

「それはそうだが……」


 確かに、部屋数的には泊まることはできるが、食事の準備など色々と手間が掛かる。


「まあ短期間なら大丈夫か」


 とは言え、短期間であれば無理をせずとも面倒を見ることは可能なので、少しの間彼らの面倒を見ることにした。


「仮の身分証の発行が終わったみたいね」


 と、そんな話をしている間に仮の身分証の発行が終わって、こちらに合流して来ていた。


「全員揃っているな。では、早速、店に向かうか」


 そして、元奴隷達が合流したところで、ルミナの店に向かった。






 ルミナの店に着いたところで裏口から中に入り、そのまま二階に向かった。


「みんな、お帰りなさい!」


 二階に上がったところで、ミィナに迎えられる。


「私がいない間、店は大丈夫だった?」

「はい。特に問題は起きませんでしたし、大丈夫でしたよ」

「そう。夕食の準備はできているかしら?」

「はい、見ての通りちょうど準備できましたよ!」


 食卓にはテーブルと椅子が追加されていて、全員で食事ができるようになっていた。

 どうやら、到着する時間に合わせてミィナとリーサが準備しておいてくれたようだ。


「それじゃあ夕食にしましょうか。みんな、席に着いて。どこでも好きなところに座ると良いわ」

「ああ」


 そして、ルミナに促されたところで、俺は食卓に着いた。


「良いのですか? こんなにいただいてしまっても?」


 だが、遠慮しているのか、ここでルピアがルミナにそんなことを尋ねた。


「あら、今更そんなことを聞くの? 遠慮は要らないわ。好きなだけ食べなさい」

「でも、私達はお世話になっているばかりで何もしていませんし、こんなに豪華な料理をいただくわけには……」

「あなた達は商会の護衛をしてくれたじゃない。それで十分よ」

「たったそれだけで良いのですか? 割に合いませんし、悪いです」

「……ルピア、諦めろ。ルミナさんのことだ。対価の問題では無い」


 ルミナのことだからな。彼女の性格的に遠慮するだけ無駄だ。


「それもそうですね」


 そう聞いてルピアは納得して諦めてくれたようだ。


「足りなそうなら追加で作るか出前を頼むから、そこは心配しなくて良いわ。それじゃあいただきましょうか」

「ああ」


 そして、全員が席に着いたところで、夕食に手を付けた。


「レーネリア、向こうではどうしてたの?」


 アリナが自分の分を取り分けながら、レーネリアに霧の領域の基地にいたときの様子を尋ねる。


「軽く修行をしていました」

「修行? どんなことをしたの?」

「模擬戦をしたり、付き添ってもらった上で実戦をしたりしていました」


 どうやら、レーネリアはただのんびりしていただけではなく、修行をして腕を磨いていたようだ。


「そうだったんだ。って言うか、模擬戦なんてよくできたね。レーネリアは強いから、私達だとまともな戦闘にすらならないのに」

「はい。お強い方ばかりでしたので」


 確かにレーネリアは強いが、霧の領域の基地に住んでいるメンバーもかなり強いからな。彼らであれば問題無く相手することができる。


「誰に相手してもらったんだ?」

「フィルレーネに相手をしてもらいました」

「フィルレーネが? 珍しいな」


 フィルレーネはいつもだらけていて、基本的に面倒なことはしないからな。彼女が協力するのは珍しい。


