第597話 妹ちゃんとの休日4

天気のいい中。俺はぼーっと大学内にあるいつものベンチにて菓子パンを食べつつ過ごしている。本当はサンドイッチの気分だったが。サンドイッチは1つしか売店になくてね。土曜日ということもあって入荷数が少なかったのか。単に出遅れたのかはわからないが。1つしかなかったため。俺は近くにあった菓子パンをかじっているところである。

――1つあったのでしょ?買わなかったの?と思う人もいるだろう。いや、買ったんだよ?でもね――現在俺の隣にはもう1人いまして――。


俺の隣では、ラスト1つだったサンドイッチ片手に――って、既に食べ終えていた。俺がちょっと前の事を思い出している間に完食したらしい。もう影も形もない。そして今は普通に本を読んでいる後輩が居たのだった。

うん。サンドイッチは後輩のお腹に消えましたとさ。という事である。


まあ2人しか居ないからか。今はとっても静かだ。ってか、俺は何をしているのでしょうかね?見守り?うーん。子守――というと怒られるか。でもまあなんか平和なのは平和なのだが――ホント何をしているんでしょうねという状況だった。


俺は菓子パンを食べつつ鳥が優雅に飛んでいるのを見ているだけ。風に揺れる木々を見ているだけ―—という感じになっていた。


ちなみにここへと移動してきてから既にそこそこの時間が経過している。

いや、七菜がね。普通に借りてきた本を読んでいるし。たまに何かメモをしつつね。うん。真面目なお方なのですが――捕まった俺はどうしたらいいのだろうか?ってか。七菜が昼ご飯を食べるスピードがめっちゃ速かったのだった。うん。などと俺が思っているとだった。


「読めました!」

「早っ!?」

「そうですか?」

「全部読んだの?」

「読みました。気持ちいいところで読むといいですね」


はい。七菜さん。速読の技術でもあるんですかね?俺だと――まだ読めてないと思うんですが……って、すると七菜は荷物を片付けだした。本も読めたし。お昼も食べたしお帰りかな?もしかして一人でこの場所に居るのが七菜は嫌で俺を捕まえていた?などと思っていると。


「加茂先輩。パソコン室行きましょう」

「——えっ?」

「今から課題作成です。レポートですからね。パソコンが必要です」

「俺……必要かな?」

「ご指導ですね。加茂先輩もこの科目1年生の時に受けてるんですよね?宮町先輩から聞いてますよ?」

「……」


――はい。七菜がしている課題。なんか見覚えはあるなー。だったんですよ。多分同じ先生なんだろうな。とは薄々気が付いて思っていたのだが――うん。海織よ。何でいろいろ話してるのかな?この場に居ないのにめっちゃ活躍というか――俺を捕まえてきていたのだった。


「行きますよ。先輩。って、土曜日でもパソコン室空いてましたっけ?もしかして――開いてない?」

「いや、一部は開いていたかと。講義棟近くの方がね」

「了解です。じゃあそこに行きましょう」

「——まあパソコン室なら――俺も何かしてるか」


それから俺も移動の準備をして、その後俺たちは学内にあるパソコン室へと移動したのだった。


ちなみに俺は移動中。クレームというか――うん。海織さんにね。ご連絡をしておきました。


『海織さん?ちょっと聞きたいことがあるんですが――なんか七菜がいろいろ知ってるんですがどういうことですかね?』


そんなメッセージを送ると――。


『楓君。現状!』


短いお返事と――先ほど見た画像と似たような画像。段ボールの山の画像がまた送られて……って、このお方1箱くらいしかまだ減ってないという。片付けを本当にしているのだろうか?という疑惑と――俺の質問に対しては全く触れないという返事をしてきたため――ここでメッセージは終了しました。はい。会話不成立というやつですね。

なお、俺が七菜とともにパソコン室へと到着したくらいに海織から――『ちゃんと七菜ちゃんのお手伝いするんだよ?』というメッセージが届きましたとさ。うん。俺――マジで何をしているんでしょうかね?もうホントに――です。ってか。海織がしっかり裏で何かしているというね。困ったもんですよホント。


俺が1人呆れていると、七菜はスタスタと空いてたパソコンの前へと向かっていたので、俺も暇だし。学内のパソコンなら自分のデータ。卒業論文とかのデータがあるのでね。七菜の隣で卒論作成。まあこちらは資料とかを今持ってないため既に作ってあるところの見直しですね。そんなことをして過ごしたのだった。


ちなみに俺がパソコンをいじっている間。隣では快調にタイピングの音が聞こえていた。どうやら七菜は詰まることなく課題を作っており――パソコン室へと来てからしばらくして「出来たー」と言ってました。はい。俺必要なかったですね。ただ隣に居ただけでした。


その後七菜が「印刷できません!」みたいなことを言ってきたため。印刷の時だけ俺は活躍しまして――それから課題を提出という作業にも俺は付き合い16時前くらいに俺達は大学を出発出来たのだった。

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