女神の一番長い日 5
ベテランの隊員は、
「隊長、撃たせてください!」
と、訴えます。しかし、隊長は、
「まあ、もうちょっと待て!」
と、再び2人を制しました。隊長は再び一つ眼の宇宙人に話しかけました。
「我々はあなたに敵対する意志はない。頼む、おとなしくしてくれないか?」
それに対する宇宙人の応えは激怒でした。
「ふざけんなーっ!」
一つ眼の宇宙人は両腕をL字に曲げ、両ひじを脇に付けました。その両手にそれぞれ違う色の光のエネルギーが集まっていきます。ヘロン号の若手隊員はそれを見て、
「な、何をする気だ?」
ストーク号の隊長は横にいる一般隊員に命令です。
「ショートジャンプ、スタンバイ!」
「了解!」
一つ眼の宇宙人はエネルギーを溜めた両手を真っ直ぐ頭上に伸ばしました。次に思いっきりその両手を振り下ろし、両手が水平になったところでその動作を停止。その瞬間両掌を合わせました。すると眩いビームが発生。それがストーク号に向かって放たれました。
が、ビームが当たる寸前、ストーク号は消滅。直後一つ眼の宇宙人の真後ろに現れました。一つ眼の宇宙人はそれを横目で見て焦りました。
「後ろ?・・・ こいつらもテレポーテーションが使えるのか?・・・」
隊長はいよいよ決断したようです。
「仕方がないか、ビーム砲で攻撃しよう!」
それを聞いてヘロン号の2人は、かなり喜んでるようです。
「了解!」
が、隊長の命令は続きます。
「ただし、出力は20%だ」
それを聞いてフルで撃つつもりだったヘロン号のベテランの隊員はびっくり。
「ええっ?」
若手隊員は、
「隊長、フルで撃たせてください!」
しかし、隊長の応えは、
「だめだ、20%で撃て!」
ベテランの隊員は納得いかないようです。小さく「ちっ」と舌打ちしました。と、一つ眼の宇宙人は、今度はヘロン号に向かって指の光弾を撃ちました。
「おっと」
ヘロン号はこれを光の円で防ぎました。ベテランの隊員はついに決めたようです。
「仕方がないな、とりあえず20%で撃とう!」
若手隊員がそれに応えました。
「わかりました!」
ビーム砲の砲塔が一つ眼の宇宙人の方にくるっと回転。どうやらこの砲塔は回転可能なようです。
ヘロン号の乗員のヘッドアップディスプレイの内側に宇宙人の姿が映し出されました。それを見ている若手隊員の発言。
「ロックオン!」
続けてベテランの隊員が、
「ビーム発射!」
と宣言すると、ストーク号の砲塔がビームを発射。ビームは宇宙人に向かっていきます。が、宇宙人に当たる寸前、青白いハニカム構造の光の障壁が発生。そのビームを弾きました。ヘロン号の2人は驚きと悔しそうな顔を見せました。
「な、なんだ、こいつもバリアを張れるのか?」
「くっそーっ! 光のエネルギーを攻撃にも防御にも使えるのか? こいつは厄介なエイリアンだぞ・・・」
が、宇宙人の真後ろから同じビームが2条飛んできて、宇宙人の背中を直撃しました。
「うぐぁっ!」
一つ眼の宇宙人は大きな悲鳴を挙げ、焼け野原に両ひざをつきました。
2条のビームを撃ったのはストーク号でした。ストーク号の腹にはビーム砲の砲塔が2つ縦に並んでおり、それを撃ったのです。ヘロン号の2人が喜んでます。
「ナイス、隊長!」
「ふっ、バリアは一方向だけしか張れないのかよ」
今度はヘロン号がビーム砲を発射。
「よーし、こっちも!」
それが四つん這いになってる宇宙人のうなじに命中。宇宙人は再び大きな悲鳴を挙げました。
「うぎゃーっ!」
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