神の国を侵略した龍 16
それからしばらくして、女医さんは外来患者を診察してました。と、突然診療所が大きく揺れました。
「なんだなんだ? 地震か?」
女医さんが外に出ると、怪獣が上空を旋回してました。あの女が怪獣に変身したのです。怪獣は女医さんを見てつぶやきました。
「ありがとう」
女医さんもつぶやきました。
「せっかく助けてやったたんだ。粗末にするなよ、命を」
一方こちらは大病院の病室の女神隊員です。女神隊員は今テレストリアルガードの隊員服を着てます。隊員服を着終わると、フルフェイスのヘルメットを被りました。実は女神隊員は、たった今医師から退院許可が出たばかり。そのせいでうきうきわくわく状態なのです。
と、突然備え付けの固定電話が鳴りました。女神隊員は慌ててその電話に出ました。
「はい、もしもし・・・ ええ?」
ここはテレストリアルガード基地サブオペレーションルーム。橋本隊員が固定電話に出ています。
「悪いが、迎えに行けなくなった。例の怪獣がまた出たんだ」
「え・・・ どこに出たんですか?」
「言えないな。あんた、テレポーテーションで来るだろ」
女神隊員は心の中で「ちぇっ」とつぶやきました。
再びサブオペレーションルーム。橋本隊員が電話を切りました。そして後ろに並んでいる倉見隊員・寒川隊員・上溝隊員に命令しました。
「よし、お前ら、行くぞ!」
「はい!」
テレストリアルガード基地の格納庫の前の滑走路。今ストーク号とヘロン号が垂直に浮上しました。ストーク号のコックピットには寒川隊員と上溝隊員、ヘロン号には橋本隊員と倉見隊員が座ってます。今日は隊長がまだ入院中なので、上溝隊員が隊長のシートに座ってました。
ストーク号はいつもは積んでないジェイダム爆弾とバンカーバスターを満載してます。ヘロン号は機動性を優先していつもは半分しかミサイルを積んでないのですが、こちらもミサイルを満載してます。
ヘロン号のコックピットに座ってるシールドとマスクをしている橋本隊員が命令です。
「よーし、ジャンプ!」
「了解!」
ストーク号とヘロン号がふっと消えました。
一方女神隊員ですが、病室でヘルメットをかぶったまま、ノートパソコンであの掲示板を見ています。
「今怪獣が通り過ぎて行った」
「すごい風圧だったよ@佐川市」
女神隊員はそれを読んで、
「佐川市?」
女神隊員は今度はノートパソコンで地図を広げました。
「佐川市はここかあ・・・」
女神隊員はテレポーテーションを使う気になりました。けど、ちょっとためらいがありました。実は女神隊員は以前脳震とうを起こしたとき、それからしばらくはテレポーテーションができなくなったことがあったのです。正確にはテレポーテーション自体はできたのですが、テレポーテーションの先でひどい頭痛に襲われたのです。今佐川市にテレポーテーションしたら、またあの頭痛が襲ってくるような・・・
女神隊員は熟考し、とりあえず1回だけテレポーテーションを試してみることにしました。
女神隊員は覚悟を決めると、部屋の隅に掛けてある魔女の
「行ってくるね」
次の瞬間女神隊員の姿は、ふっと消えました。
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