エピローグ
ひよりが同窓会から帰宅し、何か月か経ったよく晴れた休日。
ネットサーフィンをしていた夫が、驚きの声をあげた。
「うわー! ついに、タイムマシンが現実味を帯びてきたぞ。アメリカとスイスとロシアが共同で開発していた何かの装置によって、未来に行ける可能性が証明されたらしい。なんでも今年になって証明されたそれは、三十年前の実験の偶然が、もたらした成果なんだってさ」
「そうなんだ……。ところで、タイムマシンって行ったり来たり出来るものなの?」
「いや。それを目指してはいるんだろうけど、色んな矛盾が出て来てしまうからね。それというのも……」
話続ける夫の声を遠くに聞きながら、ひよりは確信していた。
あれは、きっと司だ。
だって、言ったじゃない?
『帰れなくなったんです』
胸の痛みは甘く、喉が締め付けられる。
約束を守るため……。
初恋は、あたしだけじゃなかった。
そうだよね、司。
タイムマシン 石濱ウミ @ashika21
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