第558話 休日の講義2

海織と七菜が大学へと出かけて数分後。俺は部屋の片付けをまずすることにして動き出していた。

窓を開けて、空気を流し――ということをしつつ。室内を再度確認する。


うん。マジで1人暮らしのはずなのに――荷物が多いんだよな。床に散らばっているということは無いんだが……なんかね。海織スペース。海織ゾーンだったか。そのあたりに物が多いのと――なんか隅っこには見覚えのない袋が見えていたり。あと紙袋に入っているものが見えていたり――って俺の服が入っているところや、かけてあるところも――なんか買ってないのに増えたような――と。うん。絶対俺が知らないものがこの部屋にはある気がするんだよね。だから片付け。まあ整理開始です。


ということで本日のはじめの作業は掃除です。お掃除しましょうですね。今なら妨害してくる人もいないはずなんでね。

はず。というのは、まあ……うん。今日の行動がわからない俺の友人。突然部屋に乗り込んでくる可能性があるお方がまだ2人くらいいるのでね。って、友人の相変わらず少ない俺。把握しておく必要のある人が自然と少ないのは――まあ楽でもあるのだが――いや、なんかね。友人が多いといつ誰が突然やって来るかわからないというか――って、そんなことはどうでもいいか。

はい。とりあえず今浮かんだ2人はそう早くから動かないだろうと俺が考え。もしかしたら大学行ってるかもだし。などと思いつつ行動を俺は開始したのだった。


ちなみに――先に言っておこう。明らかに俺の荷物ではないお荷物はすぐに見つかった。出てきたのだった。うん。発掘されたよ。

なので、ちゃんと持ち主に返しましょう。となったのだった。


一応いろいろと発掘されるまでの事を言うと――。


まず、俺が服などを入れているところから服が出てきた。うん。服を入れてあるので服が出てくるのはおかしい事ではなく普通の事。当たり前の事だと思うのだが――俺の服ではない。どう見ても女物ですからね。まあスカートだったのだがこれは海織ですね。何故に俺の方にあふれてきているのか。それとも単に海織が間違ったのか――ちなみに斎宮さんの可能性も無くはないと思ったが……これはたまたまなのだが。見覚えがあったスカートだったのでね。はい。海織の物です。決定。


その後は本棚の確認をした。

いや、大学生になった頃は、この本棚には地道に本。主にライトノベル系が少しずつ増えていく予定だったのだが――現実はほとんど増えてませんね。好きな作家さんのは数冊増えたが――新しく本を開拓。というのはほとんどできていない。うん。いろいろ周りで起こりまくっているここ数年なのでね。それは仕方ないか。

でも、そんな本棚もよくよく見ていると……俺のではないテキストが出てきた。これは――誰の?俺のではない。それに綺麗すぎる。って、新しいってことは――七菜のじゃん。いいのか?今日のじゃないよね?俺は知らんぞ?って、何でテキストが俺の部屋の本棚に……まあそれは今はわからないから。とりあえず机に出して――ってそうそう。今の時刻表もあるが。古い近鉄の時刻表もこのあたりに置きたいんだよな。

そんなことを思いつつ俺はちょっと別のところに置いてあった古い近鉄の時刻表。あれです。1994年号ですね。そのうち――といいつつずっと違うところに置きっぱなしだったので、やっと移動――そんなことを思いつつ手に取ったのだったのだが……。


――バサッ。


「……えっ……?マジかー。って綺麗に抜けたよ。えー」


俺が古い近鉄の時刻表を手に取ると――中身が抜けた。うん。そうだよ。忘れてた。前に海織と見ていて――古かったからか。外れかけていた。うん。ボロになっていたのを忘れていた俺だった。なのに、普通に持ったからか――見事に分解。俺の手には表紙と裏表紙?というのか。うん。ちょっと厚めの紙の部分しか残ってないのですが……。


って、片付け開始してすぐに逆に部屋を散らけている俺。うん。片付けましょう。

俺はバラバラになってしまった古い近鉄の時刻表を一度まとめて――はい。あとで何とかしましょう。並べるやらやら検討です。後回しです。


古い時刻表をそっと再度封印した後。俺は引き続き片付けをした。

そうそう、ちなみにだが、今の時刻表も結構使っているのでね。ボロが来ている。これも注意しないと――という感じになりつつだった。

ってか、そういえば、初夏にダイヤ改正の話があったような――どこかで見たような?などと俺は思いつつ。本棚近辺の整理をしていると――また知らない男物の服が出てきたのだった。さすがに本棚に服があったではないのだが――本棚を見ていてふと近くで発見である。

今度発掘されたものは男物の服。カーディガンが出てきた。

ちょっと埃が付いてしまっているが――うん。持ち主は柊ですね。柊しかいませんね。この前来た時に置いていったのだろうか?って柊は最近泊まってないと思うから――うん。普通に着てきたのを脱いで――忘れたか。などと俺思いつつ。洗濯をということをするとまた大変なので、とりあえずコロコロだけして埃を取って、臨時柊ゾーンを一時的に作った俺だった。


って、マジで何で俺の物以外がポンポン俺の部屋から出てくるのか。謎過ぎる俺の部屋だっ……って、そろそろ出てくるものはないだろうとまとめようと思ったら。今度はレジュメが出てきたぞ?これは誰の?俺のではない。

ちなみにレジュメとはあれだ。大学の講義で配られた資料の事なのだが――あれ?前にも紹介した?まあいいや、とりあえず講義で使ったプリントだな。

でも、この講義は俺は受けてないし――海織?斎宮さん?柊?七菜?その他――はないな。うん。その可能性はないかな。

とりあえず中身を確認してみないことにはわからないので、パラパラと中身を確認すること数秒——。


「……柊のだな」


レジュメに書かれている文字から柊の物と判断した俺だった。

って、再度言う。マジで何で俺の物以外がポンポン出てくるのか。


掃除しましたが。普通に自分の物が溢れていただけでした。とかになるのが普通だと思うのだが――俺の部屋。謎だった。

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