第542話 まっしぐら19
名古屋近辺で行動中の3人。海織、七菜、柊と再合流するということをすっかり忘れて
太陽がかなり沈んできましたが――はい。太陽より今は各自スマホを見ているという感じです。夕日。夕焼けはしっかり見ましたからね。今度はご連絡ですよ。はい。
現在は、すっかり忘れてました。という連絡と――そもそも海織と七菜からのメッセージをまず確認しないと――という状況だった。
「おお、楓くんところには七菜ちゃんからもですか。うんうん。さすが楓くんモテモテだねー、で、そっちはどんな内容?」
斎宮さんはまだ自分の方のメッセージは……見ていない感じだったが。うん。こちらを覗き込んできているだけなのでね。
って、ここでどちらも確認しないというのじゃ先に進まないので――。
「斎宮さんは何を言っているのか――ってまずはメッセージの確認をしましょう」
「——だねー。あと言い訳考えた方がいいかなー。うんうん。海織ちゃんに刺されるかも。どうしよう」
「刺されることはないと思うけど――まあ素直に言いましょう」
「楓くん使用料金が爆上がりしそう。それは困るなー」
「いやいや、俺の使用料金ってなに?なんか払ってるの?」
「適当に言ってみた」
「適当にって、斎宮さんは通常運転だったか――ってメッセージの確認確認」
そんなこんなで、再合流するということをすっかり忘れていた俺と斎宮さんはやっと海織や七菜からのメッセージをとりあえず確認ということになったのだった。
俺の方には――「楓君。無事についた?沙夜ちゃんから反応無いんだけど。今どこに居るの?」「もしもーし。楓君沙夜ちゃんと仲良くするのはいいけど。そろそろ集合時間だよ?まだメッセージ見て無いよね?」という海織からのと――「先輩。宮町先輩がおろおろしてます(嘘です。ニヤニヤしてます)」「あっ。白塚先輩にはたくさん服買ってもらいました」「先輩先輩。集合時間ですよ?どこに居るんですか?宮町先輩が勝手な事言ってますよー」七菜からのメッセージが届いていた。
斎宮さん側には「沙夜ちゃん?着いた?」「もしもーし。沙夜ちゃん?今どこ?」「もしもーし」というメッセージ3つが届いていたらしい。斎宮さんが隣で読み上げていた。
はい。メッセージの確認はそれぞれ終わりました。すると斎宮さんが――。
「楓くん楓くん。もしかして私たち、安否確認?ってか。行方不明扱いされてないよね?」
「行方不明届。みたいなことにはなってないと思うけど――まあそれに近いことは――なっているかも。既読も今やっと――だからね」
「あっ。私も見たの今だから――ずっと2人とも既読付いてなかったんだ」
「まあでも海織の事だと――なんか勝手に妄想を――かな?うん。七菜のメッセージからもそんな感じが漂ってるし」
そうそう七菜のメッセージに、海織がおろおろ――ではなく。ニヤニヤしてます。って正直にというか。ちゃんと向こうの現状?と思われることが書かれていたのでね。
「ってか。柊が何も連絡してきてないのは気になるような――」
「息してないんじゃない?にひひー」
「いやいや――って海織と七菜だから……あるかも」
「ホント、柊。すっからかんにされてるかもねー。それはそれで早く現状確認しないとだね」
俺と斎宮さんが海織。七菜からのメッセージを確認して、それぞれそんなことを言った時だった。
♪♪~
さすがに、集合時間を軽く1時間以上過ぎていて、メッセージも反応しない俺たちののところにご連絡――斎宮さんのスマホに電話がかかってきたのだった。
うん。タイミングいいね。あっ、もしかしてメッセージを確認した。既読が付いたのを向こうも確認したのか。と俺が思っていると――。
「楓くん楓くん。海織ちゃんからなんだけど、このまま電話も無視したらどうなるかな?」
何故か楽しそうに斎宮さんがそんなことを言ってきたのだった。
って、もちろんだが「無視しましょう」という事にはなるわけもなく。
「状況が悪化するのですぐ出ましょう。まあ海織の事だと――勝手に面白いことにしてるかもだけど――」
「まあ海織ちゃんにお仕置きされてもだから――とりあえず元気って伝えないと」
「元気ってことでいいのだろうか――」
俺がそんなことを呟いていると斎宮さんはスマホの画面をタップして話し出した。
「――――あっ、もしもし、ごめんごめん。海織ちゃん。ちょっと予想以上に見るところ多くてね。うん。楽しすぎて普通に今、夕日。夕焼け見てた――うん。大丈夫大丈夫。問題はなかったよ。ってか歩き回って休憩して、いろいろ見てたらあっという間でさ。うん。いやー、メッセージは気が付いていたんだけど――後で……って思ってたらね。忘れてました――てへっ。ってことで楓くんパスパス」
少し斎宮さんが話した後。斎宮さんから俺へとスマホが飛んできたのだった。
いや、空中をスマホが飛ぶとかいうことはなかったのだが。俺が斎宮さんの隣で。話してる話してる。的なことを思ったらいきなり俺の名前が出てきて――スマホが差し出されたのだった。
「いきなりなこった――——ってもしもし?海織?」
とりあえず俺は斎宮さんからスマホを受け取るとすぐに電話に出た。すると――まあ予想通りなのだが。超楽しそうな海織の声が電話口から聞こえてきたのだった。
「あっ。楓君の無事も確認。って、ダメだよー、楓君。ちゃんと約束は守らないとー。ニヤニヤ」
「いや、なんかすみません。あとで――と思ってたら、いろいろ動いているうちに――はい。すっかり忘れてました。って――ニヤニヤ普通に言ってるし」
「ニヤニヤー。ふふふー。これはお仕置きだねー」
「……えっ?」
いや。マジですか。海織の場合――絶対あのマッサージか!?と、俺の頭の中で瞬時にそんな予想が出ていたのだった。
はい。とりあえず――無事?ということを海織に伝えるという段階に何とかなりました。ここからどうなるのでしょうか……。
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