宇宙人受難之碑 6
さらにもっと驚くべき死体の写真が出てきました。巨大な眼が1つしかない死体です。
「うわ~ なんだよ、これ! 単眼? やつら、こんなキモい顔してんのかよ!」
ブサメンはニャッと笑い、
「よーし!」
ブサメンはその写真の上で右クリック。新たに開いたチェックボックスの「名前をつけて画像を保存」の上でクリック。これで自分のパソコンにその画像を取り込んでしまいました。この画像だけではありません。ここで発見した宇宙人の死体と思われる写真をすべて取り込んでしまったのです。
ブサメンは笑いました。とても気持ちの悪い笑いです。
「えへへへ、拡散してやるぞっ! 拡散! 拡散ーっ!
これでやつらがキモいエイリアンだったことが日本中にバレるぞ! ざまーみろ! がーはははは~っ!」
翌日の昼の時間です。ここはテレストリアルガードのサブオペレーションルーム。今皿に盛られたワラビのおひたしが、上溝隊員の手によって運ばれてきました。
「はーい、ワラビのおひたしですよ~」
女神隊員は仕出のお弁当を食べてましたが、その目の前にワラビのおひたしがどーんと置かれました。
「あはは、またこれですか?」
「たくさん採ってきたからねぇ、あと10日は出てくるわよ」
「あははは・・・」
女神隊員は苦笑するしかありませんでした。なお、女神隊員の頭部ですが、今はウィッグだけで特徴的な単眼を隠してました。
この部屋には今もう1人います。海老名隊員です。海老名隊員は別のテーブルでノートパソコンでインターネットをやってます。その手元には仕出のお弁当がありますが、インターネットに夢中らしく、まったく手をつけてません。上溝隊員はその海老名隊員を見て、
「えびちゃん、あなたもワラビ、食べる?」
「あ~ いらないですよ」
「あなたが採ってきたワラビよ」
けど、海老名隊員からの返事はありません。上溝隊員は呆れてます。
「も~」
インターネットを見ていた海老名隊員ですが、あるページを開いた途端、はっとしました。かなり強いショックを受けたようです。そして首をぎーっと廻し、女神隊員を見ました。女神隊員は上溝隊員とお弁当を食べながら談笑しています。もしこの状態で自分を見たら、手元のノートパソコンの画面を見てしまいます。海老名隊員は反射的にノートパソコンを閉じました。
ここで引き分けの自動ドアが開いて、隊長が現れました。
「ただいま~」
さらに橋本隊員・倉見隊員・寒川隊員もサブオペレーションルームに入ってきました。上溝隊員はこの4人を見て、
「おかえりなさい。お弁当の用意、できてますよ」
と、海老名隊員が隊長の前に立ちはだかりました。小脇にはノートパソコンがあります。
「隊長、ちょっと・・・」
海老名隊員には珍しく、かなりの真顔です。隊長はそれを見て、何か不穏なものを感じました。
海老名隊員は隣室のオペレーションルームに入りました。隊長もそれに続きました。海老名隊員が壁に付いてるボタンを押すと、引き分けの自動ドアが閉じました。上溝隊員はそれに気づき、はっとしました。上溝隊員だけではありません。橋本隊員・倉見隊員・寒川隊員も眉間にしわを寄せました。そのただならぬ雰囲気に、女神隊員も何かを感じたようです。
実はオペレーションルームとサブオペレーションルームの間の扉は、今の隊長の方針で常時開けっ放しになってました。この扉が閉まったということは、何か重大な話し合いをしてるということ。5人の視線は扉に集中しました。
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