第528話 まっしぐら5
斎宮さん、七菜と別れた後、俺と海織は大学内を歩いて駅へと話しながら向かっている。
「ちなみにとこにゃんはね。大きいよ。高さが――5メートル弱?だったかな?4メートル?あれ?横の方が大きかったから――横が5、6メートルだったかな?うん。とにかく大きくてかわいいよ。目立つし」
「話を聞いている限り。絶対海織が居る時に行った方が迷子とか無い気がするんだけど――」
「大丈夫だよ。名鉄の常滑駅から歩いて行けたはずだし。お店とかもあるから事前に調べておくと沙夜ちゃん喜ぶと思うしいいと思うよ?それに楓君なら事前に調べたら大丈夫でしょ?」
「ホントなんでこうなったというか……」
「あっ、そうそう、猫のオブジェ?もあったと思うから探しながらあの辺りを散歩もいいと思うよ?って、なんか話していたら私も行きたくなってきたなー」
「だから海織がですね。居る時に――」
「よし。今度は2人で行こうね」
「こっちの話聞いちゃいない海織だった……」
「にやにや」
「ニヤニヤしない」
「にひひー」
「にひひーも」
まあそんなこんなで、海織とのんびり話しながら大学内を通過して――湯の山温泉駅へと俺と海織が到着すると。ちょうど13時32分発の近鉄四日市行きの普通電車があったので、俺と海織はそのまま電車に乗ったのだった。
昼間の時間は車内も空いていて俺と海織は空いていた座席へと座った。するとお隣から――。
「ふふふっ。ランチ楽しみだなー。普段は絶対食べれないからね」
こちらはこちらで高級ランチを楽しみにしている方が居ました。
「……柊がマジで破産するに1票入れておこうかな。七菜のあれは本気みたいだったし」
「それに白塚君は私には逆らえないからね」
「柊も大変だな。ってさらに大変な事してるしね」
「楓君も気を付けないとだよ?沙夜ちゃんに何かしたら――だからね」
「なら……家で大人しくしていたいものですね。うん。動かなければ安全。家で何かできること考えようかな――最近で歩いて絵ばかりというか。いろいろ動いている気がするからね」
「それは面白くないなー」
「何で面白さを求めているのか。ってか。海織も調子に乗らないように」
「大丈夫だよ。大人しく食べて――七菜ちゃん操って、満足してくるから」
「……途中におかしな言葉があった気がするんだけど……」
「えっ?そうだった?私なんて言ったっけ?」
「……柊。ご愁傷様。ってか。最近は七菜もなんやかんやで絡んでくるからすごいというか――あー、そうか。海織がそうしたんだっけ?」
「たまたまだけどね。たまたま1限と2限の休みの時に七菜ちゃんにあってね。何してるのかな?と思ったら――激怒している七菜ちゃんから。まあ朝の事聞いて――その後にちょっと白塚君探して、コソコソってランチの件を提案しただけだからね。まあ白塚君に提案する前に、七菜ちゃんにはランチの話言ってあったんだけどね。破産させちゃおうか?って、だから白塚君が七菜ちゃんに避けられつつもランチOKになっているのは――まあそういう事」
「……まあなんというか。って。ちょっと待って。いろいろ情報が出てくるというか。完全に仕組んだのが海織説が濃厚にならなかった?」
「えっへん」
「いや、そのえっへん。は何?」
「にひひー」
「うわー、なんかまだ考えてそうな雰囲気」
「そんなことないよー多分」
「普通に多分って言うのが海織だよね。うん。何かを起こそうとしているのか――まさか今も何かを考えているとか?」
俺が言いながらお隣さんを見てみると――。
「どうでしょうか?にやにやー」
……わからん。いつも通りの海織だが――うん。にやにやを言うのは、いつも通りということだから――何かを企んでいる可能性も――って。うん。変にかかわるとだから、やっぱり変に考えるのはやめておこう。と俺は思いつつ。
「……平和に過ごしたいねー」
「じゃあ、今日は帰ったらまったりしようか?」
「今日もうちに来るんですね」
「お邪魔しまーす。あっ、新しい紅茶買ってあるから飲もう」
「準備がよろしいことで」
「えっへん」
「……それハマった?」
「ふふふっ」
はい。そんな感じで俺と海織は、昼間の空いている時間帯の車内で、話しながら過ごしていると――俺と海織が乗った電車は13時51分伊勢川島駅へと到着したのだった。
そして今日も海織は俺のお隣を歩いていて――って、本当にランチが楽しみなのか……いや、その他の事でも楽しみが多いからか――まあ海織がルンルンですね。はい。その辺で躓きそうなんですが――ちょっと注意していないとかな?などと、俺は思いつつ。海織とともに家へと帰ったのだった。
――ちなみに。これは報告の必要があるのか……だが。
うん。まあ話しておこう。
海織はその後躓いたのだった――家の玄関でね。
うん。怪我はしてません。大丈夫です。俺がクッションになったから。えっ?何があったって?
俺が自分の家の鍵を開ける。ドアを開ける。そして中へと入って靴を脱いでいると、後ろから入って来た海織が――「ただい――きゃっ!?」という感じでですね。俺にぶつかってきました。はい、そして2人仲良く玄関でスライデングをしたみたいな感じになりました。はい。
報告は以上です。深くは何も言いません。はい。2人とも怪我がなかったからいいのです。はい。
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