第565話 休日の講義9

伊勢川島駅から俺の家へと歩いている3人。うん。3人居ます。2人居ますというのもおかしんだがね。そりゃたまに友人らが来て――なんだが。ほとんど2人はあることで――最近は七菜も居るから3人もちょくちょくあるんだよな。うん。おかしいな。何度も。何十回でも。何百回でも言うが――今の俺は1人暮らしなんでね。1人で帰ることの方が多いはずなのだがね。よく横や前に一緒に歩く人が居たのだった。


「そういえば七菜ちゃんはもう一本後かな?」


俺が今の状況おかしくない?などと思っていると、前を歩く海織がそんなことを聞いてきた。俺は頭の中で大学の講義終了時間を考える。うん。今の電車とかこの前の電車ではないですね。まだ七菜は講義中の時間と思われるので。


「——だと思うけど。って、帰ったら帰ったで晩ご飯作らないとか」

「楓くん豪華ちらし寿司待ってるからねー」

「斎宮さん。豪華。はないかと」

「無いの?」

「普通です」

「まあ、大丈夫。普通にOKOKだから」

「楓君こういう時は豪華に――」

「海織?」

「にひっ」

「おお、今日もいちゃついているお2人ですね」

「斎宮さん。今のどこにいちゃ要素があった?」

「全部?」

「——」


うん。いろいろ謎ですが――とりあえず3人で話しながら歩いていると俺の部屋へと到着したのだった。もちろん――七菜は居ない。うん。七菜の部屋の前を通過しても察知はされなかったのでね。多分まだ大学です。


「どうぞ」

「おじゃましまーす」

「どうぞどうぞー」

「——海織の部屋ではないので」


俺が斎宮さんを室内に入れると。何故か海織の方が歓迎オーラというね。あなたの家はここじゃありませんよ?なんだがね――まあうん。多くは言わないでおこう。


室内へと入ると。斎宮さんも来る回数が多いからか。すぐに寛いでいた。海織と雑談再会でしたね。

この雰囲気は――俺はとっとと晩ご飯の準備をしろ。かな。よし、するか。

にしても俺——さっきからめっちゃ働いている気がするが。うん。2人のお世話係?


♪♪


すると、俺のスマホが鳴ったため。ポケットから出して確認すると――柊からの返事だった。


「沙夜の奴部屋が汚いとか言ってたが。ついに荷物も預かれなくなったか。まあとりあえず了解。あと。なんか今から楓の家で晩ご飯もらうとか。沙夜言ってたから――楓。子守頼むわー」


そんな柊からのメッセージとともに笑いのスタンプが数個送られてきたのだった。うん。これは――子守らしい。ってか。柊。逆だ。斎宮さんの部屋綺麗になったから柊の物を預かってもらえなくなったんだよ。って、晩ご飯作らないとなので。返事は簡単にスタンプでやれやれという感じの犬スタンプを送っておいた。


俺が柊の返事を送り終えて、晩ご飯の準備をしていると――。


「あっ、沙夜ちゃん沙夜ちゃん」

「うん?何?海織ちゃん」

「この前沙夜ちゃんが面白いって教えてくれた映画?あれ何だっけ?タイトルちゃんと確認しなかったから。この前借りに行こうって思ったんだけど――借りれなくて」

「あー、あれね。ってそうだ。海織ちゃん」

「うん?」

「私もまた見たいからさ。借りて一緒に見ようよ」

「おっ、いいね」

「私は今日でもいいよー」

「あっ、じゃあ、晩ご飯の後借りに行って私の部屋で観る?」

「おっ。海織ちゃんのところでお泊りー。映画鑑賞!うん。賛成!」

「よし。あっ、七菜ちゃんも誘ってみる?」

「いいねいいね。呼んじゃおうか」


部屋の方からそんな会話が聞こえてきたのだが――うん。俺は部屋に口を挟まなかったのだった。いや、口を挟むと巻き込まれるのでね。今のところ海織の家――みたいな感じで話が進んでいるので俺は大人しく――だったのだが。


「ってか。そうだ。楓君?」

「——えっ?」


――あれ?口を挟まなかったのに。巻き込まれた?などと俺は思いつつ返事をしながら海織たちの方を見ると――。


「楓君洋服のところも片付けたよね?」

「うん?うん。自分のところはね。海織は海織のところをお掃除してください」

「あれー。おかしいな。楓君の洋服のところに私の服忍ばせておいたのに。反応が無かったなー。もしかして隠し持ってるのかな?」


何故に突然その話になるのかな?って、この雰囲気はやはりか――。


「楓くんそういう趣味だったのかー!」

「斎宮さんお静かに——って、海織?あれは――何かの罠?」

「てへっ?」

「——変なことをしないように。出来れば自分の物は自分の家にお持ち帰りください」

「えー」

「何々。海織ちゃんは何をしたの?あれ?楓くんが何かした?」

「実はねー」

「海織事実を言いましょう」

「どうしようかなー」

「——ホントもう……」


それからの事を言うと、俺は女の子2人の話に巻き込まれながら晩ご飯の準備をした。そして、18時前に俺の部屋へとやってきた七菜に荷物。テキストを忘れる前にまず渡しまして――ちなみに七菜はびっくりという感じでしたね。まさかの俺の部屋に――というのと、あぶなー。という感じでしたね。まあ七菜の忘れ物もちゃんと渡して――はい。忘れ物整理は完了です。その後は4人で晩ご飯。七菜が何故に斎宮さんも居るのか聞いてきたが――うん。いつもの事です。と答えておいた。


って、その後の事を言うと。七菜は誘拐されましたね。ちょっとした悲鳴が聞こえた気がしなくもないのだが――うん。海織、斎宮さんとともに出て行きましたとさ。


そうそう。これが後日談だが――。


「楓!沙夜が真面目に掃除してやがったー!絶対しないと思って、ゴミをまとめたら捨ててやる。って約束してたら綺麗にまとめてやがったー!」

「……」


大学にて、柊のそんな悲鳴も聞いた俺だった――って、斎宮さん柊と何か約束していて――そこにいい感じに俺が海織と来ただったらしい。うん。これに関しても海織が……の可能性はあるが――もう触れなくていいな。深堀すると――なんでね。


「あの日は楓の家で晩ご飯。夜は宮町さんところで泊まるとかだったのに……翌朝ゴミは完璧ってあいつおかしいだろ。徹夜で掃除したのかよ。馬鹿だろ。いや――居なかったはずなのに……謎だ」

「——はっはっは……」


この時は下手なことを言うと――なので、特に答えなかった俺だったりする。まあなんやかんやといつも通りの日常があったという事ですよ。

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