37F 神喰い 4
「何故に充電器⁉︎ 『神喰い』の情報収集とか他にもっとやる事ありますぞ⁉︎」
「はぁ? だってあれ魚じゃんね。電気使えんなら感電死安定じゃね?」
「ああそういう……」
ちゃんと考えての発言なのね。ごめんよ。確かに充電器を作れれば電気を扱える。
「ねえ、さっきから魚魚言ってるけどさ、それなに?」
ただ
ギャル氏は目を瞬いて暖炉へ振り返ると、気怠げな目元を歪めているダルちゃんと見つめ合う。
「魚は魚だってダルちぃ。ソレガシと初めてこの世界に来た時にさ、河の中からざばーって」
「これが?」
「それが」
魔物図鑑の
ダルちゃんはそれを聞けば僅かに目を細め、咥えていた
「……なるほど、前に逃した個体じゃないわけだ。その子供かな? いい知らせだよおたくら。相手はまだ成熟し切ってない。付け入る隙はありそうだ」
「マ?」
「超絶マジだよ。
叩き落とすのかアレを。河の中にいた時点で相当大きかったのに、成熟した今ってもっと大きいんじゃないの? だいたい飛ぶって充電器用いて感電死作戦がもうご破算なんですけど? しかも誰が叩き落とすの?
「なに見てんし?」
ギャル氏でも蹴り落とすの難しいんじゃないの? 今でこそ、眷属の力を使えば人外地味た動きなのに、蹴り落とせたらいよいよ化物の領域に踏み入っている。
「ダルちゃん、弱点などは?」
「鱗が硬いから並の攻撃は通らないよ。流れを読むから速度の遅い攻撃も厳しいかな。弱点があるとしたら、成熟体になっても残ってる
魔法使い族だからか知らないが、ダルちゃんの知識量は馬鹿にならない。問えば必ず知りたい事を教えてくれはする。
「つまり……成熟し切ってないところを狙って、一度大地に叩き落とし、鈍ったところを
「なにソレガシ、いいアイデア浮かんだ?」
「落ち着かれよせっかち大魔神」
そんな湯水の如くアイデアが湧き出してくれば苦労はしない。ただ方針は詰め込めた。後はそれを形にしてやればいい訳だ。必要なのは、
「ダルちゃん、もし街が壊れるとしたらどの程度まで許容範囲なのですかな? 城壁内に侵入されたらもう詰みだったり」
「最悪神さえ無事ならどうにかなるよ。最終防衛ラインを定めたいなら、聖堂かな。そこまで踏み込まれたら神同士の激突になって街は気にしてられない」
つまり聖堂に突っ込まれるまでならある程度街の損害は無視していい訳だ。それに聖堂を目指して進むのであれば、最初の観測地点から進行経路を予測する事もできるだろう。
「……ジャギン殿、
「ソレは構わないガ……何をする気だソレガシ。冒険者として仕事を受けるなら止めるような事はしたくナイガ、可愛い後輩の無謀を許容はできかねるゾ」
「心配してくれるのは嬉しいですが先輩、それ以上に問題は防衛の際にどこに配置されるのかと、改造が間に合うかですぞ。雇われである以上
ため息を吐き、暖炉の前の床に軽くバラされ転がっている
ジャギン殿やクフ殿に改造して貰えれば一番なのだろうが、ユニットを購入しようが、己の
つまり全ては
「さて……まずは、充電器をさっさと完成させるとしましょうかな」
「その意気だしソレガシ!スマホ復活すれば目ぇ付けてた
ギャル氏依頼受けた一番の理由それじゃないだろうなッ⁉︎ 台無しだよこの野郎ッ‼︎
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