「そうなのですか?」

「いつもだらけていて、非協力的だからな。少なくとも、俺は積極的に協力するところを見たことが無いな」

「確かにだらけてはいますが、模擬戦には協力的でしたよ?」

「……エリサ、これはどうなんだ?」


 俺にはどういうことなのか分からないので、ここは付き合いの長いエリサに聞いてみる。


「単に気に入られただけだと思うわ」

「そうか」


 つまり、ただの気紛れだったということか。


「エリュは誰に修行をしてもらったのですか?」

「フェルメットだ」

「フェルメット……?」

「む? 彼女のことを知らないのか?」


 その反応から察するに、レーネリアはフェルメットのことを知らないようだった。


「フェルメットはレーネリアが向こうに行く少し前に、ルーメインに向かったからいないわよ」

「ルーメインに?」

「ええ、そうよ」


 ルーメインはレグレットから数えて二つ南にある国だったはずだ。場所的には霧の領域に影響を及ぼすような国では無いし、あまり用があるようには思えない。


「何をしに行ったんだ?」

「そこまでは聞いていないわ」

「そうか」


 何をしに行ったのかが少々気になるところだが、考えたところで答えは出て来ないので、この話はもう終わることにした。


「本当はセインスタントの調査を進めておこうと思ったのだけど、どちらにせよ彼女は潜入調査に向いていないから問題は無いわね」

「そうか」


 セインスタントはノースレイヴの北にある山脈よりも北側にある国で、神の信仰がされている国だったはずだ。

 その調査の目的は分からないが、必要になれば話してくれるだろうし、今は気にしないことにする。


「ところで、イヴリアはどうだったんだ?」

「私も模擬戦に参加しましたよ」

「そうか。どうだった?」

「私も戦闘には自信があったのですが、手も足も出ませんでした」

「そこまでだったのか」


 イヴリアはルートライア家の直属の戦闘部隊である『護邸近衛団バトルサーヴァント』のリーダーを務めていたぐらいなので、それなりに実力はあるはずだが、それでも手も足も出ないほどに実力差があったらしい。


「そう言えば、あなたはフィルレーネが戦うところを見たことが無かったわね」

「まあそうだな」


 フィルレーネが高い戦闘能力を持っていることは分かるのだが、彼女が戦うところを直接見たことが無いので、その実力がどの程度なのかまでは分からない。


「彼女はああ見えて相当強いわよ? 本気でやり合ったことは無いから確実なことは言えないけど、私達の中で一番強いかもしれないぐらいよ」

「そんなに強かったのか」


 強いことは分かっていたが、まさかそこまでだったとはな。


「ええ。特異的な魔力を持っているっていうのもあるけど、それを抜きにしてもかなりの実力よ」

「……特異的な魔力?」

「あら、そんなに気になるのかしら?」

「まあそこまで言われるとな」


 そこまで言われると普通に気になると言うか、気にならないわけがない。


「エリサ、それ取ってー」


 だが、ここで空気を読まないアーミラがこちらにある料理を取るよう要求して来た。


「ええ、どうぞ」

「こっちもお願ーい」

「分かったわ」


 そして、エリサはそのままそちら側に回ってしまった。


(このことは聞けるときに聞けば良いか)


