第615話 彼のダイヤは完璧だった

「だって」


そう言いながら海織が俺のスマホをまた俺のカバンへと入れてくれた。うん。俺はずっと荷物を持っていただけ。海織の問いに考えながら答えていただけである。


現在は俺にかかってきた――えっと、柊かな?うん。柊からの電話に海織が普通に出まして――なんか気が付いたらいろいろ決まったというか。なんか俺考えたというか。頭の中でダイヤ検索をしまして――ってことがありました。何が起こったのだろうか?うん。わからないことが多い。


ってか。まず聞かないといけないというか――うん。言うことといえば。


「いやいや、説明不足でしょ。海織「だって」だけで片付けられてもなんですが――」

「いや、白塚君が暇です。お肉ください。って言っていたからね。頑張って今から来たら食べれるかもよ。ってね。事で」

「——何やっているのか」

「柊の奴ー。お肉を狙いに来たか。海織ちゃん早く帰って準備準備。食べちゃおう。無くそう。来たけど残念!にしよう。急ごう!あっ。安全運転でね」

「はいはーい。じゃ帰ろうか」


斎宮さんが駐車場の方へと歩き出すと海織もそれに付いてき――俺も歩き出すと俺の隣を歩いていた七菜がつぶやいた。


「——なんで、こうなるの……」


うん。いろいろな感情がこもってそうなつぶやきをしていたのだった――俺――何が起こっても知りませんよ?うん。知らないからね?

また混ぜるな危険とか見たいな感じにならない?この2人基本居るだけでなんか起こるってか――うん。俺知らない。とりあえず荷物を運びます。はい。地味に荷物ずっと持ったままはつらいんだよ。


――――。


「えっと――菰野駅菰野駅」

「加茂先輩何してるんですか?」


荷物運びを終了した俺は現在海織の運転する車の後部座席に座っている。はい。今はまだ買い物からの帰り道です。

今の俺はスマホを触っているのだが。それに気が付いた隣に座っていた七菜がこちらを覗き込みつつ聞いて来たところである。そうそう、ちなみに現在運転手と助手席に座ったお方は――。


「進まなーい」

「ノロノロだね。行きはスイスイだったのにね」

「車多すぎー。これ柊が来ちゃうじゃん」

「まあ時間が時間だし。今日休日だからね。夕方は混むよ」

「肉が取られるー」


多分ちょっとした渋滞。スーパー近辺が混んでいるのか。全体的に混んでいるのかは、今はまだわからないのだが――とりあえずスーパーを出発してすぐに敷地を出るか出ないかくらいで車が進まなくなりましてね。進んでもゆっくり少しだけという状況で、道路状況にブーブー前の方々が言っているところです。って、俺は七菜に返事をしないとだな。


「いや、さっきの海織経由での話なんか多分——って感じで話していたから。あってたかな――ってちょっと心配で確認を」


俺はそう言いながらスマホの画面を七菜に見せた。


「えっ?あー、電車の時間ですか?ってか。加茂先輩ホント電車の時刻全部覚えてるんですか?スラスラ出て来てましたよね?あまり使わない菰野駅?でしたっけ。そこの時刻まで言ってましたし」

「いや、全部じゃないよ。でも良く使う駅は覚えてるから。まあさっきだと湯の山温泉の駅はなんとなくダイヤ覚えているから――ってのと。そこから菰野までは7、8分だったな――って感じで話していただけだから」

「——なんか私のわからない世界を加茂先輩が語ってます。とりあえず頷いておきます」

「あはは……」


まあ七菜にこの話をしても面白くない。ここは1人で調べていたらいいかな――と思っていると。七菜はまだこちらを見ていて――。


「ってか、白塚先輩ならほっておいてもいい気がしますが。電車の時間を言ったところでその電車と違うのに乗るか。または乗れなかった。っていうパターンが見えます」

「七菜。柊といつも揉めている割には――柊の行動パターン理解してるよね」

「付きまとわれて無駄に見せられてますから」


まあ俺もちょっとその可能性は考えていた。湯の山線は――多分本数が少ないから必死で先ほど海織経由で伝えた時間を――だと思うが。四日市まで行けばね。まあ基本名古屋行きしか名古屋方面は電車がないから――来た電車乗るんじゃないかな?とね。ってか、七菜が既に諦めの雰囲気を出していた。


「……なんかお疲れ様?」


俺は七菜とそんな話をしながら近鉄の時刻検索をしてみる。

時間を過去に設定して――少し前。14時00分からの時刻で菰野駅からまず名古屋駅を調べてみると――。


俺の記憶は正しかったらしい。

湯の山温泉駅を14時32分に発車する近鉄四日市行きの普通電車があり。その電車が菰野駅を14時40分に発車し。近鉄四日市駅には14時59分に到着していた。

その後は、近鉄四日市から名古屋方面も――15時08分に特急。15時10分に急行がちゃんとあった。うん。まあ嘘は言ってなかったみたいだ。


「どうでした?加茂先輩?」


俺が頷いていると七菜が再度聞いて来た。


「うん?いや、何とか近鉄は大丈夫だったよ。菰野駅も電車あったし。四日市も――まあ1分2分の乗り換えじゃなくて普通にのんびり乗り換えできるくらいの余裕があって、特急と急行があったから」

「——ヤバいですね。加茂先輩の記憶力がヤバいです」

「えっ?」

「いや、そこまで完璧なのかー。ですね。少しくらい間違った。ミスってたーって返事を少し期待していたんですが――」

「どんな期待って――、いや完璧って、大雑把にだよ?うん。正確な時間は言ってないし」

「いや、さっきの会話的に荷物持ちつつ加茂先輩が言っていたこと――うん。的確な方に入るんじゃないですか?」

「——どうなんだろうか?」

「じゃあ加茂先輩。問題です」

「はい?」


うん。唐突に何か始まりました。えっと――?クイズ?かな。って、なんでクイズ?

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