15話 プロテクト①
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師匠に無属性魔法についてやるぞと言われ、喜んだ僕だが、よく考えたらアリス博士からもらった古代文字で書かれた紙を解読するところからだと思い出した。
古代文字をさっさと解読して、魔法の練習をしたいのに、古代文字はまだ分かっていないことが多いので、先はまだ長いと思った。
師匠の部屋に行くと、師匠は準備万端といった表情でこちらを見てきた。
「どうしたんですか、師匠。」
僕はまさかもう解読したなんてと思いながら、決め顔をしている師匠に聞いた。
「どうしたって、もちろん解読したんじゃよ。一部じゃがな。でもこれで、お前さんは無属性魔法の一部が使えるようになるんじゃ。」
「それって、どういうことですか?」
僕は一部を解読しただけで、無属性魔法が使えるようになるのか不思議に思って、師匠に聞いた。
「どうって、呪文の部分だけ解読したからのう。とりあえず使ってみないと、よく分からんのじゃ。」
そう言った師匠だが、しれっと呪文の部分を解読していることに僕は驚いた。
「まぁ出来るか分からんが、とりあえず使ってみなさいな。」
そう言って、師匠から魔法の訳が書かれた紙を受け取った。
そこには、「プロテクト」と書かれていた。
プロテクトとは何か分からなかったが、とりあえず唱えてみた。
「プロテクト。」
僕がそう唱えると、自分の目の前に半透明の板が出てきた。
「どうやら、成功したようじゃな。」
師匠はよかったよかったと言いながら、機械をいじり始めた。
「師匠、何をするんですか?」
「何って、もちろん強度を測るんじゃよ。実戦でいきなり使うのはさすがに私も嫌じゃし、お前さんも嫌じゃろう。」
師匠にそう言われて、たしかに実戦でいきなり使うのは嫌だと思った。
しかし、さっきからずっと魔法を維持しているが、自分の魔力は発動する時に少し減っただけで発動後は減っていない感覚があった。
そう考えていたら、師匠の準備が終わったようで、その板をここに置いてくれと言われた。
「今から強度を測るんじゃが、光魔法の結界だと大体1000kgくらいが限界じゃ。最初は100kgくらいいけばいい方じゃと思うぞい。」
師匠はそう言って測定し始めたが、数値は100を超え、200を超え、ついには1000まで超えてしまった。
これには流石の師匠も驚いたようで、目をぱちぱちとさせていた。
結局、数値は1800ほどで止まってしまったが、師匠はこれが古代魔法か。どうしたら、こんなことになるんだ。とぶつぶつ呟いていた。
師匠、違うんです...無属性魔法はただの古代魔法じゃないんです...
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後書き
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