 今は聞けそうに無いし、急を要することでも無いので、またの機会に聞くことにした。

 そして、その後は久々の大人数での夕食を楽しんだ。






 その夜、入浴を終えた俺は元奴隷達を泊めるために部屋に布団を敷いていた。


「これで良いか」


 この部屋に泊まるのはアルフ、レビット、ルピアの三人なので、床に三人分の布団を敷いた。


「エリュー、戻ったよー」

「あたし達もいるぜ」


 と、ちょうど布団を敷き終わったところで入浴を終えたシオンが戻って来た。

 この部屋に泊まるアルフ、レビット、ルピアも一緒だ。


「悪いな、床で。明日には手配できるそうなので、今日は我慢してくれ」

「いえ、泊めてもらえるだけでありがたいです。と言うか、手配が早いですね」


 俺達は今日の夕方に戻って来たばかりなので、ルピアの言うように明日には住めるように手配できるのは非常に手際が良い。


「まあルミナさんはこの街の中でも影響力の強い有数な人物だからな。それも難しくはないのではないか?」


 ルミナはこの国の中でも有数な人物で、その影響力は強く、王族にも口を出せるほどだ。

 なので、そんな彼女であればそれも難しくないように思える。


「そんなに凄い方だったのですね」

「まあな。では、俺は適当に過ごしておくので、寝たくなったら言ってくれ」


 まだ寝るには早いので、本を読んで勉強でもすることにした。

 魔法に関しての本を手に取って、そのままベッドに向かう。


「それは魔法に関しての本ですか?」


 ルピアはこの本に興味があったのか、そんなことを尋ねて来た。


「そうだが、残念ながらこの本はお前達にはまだ早いな」


 この本はかなり難しい内容になっているからな。魔法に関しての知識が少ない彼女達にはまだ早い。


「まあルミナさんに言えばお前達のレベルに合った本を貸してくれると思うぞ? 明日聞いてみたらどうだ?」

「そうさせていただきます」

「ところで、この部屋にはベッドが一つしか無いが、エリュ達はどうしてるんだ?」


 ここでベッドが一つしか無いことが気になったのか、アルフがそんなことを尋ねて来た。


「普通に一緒に寝てるけど?」


 その質問にはシオンが答えた。


「一緒にって……その……あれか?」

「いや、嫌らしいことは何も無いぞ? 普通に寝ているだけだ」


 何やら勘違いをしているようなので、一言そう付け加えておく。


「もしかして……えいっ!」

「おわっ!?」


 ここで突然シオンがそう言ってベッドに飛び乗って来る。


「この場所は譲らないよ!」


 どうやら、シオンは俺の隣を取られたくなかったらしい。


「いや、その気は無いと思うぞ?」

「いーや、誘惑して奪い取るつもりだよ! えいっ!」


 そう言うと、今度はアルフに向かって飛び掛かった。


「おわっ!?」

「この胸で誘惑しようとしてるでしょ!」


 そして、彼女の服の下側から手を入れて、その胸を揉みしだいた。


「おい、止めろって!」

「ボクよりも大きいからってエリュは渡さないよ!」

「……静かにしてくれないか?」


 あまりうるさいと集中できないので、少し静かにするように頼んでみる。


「えー……折角、集まってるんだし、ちょっとぐらい良いじゃん!」

「こんなところでパジャマパーティーでもするつもりか?」

「ダメなの?」

「……するなとは言わないが、あまり騒ぐな。分かったか?」


 あまりうるさくなければ問題無いし、ダメだと言うと反発して面倒なことになりそうなので、ここは許可することにした。


「分かったよ。それじゃあ……えいっ!」

「おわっ!?」

「うわっ!?」

「きゃっ!?」


 そして、俺が許可すると、シオンは三人を纏めて押し倒した。


「三人ともボクより発育が良いよね! ちょっと分けてよー!」

「んなこと言われても無理だって! そんなに触るな!」

「そんなに触らないでくださーい!」

「おい、いちゃつき過ぎだしうるさいぞ」


 あまり騒ぐなと言ったはずだが、シオンはその気が無いのか三人と戯れ始めた。


「ほら、見えそうになっているだろう。離れろ」


 アルフは上の服が捲れ上がって胸が見えそうになっているし、レビットとルピアはワンピースが捲れ上がってショーツが丸出しになっていた。

 仕方無く本を置いてからベッドから出て、すぐにシオンを引き剥がす。


「むぅ……折角、遊んでたのに」

「遊び方を考えろ。うるさいし、色々と見えそうになっているから止めろ」


 このままだと読書に集中できないし、他の部屋のメンバーにも迷惑が掛かりそうだからな。もっと静かにするように注意する。


「……どうした、アルフ?」


 ここでアルフが何かを気にした様子でこちらを見ていた。

 なので、少しそのことを聞いてみることにする。


「……そんなに気になるのか?」


 アルフはそう言ってこちらに近付くと、その胸元を見せ付けるかのように腰を曲げて、上目でこちらを見て来た。


