侵略者を撃つな! 99
寒川隊員も双眼鏡で浮上中の10人を見てます。その中には寒川隊員がよく知ってる顔もありました。変装してないユラン岡崎です。寒川隊員はぽつり。
寒川隊員も双眼鏡で10人を見てます。その中には寒川隊員がよく知ってる顔もありました。変装してないユラン岡崎です。寒川隊員はぽつり。
「ユランさん・・・」
と、ここで1つの人影が針葉樹林の上にこつ然と現れました。人影は10人に突っ込んでいきます。
「うおーっ!」
隊長はその人影を見て、びっくり。
「す、すみれ?」
そう、その人影はメガヒューマノイドに変身したすみれ隊員だったのです。
すみれ隊員はサングラスの男性(公安7課の捜査員)が提示した写真の5人の中に犯人がいると思い、5人全員殺す気でここに来ました。けど、今眼の前にいるリンドブルム星人は10人。こうなると犯人の可能性は8人になります。しかも公安7課がアリバイを証明した2人の顔は知りません。すみれ隊員の頭は一気に混乱状態におちいりました。
「じゅ、10人?・・・ 誰が犯人なの?・・・ くっ!」
こうなったら10人全員射殺しないと・・・ すみれ隊員はレーザーガンを一番手前にいたリンドブルム星人に向けました。
「死ねーっ!」
ターゲットにされたリンドブルム星人の顔がひきつります。
「や、やめろーっ!」
寒川隊員が叫びます。
「やめるんだ、すみれーっ!」
すみれ隊員の
「ダメーっ!」
発射された光弾は、リンドブルム星人とリンドブルム星人の間をすり抜けていきました。
すみれ隊員に抱き付いた人影は日向隊員でした。隊長はそれを見て、
「ひ、日向?」
すみれ隊員はもがきます。
「くそーっ、離せ!」
すみれ隊員は激しくきりもみ飛行。すみれ隊員の両耳は義耳。三半規管も人工のもので、平衡感覚は常人をはるかに超えてました。
一方日向隊員の三半規管は元からあるもの。平衡感覚は常人と同じ。日向隊員は眼を廻してしまいました。
「うわっ・・・」
日向隊員は手を離してしまいました。
「あ、ああ・・・」
日向隊員の眼にフェアウェイの芝生が近づいてきました。悲鳴をあげる日向隊員。
「うわーっ!」
日向隊員の身体が芝生に激突、の寸前、背中のエアジェットエンジンが点火。カーブを描いて急上昇しました。日向隊員は地面に振り返り、
「ふー、やばかったあ・・・」
が、背後からすみれ隊員がつま先を下に猛スピードで突っ込んできてました。
「遅いんだよ、こののろまーっ!」
すみれ隊員は日向隊員の後頭部にキック。日向隊員は思わず悲鳴をあげます。
「ぐはっ・・・」
日向隊員の首は胴体からすっ飛んでしまい、フェアウェイの芝生を転がりました。また、首をうしなった胴体は、フェアウェイに激突。それを見て隊長があせります。
「日向ーっ!」
寒川隊員も唖然。仲間になったばかりの日向隊員をすみれ隊員が惨殺した・・・
いや、日向隊員の首は過度な負荷がかかると自動的にはずれる仕組みになってます。まだ生きてる可能性が十分あるのですが、寒川隊員は日向隊員の首がはずれることを知りませんでした。
宇宙船が複数の光線を発射。空中のすみれ隊員はその光線を巧みに避けます。
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