二、 魔書
燈火は
「初めてここに参りましたのは、七歳の時でございました。
宦官を新たに
男のものではない
「ご存知の通り、『
しかしながら、子を
廟におわす女神様の御力を父が知っておりましたのは、
かしゃかしゃ、と、金属の
いかな迷妄俗信にもとづくものか、廟の土壁を
「
ございましたが、それほどの苦しみが、半刻と
切り落とされた部位の感覚が残留するという現象は、西洋医学でも知られている事実で、そう不可思議なことではない。
そう告げても、相手は気にする風もなく
「更に、
邪淫の妄想が
男を
「父の申しておりました、女神様の
男の根を断ち切った傷は、その夕刻を待たずして、ほぼ
いつの間に奥へと
老宦官の老いた目と脚をとを案じて、そして、一人取り残されることを恐れて、私は声の元へと歩を進める。
「傷が早々に
母と兄弟たちを戸外に締め出し、私と二人きりになると、
何ゆえに、あの
「卑賤の身にありながら、父は
また、屋内にてさえも風雨に打たれる、
――
胸中を射抜いたような物言いに、思わず足が止まる。
「なんとなれば、
かの書の一つなりともが、
それらは人の
儒学が怪力乱神と
不意に、ばたばたと翼の鳴る音が外から吹き込む。
ただ、崩れかけた扉が夜風にはためいていた、それだけの事である。
老宦官は気にする風もなく、詩吟するがごとくに、ただただ声を流しゆく。
「図像と詩文に隠して、後の世に
三国時代の覇者たる
漢末に人心を大いに
そして ―― 何よりも、女神様の最初の祭主であった「
父に強いられながら読み進める
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