「いや、別にそういうわけではないぞ?」

「エリュ達には世話になったし、望むのなら受け入れるぞ?」

「……そういうのは対価としてやるのではなく、やっても良いと思った相手とやれ」


 そもそもの話をすると、俺は別に対価を求めてはいないからな。ここはきっちりと断っておくことにする。


「それなら……えいっ!」


 だが、ここでシオンが後ろから近付いて、アルフのパンツをショーツごとばっと下ろした。


「ちょっ……何をする!?」

「シオン、何をしている!?」

「え? だってやりたがってたから……」

「だからって、いきなりは止めろ!」

「……いや、そういう問題なのか?」


 どう考えても、許可の有無に関わらずにやってはいけないことだと思うのだが。


「だったらお返しだ!」

「うわっと!?」


 下を脱がされたアルフはシオンに飛び付いて、先程のお返しに彼女のパンツをショーツごとばっと下ろした。


「むぅ、やったな。えいっ!」


 シオンはさらにそれに対抗して、今度は上も脱がそうとする。


「アルフ、協力します」


 だが、ここでレビットが後方からシオンに抱き付いて、それを妨害した。


「助かる。おらっ! これでどうだ!」


 レビットの協力を得たアルフは一転して攻勢に移り、シオンの上の服を脱がそうとした。


「わー! 二対一はずるいよ! ……隙ありっ!」

「うわっ!?」


 ここでシオンは一瞬の隙を突いて、レビットの寝巻用のワンピースの左胸のあたりを掴むと、そのまま強く引っ張った。

 すると、服を二分するように真ん中から縦に破けて、左胸が丸出しになってしまった。


「お前達、いい加減に……」

「あなた達、騒がしいわよ」


 俺が注意しようとしたそのとき、ルミナが扉を勢い良く開けて部屋に入って来た。


「随分と盛り上がっているようね?」

「「「…………」」」


 騒いでいた三人はルミナの登場で動きを止めて、萎縮して静かになる。


「……ルミナさん、注意してやってくれるか?」

「ええ、分かっているわ。三人ともそこに座りなさい」


 ルミナに言われて三人はそのまま指定された場所に正座した。

 ひとまず、俺はその様子をベッドに腰掛けて眺めることにする。


「って、隠せよ……」


 レビットは隠す気が無いのか、破けた部分が捲れて胸が見えてしまっているし、シオンとアルフは穿き直せば良いのに、下が脱げて丸出しになった状態のまま座っている。

 だが、ルミナはそれを気に留めることも無く話を続けた。


「別に遊ぶなとは言わないわ。あなた達は運動能力が高いのだから、怪我をしないように気を付けなさい。分かったわね?」

「はーい……」

「それじゃあ音が漏れないように結界を張っておくから、私はもう行くわね」


 そして、音を遮断する風魔法による結界を張ると、そのまま部屋を出て行こうとした。


「……って、ルミナさん!」

「何かしら?」


 呼び止めると、ルミナはこちらに来て俺の隣に腰掛けた。


「止めないのか?」

「ええ。別に問題があるわけじゃないし、止める理由が無いわ」

「いや、問題しか無いのだが?」

「楽しそうだから良いじゃない。今まで遊ぶ機会も無かったのでしょうし、少しぐらいは遊ばせてあげたらどう?」


 まあ今までは遊ぶ機会も無く、遊んで来なかったことは確かだからな。その言い分は分からなくもない。


「それはそうかもしれないが、俺がいる前でこれはどうなんだ?」

「ほら、ルピアもだよ!」

「うわっ!? なんで私までー!?」


 ここで彼女達に視線を移すと、ルピアがシオンに襲われてショーツを奪い取られていた。


「別にあなたが困るわけでもないでしょう?」

「いや、普通に困るのだが?」

「何が困るのかしら?」

「……わざわざ言わせるのか? 普通に目のやり場に困る」


 俺のことを一切気に掛けずにじゃれ合っているので、普通に見えてはいけないところが見えてしまっていて、目のやり場に困る。


「本人達は気にしていないみたいだし、別に良いんじゃないかしら?」

「……そうか?」

「何なら、あなたも参加したらどうかしら?」

「いや、どう考えても事案になるだろ」


 そんなことをして見られたら色々と面倒なことになりそうだからな。

 もちろん、それは止めておくことにする。


「本人の合意があるのだし、それは大丈夫だと思うけど?」

「それでも止めておく」

「あら、面白くないわね。まあ良いわ。それじゃあ私はもう行くわね」

「俺も行く。こんなところでは読書もできそうに無いからな」


 こんなに騒がしいと読書できそうに無いからな。静かになるまでこの部屋を出ておくことにした。


 そして、本を持って部屋を出てリビングに向かい、魔法に関しての本を読んで時間を潰した。

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