第609話 彼女は待っていた2

俺達3人が最寄り駅へと到着すると。かわいい軽自動車で迎えに来てくれていた海織。そういえば――海織も免許は持っていたもんね。まあ向こうで生活中はほとんど車に乗ることがないので、忘れがちだったが――そっか。実家だもんね。車はあるか。などと俺は思いつつ。先行して海織のところへと行っている斎宮さんを追いかける形で、俺と七菜も海織のところへと向かっていた。

そして海織のところへと到着すると――。


「楓君に七菜ちゃんも久しぶりー」


海織が話しかけてきたのだが――久しぶりかな?と俺は思いつつ。


「いや、海織。久しぶり。って、程は日数経ってない気がしますが――とりあえずお迎えありがとうございます。かな」

「でしょー。よかったよ。パパの車あって。なかったら歩きだったからね」

「……お父さんの車だったんですね。なんかかわいいから勝手に宮町先輩車持ってたんだー。って私は思ってました」

「持ってない持ってない。無理だよ」


七菜と海織が俺の隣で話していると――。


「あっ、海織ちゃん。ちょっとそこのコンビニ行って来ていい?水分無くなっちゃって」

「うん。大丈夫だよ。あっ。ちなみに家にも少しはあるよお茶とかだけだけど」

「じゃ、ジュースだけ買ってくる」

「了解。あっ、沙夜ちゃん。ならみんなの分も少し買ってきてくれると嬉しいかもあとで買い物は行く予定なんだけど、一気には大変だから」

「任せて。私の好きなので買ってくる」

「OKOK。お願い」

「任されました!」


斎宮さんが海織に声をかけて――ちょっと目の前。駅前のコンビニへと消えまして――すぐ飲み物を買って帰って来たのだった。海織が言ったようにみんなの分も買ってきてくれたのか。斎宮さんの持っていた袋はパンパンだったので、その袋を俺は受け取っておいた。


「重かったー」

「みんなの分かな?どうもです」

「問題ない問題ない。って、海織ちゃん。お腹すきましたー」

「あはは、だね。じゃあ行こうか」


はい。それから海織の乗って来た車にみんなで乗りまして――。


「じゃ、とりあえずうちに帰ってお昼だね」


シートベルトをしながら海織が言うと。


「賛成!」

「お願いします」


斎宮さん七菜が反応――そして俺もお願いします。的な事を言おうとしたら――それより早く海織が話しかけてきた。


「楓君は付いたらバーべキューの準備お願いね」

「えっ?お昼から準備?」

「お昼ご飯は焼きそばの予定なんだ。材料が余ってるってママが言っててね。だから楓君は焼くところを作ってもらって――ってこと。その間にこっちでは野菜切ったりしておくから」

「なるほど、そしてそのまま夜も利用——ってことね」

「パパからお金はしっかりもらってるから。晩ご飯はお肉だよ!バーベキュー。お肉はあとで買いに行こう」

「やったー!来て正解!万歳!海織ちゃんパパ居ないけど感謝です!」


助手席で子供が喜んでい――おっと斎宮さんが喜んでいます。


「斎宮先輩が子供みたいです」

「七菜。さすがに車内では聞こえてるよ」

「あっ」

「海織ちゃん聞いてよ。七菜ちゃんが最近いじめてくるんだよー。私先輩なのにさー」

「かわいいからいいじゃん。よしよししておこうよ。ちゃん」

「——あれ?おかしいな。今海織ちゃんが私の言い方おかしかった気がするんだけど……気のせい?」

「えっ?沙夜ちゃん。って言っただけだよ?」

「……だよね?」

「ほらほら、元気な《《さよ))ちゃんシートベルトシートベルト」

「やっぱりなんかおかしい!?楓くん説明求めます!なんか2人が私を子ども扱いしてる!」

「——聞こえませんね」


前の座席では何か話してますが――俺入らなくて良いよね?俺は七菜とともに後部座席に居ますから。あっ、俺の隣に居る七菜も含まれているか。でも、はい。俺はちゃんと聞いてなかったってことでいきましょう。などと思っていると。七菜が俺に声をかけてきた。


「——あの加茂先輩。前でお2人が何か言い合ってますが――今さらっと私も宮町先輩に私子ども扱いされている気がしたのですが――説明を求めますです」

「……俺は何も触れない」

「加茂先輩は完全に周りをシャットアウトしてた!?」


うん。いろいろな関係がありますね。はい。仲良しってことですね。ってことで、とりあえず海織の実家へと向かうために駅前から車が出発しましたとさ。出発するまでにいろいろあったな……。


なお道中は特に何事もなくです。はい。ワイワイと女の子3人が話しているという感じですかね?俺は――空気です。はい。空気なのです。下手に会話には入りません。


ってか駅から海織のところまでは車ならそんなには時間はかからないので――しばらく俺が周りからの音シャットアウト。ということをしつつ外を見ていたら。知っている建物。敷地へと俺たちは到着したのだった。


「うぁー、宮町先輩の家大きいですね」

「楓君や沙夜ちゃんところも大きいよ?」

「「いやいや」」


海織の言葉に俺と斎宮さんがハモっていたが――いや、斎宮さんところは広いよ。と俺が思っていると。


「そうだ。七菜ちゃん今度は楓君の実家一緒に行こうよ」

「えっ!?」


突然の事に驚きつつ海織の見る七菜。


「うん。七菜の反応は正しい。海織勝手にいろいろなことを言わない」

「だってもうすぐ夏じゃん。海じゃん。夏は楓君ところ行かないと」

「いやいや、って――そうだ。海織。お昼の準備するんでしょ?」

「あっ。楓君が話しを変えてきた」

「はい。準備準備」

「楓君が逃げたー。でもまあ、まずお昼だね」


上手に?なのかはわからないがとりあえず話を変えることには成功したため。それからの事を簡単に言うと――俺頑張ったである。

バーべキュー用の台というのか。前回海織の実家に来た時も使っていたのを俺が準備してですね。その後女の子3人がワイワイと焼きそば作りをしていました。

はい。そして俺達3人が買ってきたパンやらやらも登場して、楽しいお昼となりました。

途中いろんな会話が飛び交ってましたが――触れなくていいでしょう。はい。触れなければ何も起こらないのです。はい。とりあえずは……焼きそば美味しかったです。うん。鉄板で作ったからか。なんか美味しかったです。ソースは多くても問題なしですね。

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