第579話 唐突に始まる1人旅4
男性は桑名駅の改札でもICカードをタッチし抜けると。線路沿いを歩いて行ったのだった。
ちなみにやはり天気が崩れて来て、雨が降り出したため男性はカバンから折り畳み傘を出して――って、この男性準備が大変よかったのだった。突然の雨も全く問題なく。男性は駅から離れていったのだった。
現在男性は、
「ほっほっほっ。ここだの。久々じゃの。たまに渡りたくなるんじゃ」
すると男性はそんなことをつぶやきつつ。踏切を渡りだしたのだった。ちょっと長い踏切だ。何本もの線路を男性は渡っていく。
「ほっほっほー良いの良いの。これが近鉄」
「これがJR。そして――三岐鉄道。ほっほっほー満足満足じゃ」
踏切を渡りつつ何かをつぶやいている男性――謎である。誰か解説を求むである。
まあ今のところ周りに人は居ないため。男性の事を不審に思う人は居ないと思うが――とにかく謎な。光景だった。
「ほっほっほー、堪能堪能」
ぶつぶつとつぶやきつつ踏切を渡った男性は今度は桑名駅方面へと歩き出した。
あれだ。戻りだしたである。うん。先ほどとは真逆に歩き出したのだった。
もしかして男性は線路の向こう側に目的地があるのだろうか?でも――それなら初めから桑名駅はどちら側にも出口があったはずなので、目的地に近い方の出口に出ればよかったのではないだろうか――?うん。謎な行動男性はしている。
その後男性は雨の降る中ただ傘をさして町を歩いていた。町を見ているという感じだったな。
そして――戻って来たのだった。桑名駅へと。
どこかに立ち寄ったということは――あー、そうそう、先ほどお店で佃煮?しぐれ煮?何を買ったのか詳細はわからないが。何かそのようなものを扱っている雰囲気のお店で買い物をしていた。って――先ほど踏切を渡ってからの男性はしばらく町中を歩き――1店舗だけお店に寄り。また桑名駅へと戻って来たのだった。謎だ。何度謎と言えばいいのだろうか。
――散歩?買い物がお目当てあだったのだろうか?でも踏切を渡って町をぶらぶらは必要だったのだろうか――?それも雨の中……うん。謎な男性である。このままいくと謎謎謎と謎ばかりになりそうなのだが――。
桑名駅へと戻って来た男性は、また近鉄線の時刻表。近鉄四日市方面の時刻を確認していた。
ちなみに男性はそこそこの時間町中を歩いていたようで、現在時刻は17時48分。そして駅の時刻表には17時47分に大阪難波行きの特急。17時52分に伊勢中川行きの急行。17時58分に近鉄四日市行きの準急の文字がある。
47分発は既に発車しているので、普通なら――この後にある急行。または準急で帰る――あれ?男性は帰るんだよな?勝手に帰るような雰囲気で話していたが――男性はこの後どのような行動をとるのだろうか?
結果から言うと男性は――窓口へと向かっていた。
そして、18時02分発鳥羽行き特急で近鉄四日市までの特急券を買っていた。
うん。この男性の行動はわからない。帰りも1区間の特急利用だった。いや……何度も言うが。利用する人はいると思う。いるとは思うがが――次の特急が来るまでに急行などがあるのだが――それには目も触れずというのか。特急券をゲットした男性は近鉄四日市方面のホームへと歩き出したのだった。またICカードタッチである。
うん。この男性の行動は――解説者がホント必要らしい。こういうことをする場合は事前にK・K氏を呼んでおく必要がありそうだ。
その後近鉄四日市方面のホームへとやって来た男性は、17時52分発の伊勢中川行きの急行を見送り。途中同じホーム。あっ、でも改札はちゃんとあるので――別と言った方がいいかもしれないが――時間が無いので簡単に。同じく桑名駅から出ている養老鉄道線の方を覗いたり。少し離れているJRの方を見たりして過ごし。次にやって来た17時58分発の近鉄四日市行きの準急も見送り。18時02分発の鳥羽行き特急へと乗り込んだのだった。
謎だ。
そしてまた行きに来た時と同じように、1区間の特急乗車を楽しみ近鉄四日市駅へと男性は戻って来たのだった。
ちなみに近鉄四日市駅には18時12分に到着。そして男性はまた別の方へ――ではなく。今度は四日市あすなろう鉄道の乗り場がある方の改札へと歩き出したのだった。
「ほっほっほー、良い寄り道じゃった。ほっほっほー……おっ?あれは――」
すると男性は近鉄の改札でICカードをタッチし。四日市あすなろう鉄道へと――と向かって歩いていた途中で何かに気が付き立ちどまり。後ろを振り返ったのだった。
何故男性が振り返ったのか。それは聞き覚えのある声が聞こえた気がしたからだった――って、なんか聞こえたか?ってその時。ちゃんと声が聞こえてきたのだった。そして姿も確認できた。
「——がははっ。これだけ買ってけば七菜も喜ぶだろ。がははっ。あっ、連絡してないが――まあ居るだろ。がははははっ」
1人の体の大きな男性が両手に袋を持ち元気に階段を上って来て、そのまま近鉄線の改札へと向かって歩いている。1人だがとっても賑やかな男性だった。周りにいる人が何事?という感じで男性を見て――ちょっと距離を取りつつも普通にすれ違ったりしている。
「ほっほっほー、難波君じゃないかの。ほっほっほっ。元気そうで何よりじゃの。寄り道したかいがあったわい。ほっほっほー」
男性は体の大きな男性の後姿を見つつそんなことをつぶやき。男性は四日市あすなろう鉄道の駅。あすなろう四日市駅へと向かい再度歩き出したのだった。
その後男性は朝も利用した小さな3両編成の電車に乗り。家へと向かったのだった。今日はお土産付きだ。ちなみに家では今日の午後にあった事に関していつも通り報告をおこなっていたとか。楽しい夕食の時間になったらしい。
これは――とある男性のとある日の唐突な思いつきの行動記録である。
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